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自分のやりたい仕事をして、喜んでもらい、
お金をいただける幸せを実感!
家業の役員を務めるかたわら、理想のカフェを目指して創業の道を選んだ女性がいる。
経営者として、栄養士として、そして女性として"自分にしかできないカフェの形"を模索中の中居さんに創業までの道のりを伺った。
カフェオーナーと他の仕事
ダブルワークのバランスを教えてください
親族が経営する『滝本食品株式会社』という会社に勤務しながら事業を営んでいます。この会社は、札幌市役所の地下にある職員食堂の運営を主業としており、半世紀近く市民の皆さまに愛され続けています。私は管理栄養士としてメニュー開発や広報などの仕事を経験し、現在は常務取締役として経営にも関わっています。
個人事業として昨年創業したのは『Kitchen Oeufs』というカフェです。学生の頃から調理の勉強をして得た技術や管理栄養士として勤務先等で蓄えた知恵などを皆さんにお伝えしたいと思って始めました。勤務先の仕事もカフェも、"ヘルシーでおいしいメニューを提供する"という点では共通しています。私の中では、本業・副業といった区別はあまりありません。
創業の決意
家業で働くことは、もちろんメリットもありますが、別の意味でいろいろな気苦労もあるものです。入社した当時は若くて真面目すぎたのでしょうか、従業員と親族の間に入ってひとり悶々と悩むような時期もありました。
その頃、気分転換と調理技術の習得を兼ねて和食の料理教室に通い始めたのですが、「お料理教室の先生ってかっこいいなぁ」と憧れました。私はすでに管理栄養士の資格をもっていましたし、調理師の学校にも通っていた経験があるので、「管理栄養士として料理教室をしてみたらどうだろうか」と思い立ったわけです。そこで、会社の一事業として、テストキッチンを活用した料理教室をはじめてみました。ブログやSNS等で参加者を募るも、最初は全く生徒が集まりませんでしたね(笑)。3か月くらい経ったとき、初めて申し込んでくださった方がいらして。やがて2人目、3人目・・・と口コミで人数が増え、半年後には10人ほどが来てくださるようになりました。「自分がやりたいと思ったことに対して、お金を払ってくれるお客様がいる・・・!」。この経験は、私にとって生涯の宝物となりました。
そうした経験を経て、「家業のため、そして自分のため、何をしたらいいのか」「今の私がとれるリスクのギリギリのところで、どこまでできるだろう」と真剣に考えた結果、ひとりで小さな店の経営をやってみようと思うようになりました。経験値を高めて、自分が成長したかったという側面もあります。
公庫を利用したきっかけ
当初は、自己資金で創業することを考えていましたが、知り合いの経営者の方々に相談すると、「黒字なのに閉めなきゃならない店もあるんだよ」「もしもの事態に備えるお金も必要だよ」「お金は借りられるうちに借りたほうがいいよ」と、アドバイスをいただきました。
私自身はお金を借りることに対して怖さもあり、じつはオープン直前まで悩んでいましたが、インターネットで日本公庫のイベント(女性・若者向け創業相談ウィーク)を知り、敷居も高くなさそうだったので、参加してみました。そこで親身に対応していただき、札幌のビジネスサポートプラザでの再相談を経て、公庫を利用することになりました。
2つの仕事の両立はどうされていますか?
まず、家業のほうは、私がいなければいけないような業務はどんどん少なくしています。次のことを進めなければいけない立場の人間は、自分以外ができる業務は人に渡していくべき。食堂の運営については、管理栄養士としてたくさんのメニューを開発し、サイクルを作ったので、毎日私が現場にいる必要はありません。また、ブログなど広報活動についても、サポートしてくれる社員を雇いました。今では私よりも面白い記事をアップしてくれることもありますね(笑)。人に任せるのは、とっても大事です。信じて任せることができないと次に進めないですから。
今後の事業の展開
今回創業したカフェの事業は、現在は週末と祝日のみオープンする"卵料理専門の週末カフェ"としてひとりで営業しています。この先は平日の昼間に料理教室をやったり、貸し切りパーティーを開いたり・・・と、時間とスペースを無理なく上手に使える方法を模索していきたいと思っています。家業のように、ゆくゆくは店長候補を育て上げて、任せられればいいですね。
家庭人として
とても両立しているとは言えません(笑)。でも、創業の背中を押してくれたのは、実は夫なんです。店舗の物件を見つけたのも夫。経営に関しても「まだ人を雇う段階ではないんじゃない?」など、的確にアドバイスしてくれます。ですから、家でも結局仕事の話ばかりしているんです。
私の場合は好きなことをやっている、というより好き勝手(笑)。だから、忙しいけど幸せです。
中居 香織さん
なかい かおり
週末と祝日のみオープンする"卵料理専門の週末カフェ"「Kitchen Oeufs」を立ち上げる。「Oeufs(うふ)」はフランス語で「卵」の意味、卵にこだわり、素材の味を生かしたシンプルで体に優しいメニューを提供している。 |
Campany info
Kitchen Oeufs キッチン ウフ |
※内容は2019年6月時点のものです。