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スモールM&A向け融資の活用法

中小企業を対象とするM&Aの多くは、株式譲渡または事業譲渡により実施されます。

一般的にM&A向け融資という場合、この株式・事業譲渡の対価を支払うための資金を融資するというイメージを抱く方が多いかと思いますが、実際にはM&Aを行ううえで必要になるさまざまな資金を対象としています。
これは、小規模事業者を対象とするスモールM&Aにおいても同様です。ここでは、まず、M&Aにおいてはどのような資金が必要になるかを、日本公庫の融資事例を通じてお伝えしていきます。

Case1株式の買取り

公共工事を中心に手がける建設会社A社は、事業拡大のために同業であるB社の買収を決断。
A社は、B社の株式を取得する資金として7,000万円の融資を受け、B社を子会社化した。

株式の買取り

Case2営業権や事業用資産の買取り

広告代理店に勤務するCは、自身がよく訪れている雑貨店Dが店を畳むことを知り、店を受け継ぎたいとの希望を伝えた。
CはDと事業譲渡について合意し、営業権や店舗設備、在庫の買取資金として600万円の融資を受け、Dの店を受け継いだ。

営業権や事業用資産の買取り

Case3M&Aに伴うリニューアル

洋菓子製造業を営むE社は、事業多角化を目的として、飲食業を営むF社からレストラン1店舖を譲り受けた。
E社は、老朽化した店舗の内装・機械設備の刷新やオープン当初の仕入に必要な資金として1,200万円の融資を受け、F社から譲り受けたレストランのリニューアル・オープンを行った。

M&Aに伴うリニューアル

Case4M&Aによる新たな取組み

システム開発やWebサービスの提供を行うG社は、新分野への進出を目的として、ソフトウェア開発を行うH社を買収。
買収後、G社は、H社の持つセキュリティ関連技術を活用したWebサービスの開発資金として4,500万円の融資を受け、新たなWebサービスの提供を開始した。

M&Aによる新たな取組み

このように、M&Aを行う場合は、株式・事業譲渡の対価の支払い(Case1・2)だけでなく、M&Aによって受け継いだ事業の円滑なスタート(Case3)やM&Aを契機とした新たな挑戦(Case4)等でも資金が必要になる可能性があります。
資金不足により、M&Aが失敗してしまったということにならないよう、「いつ」、「どこから」、「どのくらいの金額を」、「どういった条件で」調達するかという資金計画を立てることが重要です。

スモールM&A向け融資の状況

次に、さまざまな切り口で分析したスモールM&A向け融資の状況をご紹介します。

  • 注)2019年度の事業承継・集約・活性化支援資金の融資件数(国民生活事業)のうち、第三者承継に係る融資707件を抽出して分析しています。

融資金額別
運転資金と設備資金のいずれも、500万円以下が約6割、1,000万円以下が約8割となっており、小口資金のご利用が多くなっています。
なお、M&A資金が高額になる場合等は、複数の金融機関が融資を行うケースもあります。日本公庫のスモールM&A向け融資においても、約2割は民間金融機関との協調融資となっています。

融資金額別構成比

注)設備資金には、譲渡企業から買い取る譲渡企業の株式、営業権、事業用資産(店舗、機械設備等)等を含みます。

業種別
卸売・小売業の方の利用が約2割と最も大きく、運輸業、サービス業、飲食店、宿泊業等、さまざまな業種の方にご利用いただいています。

業種別構成比

従業者規模別
従業者数5人以下の方が7割、従業者数20人以下の方が約9割となっており、融資先の大半が小規模事業者(「継ぐスタ」を実践する創業希望者の方を含みます。)となっています。

従業者規模別構成比

組織形態別構成比
法人企業だけでなく、個人企業に対する融資も行っており、割合はおよそ1:1になります。

組織形態別構成比

担保の有無別
融資の約9割は無担保融資です。

担保の有無別構成比

最後に、日本公庫(国民生活事業)のスモールM&A向け融資制度をご紹介します。
融資制度の内容は、「事業承継・集約・活性化支援資金(国民生活事業)」のページをご覧ください。
また、ご相談・お申込からご融資までの流れについては、「個人企業・小規模企業の方」のページでご案内しています。