5つの支援機関がそれぞれの強みを活かし、ソーシャルビジネス事業者を応援!
さいじょうソーシャルビジネスサポーターズ活動レポート
公開日:2025.7.25
さいじょうソーシャルビジネスサポーターズ活動レポート
公開日:2025.7.25
西条市くらし支援課くらし支援係 係長 江口 亜弓 様
所在地:愛媛県西条市明屋敷164番地
団体概要:くらし支援係では、西条市内の地域公共交通に関することやふるさと融資、過疎・辺地地域の振興、ふるさと納税(NPO等指定寄附)、「千の風になって」ゆかりのまちづくり、ローカルファンド構築推進などに取り組んでいる。
団体WEBサイト(https://www.city.saijo.ehime.jp/soshiki/chiikishinko/)
日本政策金融公庫 新居浜支店 国民生活事業 融資課長 五十嵐 誠
日本公庫では、ソーシャルビジネスの担い手の皆さまが抱える経営課題の解決を支援するため、専門性の異なる複数の機関が連携して支援ネットワークを全国で構築しています(注)。その一つが令和4年11月に設立された「さいじょうソーシャルビジネスサポーターズ(SSBS)」です。SSBSは、西条市内で活動するソーシャルビジネス事業者等を支援しています。株式会社西条産業情報支援センター(SICS)・公益財団法人えひめ西条つながり基金・NPO法人西条まちづくり応援団・西条市・日本政策金融公庫新居浜支店の5つの支援機関が連携し、地域でチャレンジする方の"一歩、踏み出す"お手伝いをしています。
(注)ソーシャルビジネス支援ネットワークの詳細はこちら
西条市では「チャレンジを応援するまちづくり」を掲げて、ソーシャルビジネスをまちぐるみで応援しています。SSBSを設立したこともその一環です。SSBSは設立からこれまで、ソーシャルビジネスお悩み相談会や取組事例の紹介などを行うミニフォーラムの開催、市民活動に取り組む方を対象にしたセミナー等を行ってきました。
SSBSでの取組みは「地域でチャレンジする方の一歩踏み出すお手伝い」を行うのと同時に、起業に挑む皆さまと一緒に挑戦していくものです。
その「挑戦」を表しているのがネットワークのロゴマークになります。このロゴマークは、起業による「チャレンジ」や「ベンチャー(あるいはアドベンチャー)」「船出」といったワードから連想したヨットをモチーフとしています。
連携する5つの支援機関を5色で表し、起業に挑む皆さまと同船する、あるいは皆さまを運び導き、一緒にチャレンジしていこうとするSSBSの姿とも解釈できるようデザインしています。
ちなみに、このロゴマークは、いくつかあった案のなかからミニフォーラムで参加者投票によって決定しました。
SSBSでは、合同相談フォームを開設しています。これは、相談をワンストップで受付し、事業者の相談内容を5つの支援機関で一度に共有するものです。相談者がこの相談フォームに相談したいことを記入すると、西条市が内容に応じて支援機関へ取り次ぎ、支援機関はそれぞれの得意分野で相談に応じます。
このようにしているのは、相談する側には「やりたいことはあるが何から着手してよいか分からない」「いろいろな立場の方からアドバイスが欲しい」「相談先が分からない」といったことから、相談の仕方が分からないという悩みをお持ちではないかと考えたからです。そこで、この合同相談フォームは、気軽に相談ができるように、相談者が相談したいことを記入すると、その相談に適した支援機関につながれる仕組みにしました。
ご相談をいただいた内容は、支援機関同士で共有しています。そのため、最初の支援機関でどのような話をしたかを理解したうえで、次の支援機関が対応できます。他にも、相談内容によっては、複数の支援機関が同時に話を聞くことで、相談者にとっては相談に要する時間の短縮や説明にかかる負担軽減につながっていると思います。
また、SSBSでは2か月に1度、支援機関で定例会を開催しています。支援機関同士が顔を合わせて情報交換を行い、相談者の状況も確認しているので、相談者の事後フォローを行うことができます。
西条市では、ソーシャルビジネス事業者がクラウドファンディングを実施する際の支援を開始しました。これは事業実現に向けた資金面での支援の一環として、クラウドファンディングを活用して資金調達を行ったときに発生する利用手数料の補助を行うものです。
対象者は、西条市でソーシャルビジネスに取り組む事業者で、NPO法人、一般社団法人、中小企業者、個人事業主、創業者など、SSBSの事前相談を行っていることを要件としています。SSBS での事前相談を要件とすることで、各支援機関による継続的な支援を行うことが可能となり、事業が自走するまでのサポートや地域への定着を図ることを目指しています。
また、クラウドファンディングは、事業に共感した人が資金面でその事業に参加し、応援できることがメリットの一つです。クラウドファンディングをサポートすることが、事業者の支援だけでなく、応援する輪を広げていくことにもつながると嬉しいです。
最近では、社会課題が多様化、複雑化しており、課題解決に取り組みたいと考えている人が増えていると思います。社会課題の解決にビジネスの手法を用いて取り組むソーシャルビジネスへの関心が高まり、実際に、市内にもソーシャルビジネスが生まれています。現在、SSBS に相談して各支援機関から支援を受けながら、事業の実現に向けて取り組んでいる方々もいます。
また、SSBS構成メンバーが主催する市民活動に取り組む方と地域の方が交流するイベント等への参加を通じて、まちの未来をつくるチャレンジを、地域住民をはじめとする多くの方が知り、その共感や応援の輪が地域にさらなる広がりを生み出していると感じています。
今後もソーシャルビジネスに取り組む方は増え、SSBSによる支援のニーズも高まっていくのではないでしょうか。この街で一歩踏み出そうとお考えの方は、ぜひSSBS へご相談いただきたいと思います。SSBSはこれからもチャレンジしたい方を応援していきます。
西条市は西日本最高峰の石鎚山系と瀬戸内海に囲まれ、名水「うちぬき」が自噴する観光資源に恵まれた住み良いまちです。農業ほか造船等の工場も数多く立地し、工業都市の顔も持っています。
そんな西条市で「LOVE SAIJO」という想いのもと、SSBSが構成されました。地元で創業したい、課題解決に役立ちたい、そんな方々の多様な相談を当チームと一緒に悩みながら、一歩を踏み出すきっかけにしませんか。合同相談フォームへのご相談、いつでもお待ちしております。
日本政策金融公庫では、構成メンバーとタッグを組んで個別相談やイベント参加を通じ、地域でソーシャルビジネスに取り組む事業者様を金融の視点で応援してまいります。