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お役立ち
コラム
2024/12/16
思っていた以上に費用がかかる?
授業料だけではない、高校・大学の
教育費について解説
「教育費」は、「住宅費」「老後生活費」と並び、人生の三大支出といわれています。入学費、授業料などの学校教育費のほかにも、様々な費用がかかります。本記事では、みなさんの関心が高い「高校」「大学」を例に、実際にどれくらいの費用がかかるのかを詳しく解説します。
目次
1「高校」へ入学した場合
・高校で必ずかかる費用は?
高校の1年間の学習費総額は、公立では約51万円、私立では約105万円となっています。私立高校はそのうちの約75万円が学校教育費、つまり高校に通う上で必ずかかってくる費用となります。
●学習費総額(年間)

【出典】文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」
学校教育費には具体的にどのような費用が含まれているのか、その内訳について見ていきます。下記のグラフは全日制の高校における学校教育費の内訳を示したものです。
●学校教育費(年間)の内訳

- ※「通学関係費」とは、通学のための交通費、制服及び通学カバン等の通学用品の購入費である。
- ※「教科外活動費」とは、クラブ活動、学芸会・運動会・芸術鑑賞会、臨海・林間学校等のために家計が支出した経費である。
- ※「図書・学用品・実習材料費等」とは、授業のために購入した図書、文房具類、体育用品及び実験・実習のための材料等の購入費である。
- ※「学校納付金等」とは、学級費、PTA 会費等である。
- ※「修学旅行費等」とは、修学旅行、遠足、見学、移動教室などのために支払った経費であり、個人的に要した経費は含まない。
- ※「入学金等」とは、入学にあたって要した諸費用であり、併願等で実際には入学しなかった学校へ納付した金額を含む。
【出典】文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」
これを見ると、一番費用がかかるのは私立高校の授業料であることがわかります。また、授業料や入学金以外にも、通学のための交通費やクラブ活動費、修学旅行・遠足などのために支払う修学旅行費といった、学校生活を送る上で様々な費用がかかることもわかります。
また、「学校納付金等」には学級費、PTA会費のほか、施設整備費、学級・児童会・生徒会費、後援会等会費、寄附金なども含まれます。これらは学校によって幅があり、平均以上の費用がかかるケースもあります。
・塾や習い事の月謝など、学校以外でかかる費用は?
次に、学校以外でかかる費用「学校外活動費」について、私立高校を例に学年ごとで比較して見ていきます。
●私立高校における学年別学校外活動費(年間)の内訳

- ※「その他の学校外活動費」とは、知識や技能を身に付け、豊かな感性を培い、心とからだの健全な発達を目的としたけいこごとや学習活動、スポーツ、文化活動などに要した経費(複数で共有するような物品等は一人当たりの経費)である。
- ※「補助学習費」とは、予習・復習・補習などの学校教育に関係する学習をするために支出した経費である。ただし、学校で使用するものと共用のものは「学校教育費」とする。
【出典】文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」
内訳を見ると、学校外活動費として大半を占めているのが「補助学習費」です。その中でも、下記のグラフのとおり学習塾費に多くかかっており、学年が上がるにつれて増加していきます。学校外教育費が年々増加することを踏まえて、資金計画を立てておくことが大切です。
●私立高校における補助学習費(年間)の内訳

- ※「学習塾費」とは、学習塾へ通うために支出した全ての経費で、入会金、授業料(月謝)、講習会費、教材費、通っている学習塾での模擬テスト代、学習塾への交通費である。
- ※「通信教育・家庭教師費」とは、 家庭教師への月謝(謝礼)、教材費、通信添削などの通信教育を受けるために支出した経費である。
- ※「家庭内学習費」とは、家庭の中での学習に使用する物品・図書の購入費である。
【出典】文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」
2「大学」へ入学した場合
・大学で必ずかかる費用は?
国立・公立・私立大学それぞれにかかる学生生活費(学費と生活費の合計)を見ると、私立大学が最も高く、約194万円となっています。最も低い公立大学との差額は約60万円であり、4年間に換算すると約240万円です。
国立大学の学費の平均は約60万円、公立大学の学費の平均は約58万円に対し、私立大学の学費の平均は約131万円と倍以上です。こうした学費の高さが、学生生活費を押し上げる大きな要因となっています。
●大学学部(昼間部)別の学生生活費(年間)

