“幸福+自分のペースで稼げる”移住創業のススメ!
第5回 ナナメ視点で考える移住創業 その③ ~貸金調達編~
はじめに
全6回にわたって、地方へ移住して創業を考えている方向けに、必要なステップや経営のノウハウをお伝えする『“幸福+自分のペースで稼げる”移住創業のススメ!』。第5回は、『ナナメ視点で考える移住創業その③~資金調達編~』をお届けします。移住創業に興味がある方だけでなく、創業をお考えの方、創業して間もない方みなさんに参考となる情報をお届けしますので、ぜひご覧ください。
みなさま、こんにちは。ソシオデザインの大西です。新型コロナの災によって、様々な変化が起きています。この災厄に苦しまれている方も多いと思います。
この災厄を乗り越え、どう前に進めていくのか。
今回の資金調達編では、創業講座でよく聞かれる問いの一つである「起業するタイミングはいつがよいですか?」を切り口にします。言い換えると、景気のいい時に起業するべきか、現在の様な不景気な時に起業するべきか。
今回の資金調達編では、この点からスタートしていきたいと思います。
「時代」をどう活かすか?
事業を大きくするには、必ず「景気の後押し」が必要です。
中小企業白書(2001年版)の古いデータですが、バブルの時の景気(=実質GDP 増加率)と倒産件数の相関関係です。

グラフ「倒産件数と実質GDP 増加率との相関関係
好景気だと倒産件数は減るし、バブルが崩壊(=実質GDP成長率が減少)すると、倒産件数も増えるというのがよくわかります。
しかし、好景気か不景気か、どちらのタイミングで創業するべきかの違いは、資金調達を考えるうえでも大きく変わってきます。
資金調達のポイントは?
今日のテーマである資金調達の話に戻していきます。資金調達とは、「お金をどう準備するか?」のことです。そして、何に使うお金なのか。資金調達で主に考えられるのが、「(設備等の)開菜資金」と「運転資金」です。説明すると、開業資金は、事業をはじめるのに必要な設備の購入など、創業するためにかかるお金。運転資金は、創業した後、事菜を続けていくために必要なお金です。
好景気の時は、開菜資金も運転資金も当然ながら、不景気より高くつきます。さらにみていくと、固定費と人材採用のコストです。好景気では、賃料をはじめ高いことが多く、人材採用も時給の違いで選ばれるので、創業まもない経営者には高い時給を支払うことは困難です。すると、人材採用に少なからず苦労します。
このような”創業あるある”を考えると、固定費が安く、人材が流動的な不景気な時のほうが、資金調達面でのメリットがあると私は思います。
資金調達には、攻めと守りの2種類のお金がある
さきほど説明した資金調達は、事菜をスタートさせ、まわしていくために必要なお金で、ある意味、必ず出ていくお金です。これを私は「守りのための資金調達」と呼んでいます。守りの資金調達は、必ず出ていくものなので、固定費を下げる、人件費を下げるなど、できるだけ最小限にし、必要な資金だけ調達する。
こういった月々出ていくお金をきちんと絞り込んでおくことは、事業を成功させるための手堅い戦略です。言い換えると、「事業で失敗しないための守り」の使い方といえます。
守りの資金調達のスペシャリスト
この守りの資金調達のことについてアドバイスし、お金を貸してくれる、すごいところがあります。この記事を告かせてもらっている日本政策金融公庫さんです。日本政策金融公庫さんは、創業する前の「守りの資金調達」については、プロ中のプロです。あらゆる業種のあらゆるパターンを見てきていますし、創業前から創業後の運転資金まで、それぞれに資金調達できるノウハウを持っています。
そういう意味で、守りの資金調達を考えるならば、日本政策金融公庫さんに相談に行くのが一番良いと思います。
その他にも、銀行、用金庫、保証協会などなど、いろいろなところがあります。そういったところに相談し、自分の弱点を明らかにしてもらう「武者修行系の資金調達」もありかと思います。お金を借りることって、皆さんのことをよく知る友人知人でさえ、たぶん創業費用ぐらいの規模になると、なかなか貸してくれません。ましてや、他人では。
そういった意味で、「他人でも貸したくなる事業」を考えるために、それぞれの支援機関にいき、担当者に見てもらうのは、かなり役に立つと思います。
ここがポイント“攻めの資金調達”
もう一つ、「守り」という表現があるということは、「攻めの資金調達」もあります。攻めの資金調達とは、お客様との距離を近づけるためにお金を使う手法です。わかりやすく言えば、PRや広告などの販売促進費です。
例えば、飲食店が開業して、大手のお店紹介ページに登録し、広告などを作るのが一般的なイメージです。
こういった攻めの資金調達は、平素、広告代理店やある程度潤沢に広告費を使っている会社などに所属しないと、相場もポイントもわからないことが多いことから、創業の際に、資金調達の中で重要度が低めに設定がされていることが多いです。しかしながら、この攻めの資金調達を視野に入れておかないと、結局うまくいかないし、お金が足りなくなることが多いのです。
移住創業という目線で見ると
さて、いままでの話を、移住創業で見直してみるとどうなるのか。
地方への移住で考えると、家賃は比較的安く、ちょっとした中山間地域などにいくと、考えられないような値段で借りることができます。
つまり、好景気も不景気も関係なく、ある程度守りの資金調達は安く済みます。となると、移住創業では、攻めるために使う資金調達、これが重要になってきます。
移住創業で大事なのは、どうやってお客様に知ってもらうのか、前回の記事でも書いたように、自社のサービスを利用してもらうのか。そして、それに必要なお金をどうやって集めるのか。
この2つがポイントになってきます。
移住創業だからこそ、2つめの資金調達をうまく使う
お金を用意する、そしてお客様に知ってもらう。貯金がたくさんあれば楽なのですが、この2つの壁を同時に超えるやり方が、近年、攻めの資金調達として定着してきました。それがクラウドファンディングという手法です。
クラウドファンディングとは、わかりやすくいうと、ネットで自分のやりたい商品やサービスを記事の形でのせ、その事への思いやサービスに共感してくれた人が支援を表明し、一定のお金を先払いしてくれるサービスです。

(紹介)日本の代表的なクラウドファンディング
https://liskul.com/crowdfunding-comparison-27731
す!」という事業を田舎で始めたいとします。クラウドファンディングを運営している会社に申し込み、皆さんの思いやサービスの良さ、ほかにはない良さを記事にし、サイトにアップします。
そして、例えば、2泊3日2万円コースとか、1週間6万円コースのようなコースを提示して、投資してもらうやり方です。
このやり方だと、自分のやりたいサービスを先に紹介でき、お客様に知ってもらうことも資金を調達することの両方ができるという優れものです。自分のやりたいサービスが本当に市場からのニーズがあるのか。そういったこともわかるので、是非トライしてみてください。
次回は?
次回は、最終回です。ここまでお付き合いしていただいてありがとうございました。最後に「ここは言っておきたい移住創業」というお話をさせていただこうと思います。
■プロフィール

大西 正泰
1970年徳島県生まれ。地域再生コンサルタント。元社会科教師。
人口約1600人という四国で最も人口の少ない町(徳島県上勝町)で、役場と連携し、過疎地でも起業できるインターンシップ制度や空き家再生による起業家育成、スカウト方式で一本釣りしてきた地域おこし協力隊の活用など、多くの新規事業を生み出した。
それらの取組が評価され、2018 年には中小企業庁から「創業機運醸成賞」を受賞。経済産業省の「地域創業促進支援研修」をはじめ、全国各地で自治体向けコンサルディング及び地方創生に関する講演を行っている。
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