先輩創業者の創業事例 女性創業事例 経験を活かす【料理教室】 Makana Cooking Salon[東京都杉並区]主宰 庄野 真愛さん先輩創業者の創業事例 女性創業事例 経験を活かす【料理教室】 Makana Cooking Salon[東京都杉並区]主宰 庄野 真愛さん

融資は「創業」の背中を押してくれた。
夢の実現はこれからです。
キッチンから苦労をなくすレシピで、人を元気にしたい。
夢実現までの道のりは、具体的なプランを綴った「逆算ノート」が道標です。

日曜日の青山ファーマーズマーケット。全国の農家から農作物を販売する人、こだわりの料理を提供する料理人などが集まるこのマーケットに、健康・美容料理研究家、庄野真愛さんが作るお菓子などが並びます。午後の早い時間には売り切れになるほど人気のマフィンやグラノーラもあります。ここで知り合った人が料理教室に参加してくれることもあるそうです。

 庄野さんが料理教室や料理のケータリング、お菓子の販売業を創業したのは2015年6月。創業当時、ファーマーズマーケットに出品しても「帰り道ですれ違う人に売ろうと思うほど」1個も売れず、泣きながら帰る日を経験してから約半年。今では毎週、完売御礼です。
 その急成長の陰には、寝る間も惜しんで努力を重ねた日々がありました。

料理人と料理を教える仕事はまったく違う
自分の味で勝負したくて料理研究家になりました

「逆算ノート」には
50歳までのプランを綴っています

庄野さんが創業を志したのは7年ほど前、イタリアンレストランに勤務していた頃でした。
「自らの経験から、間違ったダイエットをしている女性を支える料理を考えたいという想いがありました。でも、料理人という仕事は、朝早くから仕込みをして、夜は終電間際まで働きます。もしも結婚して子育てをしながら働きたいと思っても、厳しいなと思ったんです。そこでレストランではなく、料理教室であれば、自分で時間のやりくりもできると考えたのが創業のきっかけです」
 創業にあたって最初に取組んだのは、「逆算ノート」をつけることでした。自分の目指す料理のコンセプトを決めて、レシピを考え、資金を調達し、30歳までの創業を目標にした「逆算ノート」は、具体的な計画書。すでに50歳までのプランを建てたといいます。
 目指す料理のコンセプトは、次に勤めたマクロビオティックのレストランで固めることができました。すでに創業することは心に決めていたので、時間に余裕のあるアルバイトの立場で2年間だけ働くという計画でした。
「2年後に必ず独立しようと思っていて、ヨガの資格をとったり、友人に料理を教える練習をしていたので、アルバイトと決めていました。でも、仕事内容は社員と同じようにやらせてもらって、料理に関する勉強もできました」

3年ごとに新しくする「逆算ノート」と日々の感謝を綴る日記帳で、目標を確認します。

寝るヒマもなくアルバイトをして
自己資金作り

創業計画の中でも、資金の調達は重要な問題です。ちょうど同じ頃、会社を立ち上げた知人が融資を受けていたことから、庄野さんは日本政策金融公庫の存在を知ります。
「最初は自治体の融資を受けようと考えていたのですが、融資の決定までとても時間がかかることがわかり、日本政策金融公庫を選択しました。創業には融資だけでなく、ある程度の自己資金も必要です。でもレストラン勤務では貯金をすることもできなかったので、アルバイトを掛け持ちしたんです。目標は半年で150万円です」
 アルバイトは延べ4つ。夜の時間帯であれば賃金も高いと、居酒屋で、夕方4時から朝の5時までの勤務を週4回。コンビニでは、夜10時から朝8時までの勤務を週3回など。
 事業計画の中には、料理教室のほかにケータリング業も考えていたので、他のアルバイトの合い間に、ケータリングの専門会社での仕事もこなしてノウハウを学び、創業に備えました。
「寝る間もないほどアルバイトをしていたので、ある時期から預金通帳にお金がどんどん振り込まれて、日本政策金融公庫の担当者の方も驚いていたと思います(笑)」
 創業するためには、活動拠点となる場所も決めなければなりません。料理教室だけであれば、マンションの一室でも創業できますが、料理を作って販売するケータリング業などは、保健所の許可が必要で、シンクの大きさや扉の数など、細かい規制があります。不動産物件探しも、実際に一軒一軒メジャーを持って足を運び、許可取得できる物件かどうか調査をする時間も必要でした。
 選び抜いた物件では、無事に菓子製造業許可を取得でき、結果アルバイトで関わったケータリング会社から仕事の依頼もあります。例えばスポーツウエアメーカーのイベントでは、体にいい食材を使ったマフィンやスコーンを作ってほしいという仕事を受け、砂糖を使用しないチョコレートをイベントで販売したいという企業からの依頼もあります。寝る間もないほどの日々は、創業後の仕事に確実につながっているのです。

