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Interview

AIを活用したソリューションで、
地域のDX推進と経済活性化を目指す
【VCとの対談企画】

株式会社One StepS 代表取締役CEO 田山凌汰

株式会社One StepS

代表取締役CEO:田山凌汰

所在地:東京都

事業領域:AI

URL:https://onesteps.co.jp

株式会社One StepS ロゴ

(対談者)

ザ・シードキャピタル株式会社(THE SEED)

ベンチャーキャピタリスト 宮城圭介 氏

URL:https://theseed.vc

ザ・シードキャピタル株式会社 ロゴ

株式会社One StepS代表取締役CEO田山凌汰氏は、高校時代から起業家に憧れ、大学入学で上京し創業期の起業家へ投資するベンチャーキャピタルファンドTHE SEEDにインターンとして参画。2022年に20歳で起業し、現在は企業向けにAIソリューションを展開する。田山氏の起業家としての歩みや事業、起業家に必要なスキルや資質をテーマに、田山氏がインターンとして従事したTHE SEEDベンチャーキャピタリストの宮城圭介氏と語り合っていただいた。

ベンチャーキャピタルでのインターンを経て、起業へ

——田山さんが起業を目指したきっかけは?

田山私が起業家を目指したのは高校3年のとき。起業家の本を読んでスタートアップという存在を知り、起業家に憧れを抱きました。高専時代に使っていた、メルカリやミラティブも初期はスタートアップとして成長されていったということもこの時期に知りました。大学入学で上京し、2021年にシード期の起業家に投資しているベンチャーキャピタルファンド(VC)であるTHE SEEDでインターンになり、スタートアップへの投資やファンドのイベント業務に従事しました。THE SEEDには同世代の起業家も多く出入りしていて、VCもいいけれど、起業家として社会の課題解決に取り組みたいと気持ちが固まってきました。

2022年9月、20歳の誕生日に起業しましたが、そのときはまだ事業内容が決まっておらず、イベント会社とAI事業を半々くらいでやろうと考えていました。AI事業に絞ろうと思ったのが、2023年9月です。当時はGenerative AIというワードが日本でも注目されつつあったタイミングでした。そこでずっとお世話になってきたTHE SEEDの宮城さんにいろいろと相談に乗ってもらいました。

宮城インターン時代から、田山さんは素直な人柄で、行動力や人を巻き込む力は目を見張るものがありました。AI事業に取り組むと聞いて、ここで初めて資金調達の相談をもらいましたが、以前から田山さんが起業するのであれば事業内容に関係なく出資したいと思っていました。

起業への思いを語る田山氏

起業への思いを語る田山氏

AIを活用した事業が軌道に乗り、地方銀行との協業も

——One StepSの事業内容をお聞かせください。

田山弊社では、機械学習モデル、生成AIのプロダクトやモジュールなどの開発を強みにしており、企業様向けに、AIを活用した意思決定や業務をサポートする開発ソリューション事業を展開しています。具体的な事例では、AIを活用した金融機関における業務効率化支援を行っています。また、AIアバターを活用した対話システムの開発なども行っています。

2025年春にリリース予定なのは、企業ごとのフォーマットに合わせて、商談前の営業資料や商談中の議事録など営業資料を自動作成するツールです。既存の業務効率化や収益最大化にお役立ていただけることを目指しています。

——近年、金融機関とスタートアップの連携に注目が集まっています。One StepSが金融機関と取引きすることになったきっかけは何ですか?

田山私が起業したてで、まだTHE SEEDのオフィスを使わせていただいていたときに、地方銀行の方とお会いする機会があったのです。

宮城私の知り合いの地方銀行の方が弊社にいらっしゃった際、「業務の一部を自動化したい」と話されていました。それを偶然隣で耳にした田山さんが「私ならできます!」と即座に声をあげたことがきっかけとなり、実現しました。正直、「まさか本当に実現するとは!」と驚きました。後日、その地方銀行の方に「なぜ実績のないシード期のOneStepSに依頼したのか」と尋ねると、「田山さんは私たちの課題に常に真摯に向き合ってくれた。その情熱が決め手でした」とおっしゃっていました。まさに田山さんの行動力と人間性が引き寄せた結果だと思っています。

田山どれだけテクノロジーが進化しても、思考し言語化して、最終的に実行するのは「人間」です。私は事業を進める上で、人との信頼関係を何より大切に考えています。

インターン時代の思い出を振り返る二人

インターン時代の思い出を振り返る二人

融資とエクイティファイナンスを両輪で

——資金調達はどのようにされましたか?

