総裁メッセージ

総裁 田中 一穂 写真

平成29年度に相次いで発生した台風等の大雨、今年の6月以降に発生した大阪府北部を震源とする地震、平成30年7月豪雨などの自然災害により被害にあわれた方々に心からお見舞いを申し上げます。

日本公庫の役割と使命

日本公庫は、「一般の金融機関が行う金融を補完すること」を旨としつつ、国の中小企業・小規模事業者政策や農林漁業政策等に基づき、法律や予算で決められた範囲で金融機能を発揮している政策金融機関です。年間約30万件の事業資金融資を行っており、そのうち、融資金額500万円以下が約50%、3,000万円以下が約90%となっています。新たな事業を始める方、災害や経営環境の変化に対応する方などの資金需要に、少額から応えてきており、日本の中小企業・小規模事業者や農林漁業者等の資金調達において重大な使命を担っております。

平成29年度の取組み

日本公庫は、平成30年10月で統合・発足から10年の節目を迎えます。その間、「基本理念」である「政策金融の的確な実施」と「ガバナンスの重視」の下、「政策」と事業に取り組む方々等とを"繋ぐ"という使命感をもって、お客さまのニーズに的確に対応してまいりました。具体的には、未だ復興の途半ばである東日本大震災からの復興支援などのセーフティネット需要への対応、創業・新事業、事業再生・事業承継、ソーシャルビジネス、海外展開及び農林水産業の新たな展開など成長戦略分野等への支援に積極的に取り組んでまいりました。

民間金融機関との連携

日本公庫は、民間金融機関の補完を旨としつつ、全国のほとんどの民間金融機関と業務連携・協力にかかる覚書を締結しています。特に、定期的な実務レベルでの打ち合わせ、民間金融機関へのお客さま紹介及び説明会・勉強会の開催、協調融資商品の創設といった取組みに力を入れており、その結果、平成29年度の協調融資の実績は、23,080件、7,505億円となっています。

今後の取組み

日本公庫は、今後とも東日本大震災、熊本地震、今年の6月以降に発生した大阪府北部を震源とする地震や平成30年7月豪雨などの自然災害からの復興支援をはじめ、セーフティネット機能の発揮について役割を果たすことはもちろんのこと、民間金融機関と連携した成長戦略分野等への支援や日本公庫の総合力を発揮した地域活性化支援に引き続き積極的に取り組んでまいります。

特に、「民間金融機関との連携」と「事業承継支援」は重点取組事項に位置付け、積極的に取り組んでまいります。民間金融機関の皆さまとは、事業者や地域のために現場レベルでの意見交換を通じて、より一層連携を進め、「顔の見える関係作り」に取り組んでまいります。

事業承継に関しては、中小企業・小規模事業者等の経営者の高齢化を背景に廃業の増加が懸念されています。こうした中、平成30年度において事業承継税制が大幅に改正されたため、日本公庫としては、国税当局や税理士等の専門家、民間金融機関や事業承継関連機関等と連携しながら、全国各地で税制改正の説明会を開催し、その周知を図るほか、これをきっかけとして事業承継支援について関係機関との連携を深めてまいります。

むすび

以上の取組みにあたっては、政策金融ならではの、質の高いサービスの提供を図るため、リスクテイク機能の適切な発揮やコンサルティング機能・能力の充実に努めるとともに、お取引先や民間金融機関、地方自治体などの関係機関の皆さまからの様々なご意見をいただきながら、的確な運営に生かしてまいります。

今後とも一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

平成30年7月9日
総裁 田中 一穂

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