総裁メッセージ

総裁 田中 一穂 写真

平成30年に相次いで発生した自然災害、今年発生した山形県沖の地震や九州地方を中心とした大雨による災害などにより被害にあわれた方々に心からお見舞いを申し上げます。

日本公庫の役割と使命

日本公庫は、「一般の金融機関が行う金融を補完すること」を旨としつつ、国の中小企業・小規模事業者政策や農林漁業政策等に基づき、法律や予算で決められた範囲で金融機能を発揮している政策金融機関です。年間約30万件の事業資金融資を行っており、そのうち、融資金額500万円以下が約51%、3,000万円以下が約94%となっています。新たな事業を始める方、災害や経営環境の変化に対応する方などの資金需要に、少額から応えてきており、日本の中小企業・小規模事業者や農林漁業者等の資金調達において重大な使命を担っております。

平成30年度の取組み

日本公庫は、平成30年10月に統合・発足から10年の節目を迎えました。その間、「基本理念」である「政策金融の的確な実施」と「ガバナンスの重視」の下、「政策」と事業に取り組む方々等とを"繋ぐ"という使命感をもって、お客さまのニーズに対応してまいりました。具体的には、未だ復興の途半ばである東日本大震災からの復興支援などのセーフティネット需要への対応、創業・新事業、事業再生、事業承継、ソーシャルビジネス、海外展開及び農林水産業の新たな展開など成長戦略分野等への支援に積極的に取り組んでまいりました。また、「民間金融機関との連携」と「事業承継支援」を重点取組事項に位置付け、積極的に推進いたしました。これらは、今年度も引き続き、重点的に取り組んでまいります。

民間金融機関との連携

民間金融機関との連携に関しては、協調融資の推進に加え、現場レベル・役員レベルで「顔の見える関係」の構築等に取り組んでまいりました。平成30年度の協調融資実績は、30,768件、1兆2,929億円にのぼりました。

今年度も、お客さまの課題解決支援や地域活性化に貢献するため、これまでの取組みを充実させ、民間金融機関の皆さまと連携してまいります。

事業承継支援

事業承継支援に関しては、経営者の事業承継に対する関心を高めるため、平成30年度は、全国133地域で事業承継税制説明会を開催いたしました。経営者・後継者をはじめ、税理士や民間金融機関、商工会・商工会議所などから、約9,000人の方々にご参加いただきました。

今年度からは、従来からの事業承継支援の取組みに加え、後継者不在の小規模事業者と創業希望者等を引き合わせる「事業承継マッチング支援」を、まずは東京から開始しました。今後は、地方圏への拡大を目指してまいります。また、お客さまへの事例紹介など、情報提供を含めた支援に当公庫だけでなく、各支援機関と連携しながら重点的に取り組んでまいります。

むすび

日本公庫は、今後とも東日本大震災、地震・台風などの自然災害からの復興支援をはじめ、セーフティネット機能の発揮に取り組むのはもちろんのこと、成長戦略分野等への支援に力を注いでまいります。

地域の活性化に貢献するため、地域や事業に取組む方々の実情を丹念に把握し、地域を俯瞰的にとらえ、その課題解決に向けて共に取り組んでまいります。その際、民間金融機関をはじめとする関係機関同士をつなぐ役割を発揮するとともに、全国152支店ネットワークを活用し取り組んでまいります。

政策金融ならではの、質の高いサービスの提供を図るため、リスクテイク機能の適切な発揮やコンサルティング機能・能力の充実に努めてまいります。さらに政策金融機能を強化していくため、組織運営においては、事務の合理化・業務の効率化に取り組んでまいります。

今後とも、一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

令和元年7月18日
総裁 田中 一穂

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