NPO×企業連携事例

関東地域活性化
「としまの街をステキにする」ため、豊島区内のNPOや企業が協働し、地域活動プランのコンテストを開催!

養老乃瀧株式会社 × NPO法人としまNPO推進協議会 他

としま情熱基金

ホームページ
https://toshima-guide.com/toshima-guide/

(記事の内容は令和3年8月31日時点のものです。)

取り組む社会課題
豊島区の地域活性化、地域コミュニティづくり
ミッション
くらし・街づくり・教育支援などの分野で活動する豊島区内の民間非営利組織への助成を通じ、「としまの街をステキにする」
取組み内容
  1. としま情熱基金の協力企業・店舗で食事をしたりサービスを受けたりすると、その売り上げの一部が基金として積み立てられます。
  2. その積み立てられた基金を、豊島区内で地域活動を行なっている団体が、「としまをステキにする」提案を行い、優秀な提案に対して資金提供を行います。
  3. 「としまをステキにするプラン」は、審査員と投票による一次審査の結果、おおよそ5案のファイナリストを選出します。
  4. ファイナリストは、毎年豊島区内で開催される「社会貢献活動見本市」の中でプレゼンテーションを行い、資金を提供する上位3団体を決定します。
  5. としま情熱基金は、それ以外にも豊島区内で地域活動を行なっているNPO法人、任意団体と連携した、「としまをステキにする活動」の独自事業をサポートする事にも活用されます。
としま情熱基金 参加店舗でお食事する参加企業のサービスを受ける 売り上げの一部が積み立てられる としまのまちがステキになる!
構成団体一覧
協力企業・店舗
  • ・養老乃瀧株式会社
  • ・日本自動ドア株式会社
  • ・オステリア サンテ
  • ・株式会社向こう三軒両隣 めぐるでんき事業部
  • ・株式会社サニフット
  • ・株式会社システムクエスト
  • ・株式会社三宝
  • ・株式会社COクリエイト
  • ・株式会社Catalyst
  • ・明治安田生命 千代田支社
  • ・マテックス株式会社
  • ・渡邊建設株式会社
  • ・クオリー
  • ・株式会社明冷
  • ・株式会社日本橋コンサルティングファーム
  • ・西武信用金庫 池袋支店
  • ・合同会社EISEI
  • ・常盤税務会計事務所
  • ・異業種交流会Y&Y倶楽部
運営事務局
・特定非営利活動法人としまNPO推進協議会

活動の成果

平成27年より毎年1回、「としまをステキにするプラン」を開催し、受賞団体(最優秀賞、優秀賞のほか、審査員奨励賞を選出する場合がある。)に助成を実施しております。
(※)助成金の上限は、最優秀賞:1団体につき20万円、優秀賞:1団体につき10万円、審査員奨励賞:1団体につき5万円となります。開催毎に運営委員会で支給総額を決定のうえ、審査の結果に基づき受賞団体への支給額を設定いたします。

令和2年度の受賞団体
最優秀賞 Sassily「街なかアートあそび教室」
優秀賞 NPO法人JASH「豊島区ダイバーシティ計画 LGBT理解促進プロジェクト!」
審査員
奨励賞
NPO法人SLC「タンキュウ型学習プロジェクト のびのび日和」
Kids☆Craft「50歳から始める『アルバムで綴る自分史』 my story album」
総評
審査員長 枝見太朗氏(財団法人富士福祉事業団 理事長)

受賞団体の取り組みは、この街にとって、とっても大切な取り組みだと思いました。それぞれの取り組みは、未来に向けての期待が持てる内容だと思いました。
としま情熱基金は、行政の税金ではなく、地域で商売・事業をしている企業などの皆さんがこの街のために、利益や身銭を支出して支援しようという民間の思いとして再配分することに特徴があります。企業が社員などの参加による地域貢献とは違って、企業では気が付かない課題や企業では対応しづらいことを、地域の人たちが頑張るんだから応援しようと基金に支出するという取り組みは、全国でも事例がないと思います。
企業が考える目標のために特定事業などへの支援やCSRへの取り組みは数多くあるが、としま情熱基金のように市民・区民が考える課題に対して、企業や地域の人たちがお金を出し合って、プレゼンテーションに基づき地域として審査し、応援しようという取り組みは素晴らしいことです。
今後、自治体の自立が求められていく中で、各自治体が抱える課題に対して、それぞれの地域の皆さんが課題解決へ向けて、商店街やいろいろな事業所・人たちが少しずつ資金を出し合って街を良くすることが、その街で暮らす人たちの幸せに結びついていき、最高の国づくりになっていくと思います。
現在のコロナ禍では、人々のコミュニケーションが失われてきて、人々を結び付けていくことが難しくなってきていますが、今日のプレゼンを聞くと、地域の人たちが寄り集うことによって課題に向き合っていく活動内容がほとんどでした。今は小さな活動かもしれませんが、それらの活動が発端となって、LGBTや子どもたちの問題などさまざまな課題に取り組み、地域を良くしていく、行政を変えていくことにつながると思います。それが税金・制度・法律でもないところで皆さんが動いていくことによって、この街を素敵にすることに貢献していくと、本当に心から素晴らしさを感じています。行政が絡まない中で、このような活動が進んでいくことは、全国への発信の材料となると思います。
これからも是非、新しい発想や新しいチャレンジを続けていくことに、ともに頑張ってくれる、支援してくれる企業・人々がいると安心して取り組んでいってほしいです。相互に協力し合うことで、Win・Winの環境が形成されるでしょうし、みんなが地域づくりに協力し合い、自らの力がつくっていく、我々がつくっていくと実感して取り組んでいただければ、としま情熱基金が目的とする思いが達成されると思います。