「融資の担当者 古山早紀さんとは年齢も近い女性同士。苦手な利益の計算方法など、何でも相談することができました」と庄野さん。

食に関する仕事はたくさんあります
今は何でも吸収して、自分のスタイルを確立したい

家族と自分が楽に共存できる
「苦」のないキッチン

庄野さんの料理教室では、食物アレルギーのある人でも食べることができて、通常の食事をしている人でも美味しいと感じるレシピを教えています。
「私は2年間、ベジタリアンの食生活をしていたときがあるのですが、そのとき、家族と自分の料理、2種類を作っていました。それはだんだんとおっくうになる作業で、やがて『今日はサラダだけでいいや』とか、自分の食生活がおろそかになってしまったんです。アレルギーの子どものいるご家庭では、お母さんの食生活がおろそかになりがちですよね。そこで、家族の中にいくつもの食生活や嗜好性があっても、キッチンの中で共存できる料理を考えたんです」  

庄野さんの一日のスケジュール

共存できる料理とは、例えばリゾットであれば、料理の過程の一部分を、玄米と白米の2種類にするだけで、ダイエット中の人とそうでない人向けのリゾットを作ることができるというもの。創業前に作成したレシピのほとんどは手書きで、厚さ3センチにもなります。
「創業計画を立てる際に一番大変だったのは、レシピではなく、予想する利益の計算です。母に相談したら『人に聞かなければならないのなら、創業なんてやめたらいいのに。なぜ会社で働いてお金をもらえる幸せから逃げるの?』と反対されました。でも、人生って何があるかわかりません。結婚しても、夫が働けなくなるかも知れないし、勤めていた会社がなくなるかも知れない。そのときのために、自分のやりたいことで自立しておきたかったんです。今では母もさまざまな面で協力して、私の創業を後押ししてくれています。
 創業した今、夢が叶ったというよりも、やっと夢のスタートを切ることができたという気持ち。これからどう行動するかが、夢実現の鍵です。公庫で借り入れしたお金は、夢の背中を押してくれましたね」
 料理の世界には、料理人だけでなく、料理写真家やフードスタイリストなど、さまざまなプロがいることを知り、もっと勉強したいという庄野さん。次はレシピ本出版の夢に向けて、2歩目を踏み出したところです。

料理教室の調理用具は、家庭でも使いやすい手頃な価格のものを紹介します。

庄野 真愛さん写真 庄野 真愛さん しょうの まかな

健康・美容料理研究家。
茨城県生まれ。ブライダル専門学校を卒業し、ホテルに勤務するが、「自分の捜す仕事はここにない」と、イタリアンレストランに就職。次に働いたレストランで、植物性の食材を使うマクロビオティックやヴィーガンと出逢い、オリジナルのレシピを教える料理教室を立ち上げる。

Campany info

Makana Cooking Salon
所在地:東京都杉並区浜田山
創業年月:2015年6月
事業内容:料理教室・菓子販売・ケータリング
URL:http://makana-cooking.com/

※内容は2016年4月時点のものです。

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