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後悔しないと肚を決める。
それが創業の原動力です。
「明るく変わりたい」「コミュニケーション力をアップしたい」という思いに寄り添うカウンセリング。
自分磨きのお手伝いです。
あなたらしさを磨くお手伝い
「イメージコンサルティング」という仕事
学生でも社会人でも、あるいは何かの団体に所属していない人でも、誰とも関わらずに生きている人はいません。そしてさまざまな場面で、コミュニケーションの仕方がわからないという声を多く耳にします。そのような時代に、土谷久美子さんが選んだ仕事は「イメージコンサルタント」。ホームページを見ると「あなたらしさを磨くお手伝い」とありました。
土谷さんのもとを訪れるのは、「控えめな性格から、人と積極的に会話をすることができない。人間関係の苦手意識を和らげて、同僚とも楽しく交流したい」という女性や、「女性への苦手意識がある。自分を変えるためにはどうしたらいいだろうか」という婚活を目的とした男性、そして「新入社員に向けて、ビジネスマナー講座を行って欲しい」という企業などがあります。
土谷さんのコンサルティング業務は、スタイルコーディネートからコミュニケーションのシミュレーション、そしてビジネスマナーやテーブルマナーの実践など、その人、団体、企業のニーズにあったプログラムをカスタマイズすることからはじまります。
鍵となるのは入念なカウンセリングですが、相手の話をひたすら聴き、求めるイメージに近づけるのは決して容易なことではありません。それをビジネスにつなげるために、土谷さんはどんな努力をしてきたのでしょうか。そのヒントは、創業までの道のりにありました。

色とりどりの布を使って、その人の個性を活かす色を選びます。
結婚してから創業すれば?と言われたけれど
結婚する前の自由な身で創業したかったんです
働き方の選択「産業カウンセラー」資格取得
そして創業へ
土谷さんが最初に勤めたのは、美容クリニックです。ここでは患者さんのニーズを聴き、医師と相談しながら、その人にあった治療や施術を提案する仕事を経験します。
「クリニックでは経理や事務、受付の仕事も経験しました。思いやりと技術のある先輩方に恵まれ、忙しくも充実した日々で、この経験が、カウンセリングの仕事につながっているのだと思います」
最終的には福井、富山、石川の北陸3県のクリニックの統括を任せられるまでになりますが、クリニックの都合で、美容とは別の担当に配置転換したことで退職。次の仕事は、カウンセリング経験を活かせる結婚相談所のイメージコンサルタントでした。
「その頃にはすでに、自分で何かやりたいという気持ちがありました。カウンセリングの仕事をするために、何か資格を取りたいとも思っていました。でも仕事は土日も出張ばかりで、勉強をする時間もありません。そこで途中から、社員ではなく委託という形にしてもらって、勉強時間を確保し、産業カウンセラーの資格を取得したんです」
「カウンセラー」の資格には、学童対象、子育て心理カウンセラー、メンタル心理士などさまざまです。その中で土谷さんが「産業カウンセラー」を選んだ理由は、「働く人が抱える問題と向き合う資格であり、年齢を問わず、職場のみならず、家庭でも問題を抱える人などに対してもカウンセリングを行うことができる幅広い資格だから」だといいます。クリニックなどで対面した相談内容も幅広く、その経験を活かした創業を念頭に置いての資格取得でした。


創業に向けて具体的なアクションを起こしたのは、2015年の夏。まずはオフィスを構えようと、目に留まったのは福井県産業情報センタービルのシェアオフィスでした。
「マンションの一室や事務所を借りるとなると、敷金礼金がかかります。福井県産業情報センタービルのシェアオフィスならば、月々の家賃負担のみで済みます。また、パーテーションで区切ればプライベートな空間と、お客様に対応する2つのスペースも十分確保できました。商工会議所には創業サポートセンターがあり、日本政策金融公庫とも連携していたので、まずは運転資金として融資を受け、数ヶ月分のオフィスの家賃を確保すると共に、名刺やホームページの準備をし、応接用のテーブルなどの備品を揃えました。創業準備のためにかかったのは約2ヶ月。その間は営業活動などまったくできなかったので、不安は大きかったですね」
それでも一度たりとも、独立しなければよかったとは思わないという土谷さん。
「なぜなら、自分のやりたいことをやらなければ後悔することを知っていたから。たとえば研修プログラムを作って、打ち合わせをして、『これでいける!』と思う瞬間があるんです。婚活のコンサルティングをして、その方がだんだんと変わっていくのを見ると『やった!』と思えるんです。だから今後もきっと、創業を後悔することはないと思います」

創業の記念に知人から贈られた万年筆。「創業者としてのサインはこのペンで」と決めています。
イメージコンサルの基本は「思いやり」
視界をクリアにできる秘訣です
福井で成功できなければ
ほかでも成功できないはず
創業から約半年、見知らぬ企業に電話をし、結婚相談所やホテル、学校などに営業を続けてきました。
中でも学校への営業活動は、土谷さん独自の目のつけどころです。
「これから社会に出る高校生に対して、ビジネスマナー講座をさせてくださいと営業するのですが、だいたい空振りです(笑)。それでも先生方は、今の高校生の様子や考え方などを話してくれます。こんなところに登録してみてはどうだろうか? と、情報をいただくこともあります。それは空振りではないし、たとえビジネスにつながらなくても、何かを得ようという気持ちでいると、その先につながる手応えを感じるんです」
これまでの職場で得た知識や仕事のノウハウ、そして経験を、土谷さんはひとつも無駄にせず、創業につなげているように見えます。転職が当たり前となった今の時代、2つ、3つの職場を経験している人は多いでしょう。そのときに「何かしら得てから次に進む」という意識を持って働いてきた経験こそが、土谷さんの創業に向けての資本と言えるのではないでしょうか。
最後に3年後の自分をどうイメージしているかを問うと、とても具体的な答えが返ってきました。
「まずはここではないところに事務所を構える。もしかしたら福井を飛び出しているかもしれませんが、福井でできないことはほかに行ってもできないと考えています。そして1人でもいいからスタッフを雇い、『なかなか予約が取れない』と言われるくらいになりたいですね。イメージコンサルティングという仕事は、これからますます需要が増える分野だと思っています。」

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土谷 久美子さん
つちや くみこ
福井県生まれ。美容クリニックや結婚相談所でのカウンセリング経験をもとに、2015年7月に創業。婚活、ビジネスマナーを主体としたイメージコンサルティングを行う。福井県内外に出張し、講義を行うことも。取得資格は「産業カウンセラー」「プロトコールマナー」等。 |
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※内容は2016年4月時点のものです。