田山創業時に日本政策金融公庫の創業融資を受けました。審査はスムーズで、融資決定から入金まで早かったので助かりました。スタートアップは資金調達が遅れただけで経営に大きく影響するので、迅速なサポートはありがたかったです。公庫の創業融資のことは宮城さんに教えていただきました。弊社は創業融資とともに、THE SEEDの出資も受けています。

宮城弊社が投資させていただいている先では、公庫をはじめ民間金融機関などへのお申込をサポートしているケースが多いです。資本政策をエクイティファイナンスのみで考えるのではなく、融資とエクイティの両輪で資金調達を行うことで、ダイリューション(株式の希薄化)を抑えつつ最大限の資金を確保し、会社を成長させていけると考えています。

——起業後、どんな苦労はあり、それをどう乗り越えたかをお聞かせください。

田山起業に苦労はあって当然だと思います。悩みはだいたい人材や資金のことですが、きついと思ってばかりだと企業の成長スピードが遅れます。いかに早く頭を切り替えて、ポジティブに事業を推進できるかが大事だと思います。

宮城田山さんがおっしゃる通り、起業には多くの苦労が伴います。VCとしては、起業家が悩みを抱え込まないよう、課題に直面した時こそ気軽に相談してもらえる関係性を築きたいと思っていますし、そういう存在であり続けたいです。

スタートアップの資金調達の重要性について話す宮城氏

スタートアップの資金調達の重要性について話す宮城氏

エネルギッシュな起業家であり続けたい

——今後の展望についてお聞かせください。

田山「技術」と「会社」、両軸の発展を考えています。「技術」では、世界中で生成AIの進化・企業や個人での活用が進んでいますが、最新技術をいち早く取り入れて、新しい商機を掴み、持続的成長につなげたいです。「会社」としては、現在、スタートアップの資金調達環境が比較的厳しいといわれる中、融資と出資を組み合わせて資金政策を練り、株式上場を目指します。また、現在のクライアントの半分以上は地方企業です。私自身、熊本県出身で、地方の人口減少や働き手不足など地域の課題解決に取り組みたい気持ちも強いです。地方銀行との連携によって、地域のDX推進と経済活性化に寄与できるよう事業を進めていきたいです。

——スタートアップ経営者に必要なものは何でしょうか?

田山エネルギッシュな人間であることだと思います。これまで起業家の大先輩とお会いする機会に恵まれてきましたが、皆さん、好奇心旺盛で新しいことに挑戦し続けている方ばかりでした。私もエネルギッシュな起業家であり続けたいと思っています。また、社員やお客様を思いやり短期の事業成長だけではなく中長期を見据えた組織や事業のあり方を定義できるリーダーシップの素質が必要であると思っています。

宮城短期的ではなく、長期的な目線で会社や社会を良くしていこうという意志が大切だと思っています。私は創業期の起業家に投資をしていますが、「100年、200年と続くような偉大な会社の最初の一歩を支援したい」ということです。そのためにも、未来の社会や会社がどうなっているかを想像し、自分の強い思いを持って挑戦し続ける起業家に魅力を感じます。

——これから起業を目指す方へ、アドバイスをお願いします。

宮城起業は大変なことも多いと思いますが、「どうしても実現したいことがある」「強い情熱を持って挑戦したい」という方には、ぜひチャレンジしてほしいと思っています。資金調達についても、エクイティと融資のどちらで調達するべきか迷うなど、本当に初期の段階で相談をいただくケースも多くあります。むしろ、そういった最初のタイミングこそ気軽に連絡をしてきていただきたいと思っています。

田山もし起業への思いがあるならば、まずは一歩踏み出してもよいのではないでしょうか。起業家というステージに上がった段階で考えたり相談しながら、事業を進めていく道もあると思います。まずはチャレンジすることをお勧めしたいです!

株式会社One StepS

所在地:東京都港区南青山3-8-40青山センタービル 2F-20
設立:2022年9月
代表取締役CEO:田山凌汰
事業内容:受託開発事業、生成AI技術を活用したサービスの開発、DXコンサルティング事業