【出典】日本学生支援機構(JASSO)「令和4年度学生生活調査結果」
次に、居住形態別の学生生活費を見てみましょう。
国立・公立・私立大学のいずれも、下宿、アパート、そのほか(以下、「アパート等」という。ただし、「学寮」を除く。)から通う場合の学生生活費が高くなっています。
例えば、私立大学に在籍し、自宅から通う場合の学生生活費は約173万円ですが、アパート等から通う場合は約240万円と大きな差があります。
●居住形態別の学生生活費




【出典】日本学生支援機構(JASSO)「令和4年度学生生活調査結果」
●(参考)居住形態別学生数の割合(大学学部(昼間部))

【出典】日本学生支援機構(JASSO)「令和4年度学生生活調査結果」
ちなみに、アパート等に居住する場合、学生生活費とは別にアパート等の敷金や引越費用などが必要です。グラフにはありませんが、日本政策金融公庫が令和3年度に実施した「教育費負担の実態調査結果」によると、敷金や家財道具の購入費は平均で約39万円となっています。
国立のつもりが私立に、自宅からの通学と思っていたらアパート等からに......と、進学先によって、費用が想定外にかさむ場合もあります。進学先の希望が固まってきたら、学費などを早めに把握して資金計画を立てることも重要です。
・遠方の大学を希望する場合は、受験費用にも注意
大学への入学を目指す上で注意しなければいけないのが「受験費用」です。受験費用には、受験料のほか、受験のための交通費・宿泊費も含まれます。日本政策金融公庫が令和3年度に実施した「教育費負担の実態調査結果」によると、大学の受験費用は平均で約30万円となっています。
遠方の大学への受験となれば、交通費や現地での宿泊費もかかり、複数の大学を受験すれば、その分の受験料や交通費も必要です。
また、入学先によって入学料などが大きく異なることも忘れないでおきましょう。「入学先別にみた初年度の費用(入学費・授業料・施設設備費)」は下記のグラフのとおりです。
●入学先別にみた初年度の費用(入学費・授業料・施設設備費)の内訳

【出典】「平成十六年文部科学省令第十六号 国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」、文部科学省「公立大学基礎データ」、「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について」
3教育資金を準備するなら
高校・大学の教育資金を準備するためには、下記のような方法が挙げられます。
・貯蓄や節約
高校・大学には何百万円もの多額な費用がかかるため、早い段階から貯蓄をすること、学資保険を積み立てておくことは、まとまった教育費への備えとなります。また、貯蓄などと合わせて、旅行・レジャー費、外食費、衣類の購入費などといった支出を見直すことも有効でしょう。どのような方法を取るにせよ、早い段階から取り組むことが肝要です。
・奨学金、教育ローンなどの制度を活用
貯蓄などでは不足する場合、「奨学金」や「教育ローン」を活用するのもいいでしょう。これらは国、企業、民間団体、銀行など様々なところから提供されているため、ご家庭またはご自身に合ったものを選択することができます。
奨学金や教育ローンはそれぞれ申込期間、受取時期、条件などが異なります。奨学金の申込時期を逃してしまった!どうしよう......など、直前で慌てることのないよう、余裕をもって情報を集め、準備しておくことが大切です。
・支払いのタイミングで慌てないために
“いつまでに”用意すればいいのか、納付期限を知っておくことも重要なポイントです。たとえば、教育費の中で納付までの期限が特に短く設定されているのが入学金です。
合格発表日から入学金の振込締切日までの期間が7日間という大学もあります。入学金の振込が間に合わなかった場合、入学辞退とみなされる可能性もありますので、振込期限には十分に注意しましょう。
授業料の納付は前・後期に分けて支払うパターンもあれば、四期に分けて支払うパターンもあります。大学ごとに納付のタイミングが異なるものの、まとまった金額の納付が必要なケースが多く見られます。高校入学から大学卒業までの7年間は、都度まとまった金額が必要になることを念頭に資金計画を見直すことも重要です。
4まとめ
- 高校の教育費総額(年間)は、公立では約51万円、私立では約105万円
- 大学の学生生活費(学費と生活費の合計)(年間)は、私立大学が最も高く約194万円
- 大学の学生生活費は、自宅から通うかどうかや進学する学部によっても大きく異なる
- 学校へ支払う費用などは、期限が短く設定されているケースがあり、余裕を持った資金計画を立てておく
- 奨学金や教育ローンは、申込期間、受取時期、条件などが異なるため、早めに情報収集しておく
順次、最新情報を追加予定です。