総裁メッセージ

総裁 細川 興一

平成28年度に相次いで発生した、熊本地震をはじめ、鳥取県中部地震や台風10号などの災害により被害にあわれた方々に心からお見舞いを申し上げます。日本公庫では、これらの災害の被害を受けた中小企業・小規模事業者や農林漁業者等の皆さまの融資や返済のご相談に対応するため、被災地域の各支店をはじめ全国の支店に特別相談窓口を設置しております。引き続き迅速かつきめ細かな対応をしっかりと行ってまいります。

平成28年度の取組み

日本公庫は、平成20年10月の統合・発足から9年近くが経ちました。その間、「基本理念」である「政策金融の的確な実施」と「ガバナンスの重視」の下、統合の実を確実にあげるべく不断の見直しを行いつつ、「政策」と事業に取り組む方々等とを"繋ぐ"という使命感をもって、東日本大震災からの復興支援などのセーフティネット需要への対応、成長戦略分野等への貢献、そしてお客さまサービスの向上などに取り組みました。

東日本大震災からの復興支援などのセーフティネット需要への対応

未だ途半ばである東日本大震災や熊本地震からの復興の支援をはじめ、自然災害や経済環境の悪化などの影響を受けた中小企業・小規模事業者や農林漁業者等の皆さまに対して、融資や返済のご相談に迅速かつきめ細かく対応しました。

成長戦略分野等への貢献

日本経済の持続的な成長・発展のため、政府の成長戦略等に基づき、特に、中小企業・小規模事業者の創業・新事業、事業再生、ソーシャルビジネス、海外展開及び農林水産業の新たな展開などの支援に積極的に取り組みました。その際、各事業本部がそれぞれの融資制度、審査ノウハウ、融資後の支援ノウハウ、顧客ネットワークなどの共有を図り、連携してサービス強化に努めました。具体的な取組みの一例としては、創業支援に関する日本公庫の経験・ノウハウを教育の現場に還元するため、「高校生ビジネスプラン・グランプリ」を開催しています。

お客さまサービスの向上

お客さまサービスの向上は、経営方針の中で重点的に取り組むべき柱のひとつとして掲げ、積極的に取組みを推進しています。

なかでも、統合の実を国民の皆さまに還元するため、3つの事業の総合力を発揮するとともに、全国152支店のネットワークを活用して地域活性化に貢献すべく取り組んでいます。特に、平成28年度は「地方版総合戦略」を策定した全ての地方自治体に同戦略の実施・推進に係る協力の申し出を行い、参画しているほか、全国ネットワークを生かしたUIJターンセミナーの開催支援など、各般の協力を積極的に行いました。

加えて、お客さまや地域のニーズに合致した有益な情報提供に向けて、全国規模による「アグリフードEXPO」及び「全国ビジネス商談会」を継続して開催。各地域においては、支店の創意工夫による商談会やセミナーを企画・開催し、事業間連携によるお客さまのマッチングに取り組みました。

また、民間金融機関の補完を旨としつつ、それらとの業務連携を積極的に進め、数多くの機関(地方銀行・信用金庫でみると100%近くなど)と業務連携・協力にかかる覚書を締結しています。さらに、それぞれの機関の融資制度を組み合わせた新商品を創設するなど、「協調融資スキーム」の構築に取り組み、平成28年度の協調融資の実績は19,671件、7,322億円となっています。

なお、日本公庫の統合の姿を国民の皆さまに発信し、公庫の機能、役割、取組みを広く知ってもらうため、広報誌「日本公庫つなぐ」による情報提供にも取り組んでいます。

今後の取組み

現在、我が国の景気は、緩やかな回復基調が続いていますが、今後の景気回復を軌道に乗せていくためには、今こそ重要な"切所"即ち、踏ん張り所ではないかと考え、是非この機会を大事に育て上げていかなければならないと思っています。

こうした中、日本公庫としては、東日本大震災及び熊本地震からの復興支援をはじめセーフティネット機能の発揮について腰を据えて着実かつ機動的に役割を果たすことはもちろんのこと、日本公庫の総合力を発揮した取組みや、成長戦略分野等への支援に引き続き積極的に取り組んでまいります。

また、政策金融ならではの、質の高いサービスの提供を図るため、リスクテイク機能の適切な発揮やコンサルティング機能・能力の充実に努めるとともに、お客さまの声や現場のニーズを政策につなげる取組みを行ってまいります。

さらに、業務遂行に際しては、「凡事徹底」を旨としつつ、着実かつ的確に個々の業務を積み上げるとともに、「現場が第一」の考えの下、地域においてより身近で頼りになる存在を目指してまいります。組織運営においては、ITを活用した効率的・効果的な運営を追求しつつ、人材開発や女性活躍推進など、より働きがいのある職場づくりに取り組み、「一つの公庫」としての「熟成」を図ってまいります。

以上の取組みにあたっては、お取引先や地方自治体、関係機関の皆さまからの様々な声を踏まえ、的確な運営に生かしてまいりますので、今後とも一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

平成29年7月
総裁 細川 興一

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