総裁メッセージ

総裁 細川 興一

平成28年4月に発生した熊本地震により亡くなられた方々及びご遺族の皆さまに哀悼の意を表するとともに、被害にあわれた方々に心からお見舞いを申し上げます。日本公庫では、熊本地震により被害を受けた中小企業・小規模事業者や農林漁業者等の皆さまの融資や返済のご相談に対応するため、熊本県及び大分県をはじめ、全国の支店に特別相談窓口を設置しております。引き続き迅速かつきめ細やかな対応をしっかりと行ってまいります。

平成27年度の取組み

日本公庫は、平成20年10月の3つの事業の統合以来、発足から8年近くが経ちました。その間、「基本理念」である『政策金融の的確な実施』と『ガバナンスの重視』の下、統合の実をあげるべく不断の見直しを行いつつ、「政策」と事業に取り組む方々等とを"繋ぐ"という使命感をもって、お客さまサービスの向上、東日本大震災からの復興支援などのセーフティネット需要への対応、そして成長戦略分野等への支援などに取り組んできました。

お客さまサービスの向上

お客さまサービスの向上は、経営方針の中で重点的に取り組むべき柱のひとつとして掲げ、積極的に取組みを推進しています。

なかでも、統合の実を国民の皆さまに還元するため、3つの事業が連携した取組みとして、全支店で毎年度、「総合力発揮推進計画」を策定し、地域が抱える課題に積極的に対応してきました。具体的には、複数事業が連携し、地方自治体が地域活性化のため取り組んでいる地域プロジェクトに積極的に参画し、地域やお客さまのニーズを踏まえた融資支援などに取り組んできました。

特に、平成27年度はこれまでの経験を生かし、各地方自治体が策定する「地方版総合戦略」について、全ての地方自治体に接触し、同自治体からの要請等を踏まえ、積極的に策定に参画しました。今後とも「戦略」の具体的な実行・推進に、152支店という日本公庫の全国的なネットワークも生かしつつ、積極的に協力していきます。

加えて、お客さまや地域のニーズに合致した有益な情報提供に向けて、全国規模による「アグリフードEXPO」及び「全国ビジネス商談会」を継続して開催し、各地域においては、支店の創意工夫による商談会やセミナーを企画・開催し、事業間連携によるお客さまのマッチングに取り組みました。

また、「民間金融機関の補完を旨としつつ」、それらとの業務連携を積極的に進め、数多くの機関(地方銀行・信用金庫でみると100%近くなど)と業務連携・協力にかかる覚書を締結しました。さらに、その具体化のため、それぞれの機関の融資制度を組み合わせた「協調融資スキーム」の構築に取り組むなどの結果、前年度を大きく上回る協調融資(15,130件、6,071億円)を行っています。

なお、平成27年4月に、統合の集大成の一環として、公庫の機能、役割、取組みを広く知ってもらうため、広報誌「日本公庫つなぐ」を創刊するなど、広報機能の強化にも取り組んでいます。

東日本大震災からの復興支援などのセーフティネット需要への対応

5年を経て未だなお復興の長い途上にある東日本大震災からの復興支援をはじめ、自然災害や経済環境の悪化などの影響を受けた中小企業・小規模事業者や農林漁業者等の皆さまに対して、融資や返済のご相談に迅速かつきめ細かく対応しました。

成長戦略分野等への貢献

日本経済の成長・発展のため、政府の成長戦略等に基づき、特に、中小企業・小規模事業者の創業・新事業、事業再生、ソーシャルビジネス、海外展開及び農林水産業の新たな展開などの支援に積極的に取り組みました。その際、各事業本部がそれぞれの融資制度、審査ノウハウ、融資後の支援ノウハウ、顧客ネットワークなどの共有を図り、連携してサービス強化に努めました。

このうち、創業支援では、例えば、若い世代の起業マインドの向上を図るため、「高校生ビジネスプラン・グランプリ」を開催しています。

今後の取組み

現在、我が国の景気は、緩やかな回復基調が続いていますが、今後の景気回復を軌道に乗せていくためには、今こそ重要な"切所"、即ち踏ん張り所ではないかと考え、是非この機会を大事に育て上げていかなければならないと思っています。

こうした中、日本公庫としては、東日本大震災及び熊本地震からの復興支援をはじめセーフティネット機能の発揮について腰を据えて着実かつ機動的に役割を果たすことはもちろんのこと、日本公庫の総合力を発揮した取組みや、成長戦略分野等への支援に引き続き積極的に取り組んでまいります。

また、政策金融ならではの、質の高いサービスの提供を図るため、リスクテイク機能の適切な発揮やコンサルティング機能・能力の充実に努めるとともに、お客さまの声や現場のニーズを政策につなげる取組みを行ってまいります。

さらに、業務遂行に際しては、「凡事徹底」を旨としつつ、着実かつ的確に個々の業務を積み上げるとともに、「現場が第一」の考えの下、地域においてより身近で頼りになる存在を目指してまいります。組織運営においては、ITを活用した効率的・効果的な運営を追求しつつ、人材開発や女性活躍推進など、より働きがいのある職場づくりに取り組み、「一つの公庫」としての「熟成」を図ってまいります。

以上の取組みに当たっては、お取引先や地方自治体、関係機関の皆さまからの様々な声を踏まえ、的確な運営に活かしてまいりますので、今後とも一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

平成28年7月
総裁 細川 興一

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