Webでの新規集客とリピート作り
第3回 Webを活用した新規顧客獲得術(SNSを活用する集客方法)
前回のコラムでは、「検索に対応する集客方法」についてお話をしました。3回目の今回は「SNSを活用する集客方法」について考えてみましょう。
「小田原 おでん ランチ」など、具体的なニーズがはっきりしているユーザーが「検索」することに対応するのが「検索に対応する集客方法」で、検索エンジン対策(SEO)やマップ(地図検索)対応などがありました。
一方、「何か美味しいものはないかな」「どこか面白そうな街はないかな」など、漠然とした(ニーズがはっきりしていない)ユーザーも含めた、非常に多くのひとが集っている「ネット上の集会所」がSNSでしたね。
Instagram(インスタグラム)は国内ユーザー数が3300万人(2019年3月)を突破(※)したといわれるSNSです。
(※出典:Meta社公式サイト)
話題になった初期のころは「10代、20代の女性向けSNSだ」といわれていましたが、ここ数年では性別、および世代を問わず利用者が急増しているようです。パソコンから利用することもできなくはありませんが、基本的にはスマホで使うかたが圧倒的に多いSNSです。
Instagramでは、それぞれのユーザーが写真や動画を投稿しています。もちろん、個人はもとより、企業やお店の立場でも無料で利用することができます。
Instagramの活用について、まずは「Instagramは検索に対応する情報収集ツールである」ということをご提案させていただきます。
SNSであるInstagramが「検索に対応する情報収集ツール」...? というのがとても紛らわしいですが、重要なことですのでご案内をさせていただきます。
ご支援先の化粧品店様の事例です。とあるネイル関係の新商品をInstagramに掲載したところ、翌日、それを見た新規客様がお二人お越しになったそうです。
この化粧品店様はInstagramというSNSで他のユーザーとの交流をした(ワイワイと会話を楽しんだ)わけではありません。後述する「ハッシュタグ」を適切に付けたところ、Instagram内で「検索」したユーザー(=新規客様)に見つけられ、来店につながったのです。
つまりInstagramはSNSとして「他のユーザーと交流する」という意図で使えるのはもちろんですが、それよりむしろ、「画像や動画がたくさん載っているので、そこで探し物をする」という使われかたも非常に多いようです。
ですので、創業なさる読者様は、「Instagramで他のユーザーと交流しなければ!」と気負うのではなく、まずはシンプルに「探されたときに出てきやすいように工夫する」ということに取り組むことをお勧めしています。
Instagram内で「検索」したときにヒットするのが「ハッシュタグ」です。ハッシュタグを適切に、多くつけることをお勧めしています。基本的には一投稿あたり30個までハッシュタグが付けられます。半角シャープのあとに任意の言葉を書くと、それがハッシュタグとして機能します。
#湘南 とか #和食 のような地域名や業種のハッシュタグはもちろんのことですが、特に重要なのは「固有名詞」と「組み合わせ」のハッシュタグです。
先程の化粧品店様も、商品名という「固有名詞」をハッシュタグとして付けていたからこそ、翌日新規客様がお二人お越しになるという結果につながったわけですね。商品名のほかにも「メーカー名」「ブランド名」「素材の名前」などでもよいでしょう。
組み合わせのハッシュタグとは、「#藤沢駅前カフェ」など、言葉と言葉を合体させたハッシュタグです。
例えばInstagramで「カフェ」と検索すると、「#カフェ」というハッシュタグが付いた投稿が2876万件ヒットします。藤沢駅に到着したユーザーがInstagramで「#カフェ」と検索しても、2876万件の投稿を全て確認することはないでしょう。
ですので、むしろ「#藤沢駅前カフェ」とか、「#カフェ藤沢市」などのハッシュタグのほうが、現実的な集客に結びつくのではないでしょうか。
Twitter(ツイッター)は国内ユーザー数が4500万人(2017年10月)を突破(※)したといわれるSNSです。
(※出典:Twitter社公式サイト)
神奈川県のお花屋さんは、Twitterで「(地域名)」「花屋」「(地域の)神社」などよく検索されるであろう言葉を多く使っています。またそこからブログやネットショップに誘導し、「Twitterを始めてから、遠方からお越しのお客様が増えた」とのことでした。真面目で明るいご夫婦のお花屋さんです。
また以前、とある街の青年会議所様主催で地域イベントがありました。その告知は、タウン誌(紙媒体)やホームページ、ブログ、Twitter、Facebookなどで行いましたが、イベント来場者全員に尋ねたところ、「Twitterを見て今日のイベント知り、来場した」というかたが一番多かったそうです。
つまりTwitterも「検索に対応する情報収集ツール」であり、特に地域情報が検索されやすいと思われます。ですので、小売飲食、サービス業などの「店舗」様には、Instagram同様、Twitterもお勧めしたいのです。
Facebookも、以前から知られたSNSですので、使っている読者様も多いことでしょう。使っているかたにはご実感いただきやすいと思いますが、Facebookは基本的には「実際にお目にかかったことがあるかた」どうしでつながりを作ることが多いと思います。つまり個人的な友人知人をはじめ、会社の同僚、仲良くなった取引先のかたなどと「つながる」ツールです。
- 個人的な友人知人との近況報告ツール
- 仲良くなった取引先のかたなどに仕事上の取り組みなどをさりげなく伝えるツール
なお、いずれのSNSでも「自社自店の利用のされかたを描く」という「エピソード投稿」を私はお勧めしています。逆に、強い売り込み感がある投稿は、SNSという「なんとなく眺めている場所」では強すぎて拒否されることが多いように感じます。
ご支援先のとあるエステサロン様では、SNSを始めた当初は「売り込み感がある投稿」をしていました。しかし、まったく来店が増えなかったそうです。ご支援時に「エピソード投稿」の考えかたをお伝えしたところ、それを実践され売上が非常に増えたとのことです。
自店が、どんなお客様に利用されどう喜ばれているのか? を描くことは、お店に対する「誤解や思い込み」を解くことにつながり、「自分にも相応しいお店だったのか」という再認識につながることで、来店と売上が増えたのでしょう。
次回のコラムでは、「お客様目線の情報発信」について考えます。また次回お目にかかりましょう。
※上記の個別の表現については、必ずしも日本政策金融公庫の見解を示すものではありません。
※本記事における Facebook、Instagramは、Meta Platforms, Inc.の商標または登録商標です。Twitterは、Twitter, Inc.の商標または登録商標です。
掲載日 令和5年7月4日
プロフィール
永友 一朗
ホームページコンサルタント永友事務所 代表 |
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