融資業務

長期資金の安定供給により民間金融を質と量で補完しています

長期資金を専門に取り扱っています

中小企業者が円滑に成長・発展していくには、適時的確な設備投資の実施と継続的な財務体質の強化が必要であり、このため長期資金の安定的な調達が不可欠です。しかし、一般的に中小企業者は大企業と比較して資本市場からの資金調達が困難であるなど、資金調達の手段が限られています。

中小企業事業では、長期資金を専門に取り扱っており、融資の過半が期間5年超の長期資金で、すべて償還計画が立てやすい固定金利となっています。

中小企業事業は、民間金融機関を補完し、わが国経済にとって重要な役割を担う中小企業者の皆さまの長期資金ニーズに応えています。

融資期間別貸出状況(金額構成比)(令和2年度)5年超 79.6% 5年以下 20.4% (注)すべて固定金利

事業資金を安定的に供給しています

中小企業事業の融資の伸びは、リーマン・ショック後の景気低迷期などには高く、逆に景気回復期には低下しています。

中小企業事業は、民間金融機関を補完するという見地から、中小企業者の皆さまに事業資金を安定的に供給しています。

中小企業者向け貸出残高伸び率(対前年同期比)

(資料)日本銀行「現金・預金・貸出金」

(注)1. 国内銀行は、中小企業者向けの事業資金貸出残高の銀行勘定です。
2.平成12年4月に中小企業の定義が変更されたため、平成12年6月~平成13年3月の国内銀行の伸び率は、新基準と旧基準の比率等をもとに日本公庫において試算しています。

時代の要請に応じて政策性の高い特別貸付の推進に取り組んでいます

セーフティネット

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業者の皆さまをはじめとした厳しい経営環境にある中小企業者の皆さまに、「東日本大震災復興特別貸付」や、「令和元年台風19号等特別貸付」、「令和2年7月豪雨特別貸付」、「セーフティネット貸付」、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」等による融資を行い、資金繰りや事業の再建を支援しました。

新型コロナウイルス感染症関連の融資実績

新事業支援

ベンチャー企業など、高い成長性が見込まれる新事業に取り組む中小企業者の皆さまを支援する「新事業育成資金」の融資に積極的に取り組んでおり、制度がスタート(平成12年2月)してからの累計実績は1万4,499先、6,988億円に上っています(令和3年3月末時点)。また、企業が新たに発行する新株予約権を取得することにより、無担保資金を供給する「新株予約権付融資」があります。

「新事業育成資金」の融資実績、「新事業育成資金」のうち、新株予約権付融資の実績

資本性ローン

新規事業や経営再建に取り組む中小企業者の皆さまの財務体質強化を図るために、民間金融機関と連携し、「挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)」を適用して支援しています。本特例による債務については、金融機関の債務者区分判定において自己資本とみなすことができます。

資本性ローン融資実績の推移

海外展開支援

「海外展開・事業再編資金」による融資、スタンドバイ・クレジット制度やクロスボーダーローンによる海外現地法人等の資金調達支援、経営相談への対応、進出企業間の交流会の開催などにより、中小企業者の皆さまの海外展開を積極的に支援しています。

令和2年度における「海外展開・事業再編資金」の融資実績は、191先、181億円となりました。

「海外展開・事業再編資金」の国・地域別実績内訳(令和2年度)

スタンドバイ・クレジット制度は、中小企業者の海外現地法人等が、日本公庫の提携金融機関から現地流通通貨建て長期資金の借入を行う際、その債務を保証するために公庫がスタンドバイ・クレジット(信用状)を発行することで、海外での円滑な資金調達を支援するものです。提携金融機関はアジアを中心に、令和3年3月末時点で15行となっています。

また、全国各地の地域金融機関と連携したスキームも構築しており、令和3年3月末時点で全国60の地域金融機関と連携しています。

令和2年度は8の国・地域の提携金融機関に対して信用状を発行し、その利用実績は83先となりました。

令和3年1月に、クロスボーダーローンの取扱いを開始し、海外現地法人の円滑な資金調達を支援しています。クロスボーダーローンは、海外の構造的変化等に適応するために、国内親会社(中小企業者等)と共同で経営力向上や経営革新、地域経済の活性化等に取り組む海外現地法人に対して、日本公庫が直接融資する制度です。ご利用いただける国・地域は、タイ、ベトナム、香港となっており、令和2年度の融資実績は11先となりました。

クロスボーダーローンのスキーム図

事業承継・集約・活性化支援資金の融資実績

中小企業事業は、後継者が不在である企業のM&Aや、安定的な経営権確保のための自己株式取得など、事業や企業の承継・集約に取り組む中小企業者の皆さまを支援するため、特別貸付「事業承継・集約・活性化支援資金」による支援を行っています。

中小企業庁は、「事業承継・再編・統合による新陳代謝の促進」を平成30年度以降の重要政策の一つとして位置付けています。当事業は、今後も本融資制度を活用し、事業や企業の承継・集約に取り組む中小企業者の皆さまの支援に取り組んでいきます。

「事業承継・集約・活性化支援資金」融資実績

企業の成長に貢献します

公庫資金をご利用された方々が多くの分野でご活躍されています

これまで中小企業事業との取引を経て、株式の公開を果たした企業は、株式公開企業の約2割にあたる703先(注)となっています。多くの方々がわが国を代表する企業として活躍されています。

平成元年以降についても、中小企業事業との取引を経て株式を公開した企業は534先(注)と株式公開企業の約2割を占めています。

(注)先数は令和3年3月31日時点において株式を公開している企業数です(上場廃止、合併による消滅等を除く)。

中小企業事業と取引歴を有する株式公開企業3,673先中合計703先 中小企業事業と取引歴あり703先(19.1%) 平成元年以降に中小企業事業との取引を経て株式を公開した企業 2,460先中 合計534先 中小企業事業と取引歴あり 534先(21.7%)(注)日本公庫中小企業事業調べ。株式公開企業数は、令和3年3月31日時点。農林・水産、金融・保険及び外国企業を除きます。

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