“幸福+自分のペースで稼げる”移住創業のススメ!

第6回 都会なみに儲けるようにしたい、それとも?

はじめに

全6回にわたって、地方へ移住して創業を考えている方向けに、必要なステップや経営のノウハウをお伝えする『幸福+自分のペースで稼げる”移住創業のススメ!』。最終回となる第6回は、『都会なみに儲けるようにしたい、それとも?』をお届けします。移住創業に興味がある方だけでなく、創業をお考えの方、創業して間もない方みなさんに参考となる情報をお届けしますので、ぜひご覧ください。

みなさま、こんにちは。ソシオデザインの大西です。長らくお付き合いいただきまして、ありがとうございましたが、今回で最後となります。最後に「ここは言っておきたい」と言う内容をお伝えできればと思います!

正しく場所を選んで、勝つべくしてつための発想と準備

戦略が「戦いを省略する」という意味(通説かどうかはおいて笑)とするならば、何を、どこで、どのようにやるのか、この時点の選択で、事業が成功する可能性はぐっと変わります。つまり、戦いを省略(=事業が成功)する最大のポイントは、戦う前に決まっていると言うことです。
例えば、みなさんは(大都市に住んでいるとして)、都市より田舎で儲けるためには、どのような事業を選びますか?
おおよそ、田舎暮らしの情報をみると、「都会での収入の半分以下になった」みたいな情報が多いですが、それは、そもそもの問いの設定が間違っています。儲けるために田舎に来ていないんですから。
逆に「儲けるために田舎に行くとしたら、何を選ぶのか」、「田舎で儲けている職業は何か?」。こういう問いでもって仕事を選ぶ、もしくは創業すれば、都会より収入が多くなります。
儲かっているから言わないだけで、田舎でも年収数千万円クラスの人がいるんだという話を、とある金融系の人から複数聞きました。私の知っている方でもいます。

今の例は、一つの戦略の例ですけれども、幸せを基準に田舎を選んだ人に、お金の基準で聞くのは筋違いということです(笑)。すでに、その人は、幸せという基準を最優先にした戦略で田舎に来ているのですから、それはすでにその人にとっては大正解なんです。美しい自然に恵まれ、美味しい水と食べものがある。それをプライスレスな資産とみなす人にとっての最後先価値なのですから。その価値の中で、子供がいるなら、子供が大学に行くまでの所得が必要でしょうし、いろんなものを買いたいのであれば、可処分所得を上げるために何をやって儲けていくかが重要です。そのあたりのバランスは、当然考えていけば良いと思います。
ということで、みなさんが何を最後先にして「移住創業」するのかという基準を、改めて考えてもらいたいのです。

だから、とにかく事前に徹底的に自分のこと、移住先のことについて調べる(四季の違いで地方は生活スタイルも変わりますし、何度も行かないと地域の手触り感もわかりません)のは大事ですし、とはいっても、直感で感じる「好き」とか「ここがいい」という感覚はすごく大事です。
人間の持っている直感ってなかなか馬鹿にできないところがあります。

戦略としての“土台=デーダ”を集める>

ロジカルなものは、もうたくさん本にも国などの統計データにも載っています。特に人口はおおよそあたるので、10年住めばどうなるか、20年住めばどうなるか。これらを見ればおおまかな未来予想図描けます。そこは計算したほうが良いです。
例えば、ぎっくりとした私の経験値に基づく指標ですけれども、人口は最低5,000人以上いる町・村だと、20年の計画は立てやすいかと思います。
私自身の感覚で言うと、2,000人を切ると、非常に個人負担も増えるし、観光戦略も大変になります。田舎の幹線道路ひとつとっても、美しいのは道路沿いに住まれている集落の人々の力です。ここが弱くなると言うことは、すべてのインフラ機能が落ち込むことを意味します。

*例外があって、これまでにいろいろな挑戦をしてきた自治体には、国からの投資としての補助金が入っており、人口だけでは割り切れない面白さをもっているところもあります。
*人口等の詳細な予測については、無料で誰でも使える地域経済分析システム RESASや河合雅司「未来の年表」講談社現代新書などのデータを取り上げている本をお読みください

地域経済分析システム RESAS・河合雅司「未来の年表」

また、適度なバランスがあるのは(関東圏を除く地方を念頭においています)、人口5万人から15万人前後の自治体で、複数の高校があり、子供たちの選択肢がある程度選ぶことができるところ。都市的なところと田舎の部分の両方もった場所が多いです。特にオススメは、幼児教育から教育に力を入れているところです。未来に投資できているエリアは間違いなく他のことにも力を入れているからです。逆に、教育に力を入れていないところはすぐに候補から除外してください。未来に投資してない自治体が良くなることはありませんし、子供たちにとって少なからず故郷や思い出深い土地になるのですから、そこは妥協してはなりません。

とはいっても、最後はご縁!

昔、松田聖子さんが使った「ビビビ婚」なんていう言葉が 80年代末に流行りましたが、集落に行くと「ビビビッ」と来る時があります。そうであれば、自らの直感をじてみるのもありかもしれません。

最後に人も集落も生き物ですから、気持ちのいい撤退戦も視野に

最後のメッセージです。田舎はコストも安く、美味しい食材をはじめ、安くて良いものがたくさん手に入ります。そう言う意味での豊かさを持っています。

しかし、我々人も時が経てば考えも変わります。同じように、集落もずっと永遠の時を刻むものではありません。ましてや自分の事業なんて、生々流転(せいせいるてん)です(笑)。私も教員辞めてから、こんなにたくさんの仕事をするなんて思いもしませんでした。まさに想定外を楽しむのが、創業の醍醐味です。何をやっても何を選んでもいい。自分の人生のハンドリングを取り戻した時の気持ちよさ。これはかけがえのないものです。
幸福度の調査では、もっとも幸せに感じるのは、自分の人生を自分で決めている、動かしているという実感の高さだというぐらい大事なものです。

創業をお考えの方はぜひ、「こちらの世界」に遊びにきてください!

ここまでお付き合いしていただいてありがとうございました。
皆様の移住創業が人生を豊かにするものと願っております。また、お会いしましょう。さよなら、さよなら、さよなら!

■プロフィール

大西 正泰

大西 正泰

1970年徳島県生まれ。地域再生コンサルタント。元社会科教師。
人口約1600人という四国で最も人口の少ない町(徳島県上勝町)で、役場と連携し、過疎地でも起業できるインターンシップ制度や空き家再生による起業家育成、スカウト方式で一本釣りしてきた地域おこし協力隊の活用など、多くの新規事業を生み出した。
それらの取組が評価され、2018 年には中小企業庁から「創業機運醸成賞」を受賞。経済産業省の「地域創業促進支援研修」をはじめ、全国各地で自治体向けコンサルディング及び地方創生に関する講演を行っている。

メール配信サービス

創業者向け 起業家応援マガジン(登録無料)

創業をお考えの方、創業後間もない方に、経営に役立つ情報をご提供します(不定期配信)。
「起業家応援マガジン」の情報配信サービスをご利用いただく場合、日本公庫がインターネットで提供する無料の会員専用サイト「日本公庫ダイレクト」にご登録いただく必要がございます。
会員情報をご登録の際に、メールマガジン登録の「起業家応援マガジン」にチェックを入れてください。

配信内容
  • 経営ノウハウ
  • 創業企業の事例
  • 創業者向けセミナー・イベント情報
  • 融資制度

など

ここから先は、日本政策金融公庫がインターネットで提供する
無料の会員専用サイト「日本公庫ダイレクト」の新規会員登録ページに移動します。
ご登録は最短5分で完了いたします。