ここからは、としま情熱基金の
設立メンバーである、
養老乃瀧株式会社と
特定非営利活動法人
としまNPO推進協議会の
二社へのインタビュー
レポートとなります!

活動を振り返って

協働してココが良かった!
養老乃瀧が基金の設立を構想していたころ、地域貢献を事業として成立させるためには、専門家の知見が必要と考え、豊島区の中間支援組織であるとしまNPO推進協議会に声を掛け、協働を開始しました。養老乃瀧はドリンクメニュー「バクハイ」の売上の一部を基金の資金源として確保する一方で、としまNPO推進協議会は基金設立に係る事務手続きや「としまをステキにするプラン」の受賞者の選定などの場面で知見を活かしています。協働によりお互いの強みを発揮することで、スムーズに活動を開始できました。
活動に多くの人を巻き込み、発展させるには
養老乃瀧ととしまNPO推進協議会の二社で基金を設立した当初は、養老乃瀧のドリンクメニュー「バクハイ」の売上の一部が資金源だったことから、基金の名称を「バクハイ基金」とするアイデアがありましたが、最終的には養老乃瀧の意向で、「としま情熱基金」と名付けました。「豊島区の地域活性化」の活動目的が伝わりやすい名称としたことで、協力企業を募る際に、ご理解が得られやすかったのではないかと考えています。

今後の見通し

募集対象の拡充
これまで、「としまをステキにするプラン」は、実績のあるソーシャルビジネスを募集対象としておりました。今後は、事業を開始する前のプランや、CSR等の収益性を持たない活動などにも募集対象を広げる予定です。より多くの人に、「としまの街をステキにする」活動に参画いただくことを期待しております!
広報活動の強化
自前の撮影機材を整え、受賞団体の取組みについて知っていただくための動画制作に挑戦中!動画の公開の際には、公式ホームページでご案内しますので、受賞団体の取組み・プランを詳しく知りたい方や、「としまをステキにするプラン」への参画・応募に興味がある方は、ぜひご覧ください。

有識者の声

一般財団法人KIBOW社会投資ディレクター/グロービス経営大学院教員

山中礼二

豊島区の区民、協力事業者、そして新しいビジネスプランを実行しようとする地域内企業家、それぞれの「情熱」がきれいにめぐる素晴らしい協働モデルと感じました。特に以下の2点は、他の地域にとっても学ぶところ大かと思います。

1)寄付者が無理なく参加し続けられるコーズ・マーケティング
「としま情熱基金」の場合は、参加者が無理して寄付金を出し合う必要がありません。特定のメニューを選ぶだけで、その売上の一部が基金に回される仕組みになっています(コーズ・マーケティング)。誰も無理することなく、持続的に基金の原資が生まれる仕組みとなっています。
2)地域の事業者を広く巻き込んだ座組
「養老乃瀧」一社で基金を設立することもできたかと思います。しかしあえて自社のブランドを前面に出さず、「としま情熱基金」という中立的な名前を付けることによって、他の事業者を広く協働仲間に入れることに成功しています。また、「としまNPO推進協議会」のような地域のために活動するNPOが設立メンバーに加わったことで、そのNPOが有するネットワークが、地域の事業者を広く巻き込むことに大いに貢献したことでしょう。
一般企業とNPOがそれぞれの強みを活かしながら、地域貢献という一つの方向で協働した結果、このような座組が生まれたと理解しました。関係者の皆様に敬意を表したいと思います。

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