総裁メッセージ

総裁 田中 一穂 写真

日本公庫は、「一般の金融機関が行う金融を補完すること」を旨としつつ、国の中小企業・小規模事業者政策や農林漁業政策等に基づき、法律や予算で決められた範囲で金融機能を発揮している政策金融機関です。

令和元年度は、約30万件の事業資金融資を行っており、そのうち、融資金額500万円以下が約51%、3,000万円以下が約94%となっています。新たな事業を始める方、災害や経営環境の変化に対応する方などの資金需要に、少額から応えてきており、日本の中小企業・小規模事業者や農林漁業者等の資金調達において重大な使命を担っております。

日本公庫は、政策金融機関として「政策」と事業に取り組む方々等とを“繋ぐ”という使命感をもって、お客さまのニーズに対応してまいりました。

いま我が国は、新型コロナウイルスという目に見えない脅威により、未曽有の経済・社会の危機に直面し、多くの事業者の皆さまが極めて厳しい状況に置かれています。

今般のコロナ禍において影響を受けられた方々への支援については、政府において、これまでにない予算規模の経済対策が講じられました。これに基づき、日本公庫におきましても相談窓口を設置するとともに、3月17日には実質無利子・無担保融資となる「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の取り扱いを開始いたしました。

新型コロナウイルス関連の融資決定は9月末時点で約66万件に達し、昨年度の実績はもとより、既にリーマンショックの影響を大きく受けた平成21年度の年間実績を大きく上回る水準となっております。

5月からは民間金融機関においても実質無利子・無担保融資が開始され、さらに、商工会議所や商工会を窓口とする「マル経融資」が実質無利子化の対象となりました。8月からはコロナ禍において影響を受けられた事業者の皆さまの財務基盤を強化するために「新型コロナ対策資本性劣後ローン」の取り扱いも開始いたしました。また、10月からコロナ禍を乗り切ろうと様々なアイデアや工夫を重ね事業を営んでいる事例の募集をホームページで開始し頑張る事業者を応援してまいります。

依然として先行きを見通しづらい状況ではありますが、事業者の皆さまへの資金繰り支援を円滑に実行するため、今後も民間金融機関や商工会議所、商工会などと一層の連携を図り、支援機関全体で事業者の皆さまを組織一丸となって支えていく所存です。

日本公庫は、コロナ禍において影響を受けられた事業者の皆さまへの支援、東日本大震災、地震・台風などの自然災害からの復興支援をはじめ、セーフティネット機能の発揮に取り組むのはもちろんのこと、創業・新事業や海外展開など成長戦略分野等への支援に力を注いでまいります。

企業経営者の高齢化が進む中、事業承継への支援には、金融面での支援に加え、これまで行ってきた事業承継診断の実施や事業承継マッチング支援などの取組みを引き続き行ってまいります。

地域の活性化に貢献するため、地域や事業に取組む方々の実情を丹念に把握し、地域を俯瞰的にとらえ、その課題解決に向けて共に取り組んでまいります。その際、民間金融機関をはじめとする関係機関同士をつなぐ役割を発揮するとともに、全国152支店のネットワークを活用するなど、地域での連携を一層推進してまいります。

政策金融ならではの、質の高いサービスの提供を図るため、リスクテイク機能の適切な発揮やコンサルティング機能・能力の充実に努めてまいります。さらに政策金融機能を強化していくため、組織運営においては、事務の合理化・業務の効率化に取り組んでまいります。

今後とも、一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

令和2年10月6日
総裁 田中 一穂

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