創業コラム

Webでの新規集客とリピート作り

第2回 Webを活用した新規顧客獲得術(検索に対応する集客方法)

検索エンジン対策

地図検索

検索エンジン対策の考えかた

前回のコラムでは、Web集客として「検索に対応する集客方法」と「SNSを活用する集客方法」の2つがあることをお話させていただきました。2回目の今回は「検索に対応する集客方法」について考えます。なお本稿では検索エンジンとして「Google」を想定して記します。

そもそもGoogleは、事業者など「サイトの運営者」にどんなことを求めているのでしょうか? 「検索エンジン対策」(いわゆるSEO)を考えるときに最もベースとなるのは、Googleが公式に出している「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」という資料です。

ここでは例えば、以下のようなことが求められています。

検索エンジン最適化で求められることリスト 図 検索エンジン最適化で求められることリスト

ホームページ等を、スマホでも見やすい作りにしましょう。適切なタイトルを付けましょう。などが記されているわけですね。

そしてこの資料で、Googleの姿勢が最も表されているなと私が感じるのは以下の一節です。

人を引きつける有益なコンテンツを作成すれば、このガイドで取り上げている他のどの要因よりもウェブサイトに影響を与える可能性があります。
(引用:検索エンジン最適化スターター ガイド)

つまりGoogleは「検索エンジン最適化」(俗にいう、いわゆる"検索エンジン対策")で最も重要な要素は「人を引きつける有益なコンテンツ」であると言っていると解釈できます。

この場合の「人」とは、前回のコラムでも触れた「ペルソナ」(貴社貴店にとっての重要顧客像)です。
創業者である読者の皆様は、今後Web集客を実践すればするほど、様々な「SEOテクニック」を見聞きすることでしょう。それが妥当なテクニックなのかどうかを判断するのは「ペルソナにとって有益か?」という観点だとお考えください。
例えば「ブログ記事は最低でも1,500文字は無いと、SEOとしては弱い」というテクニックを聞いた とします。しかし、1,500文字以下でも、ペルソナにとって有益な情報提供が為されていれば十分ではないでしょうか?

ペルソナにとってどうなのか? という着眼点は、検索エンジン対策(SEO)に限らず、SNS活用やホームページ内容を考える際、はたまた、価格設定やパッケージデザインをどうするかという場合にも重要な視点になりますので、ずっと忘れないでいただきたいと思います。

なお、検索エンジン対策(SEO)を踏まえた場合、
  • ペルソナの興味関心に対応した細かい話が掲載しやすい
  • また、そういったコンテンツを増やしやすい(増加が容易な作りになっている)
という観点から、「ブログ」もしくは「YouTube動画」というツールの活用をお勧めします。
マップ(地図検索)からの店舗集客

読者の皆様も、飲食店など「お店」を探すときに「ネット上の地図」を使って探すことも多いのではないでしょうか?

ネット上の地図は、Yahoo!地図、Appleマップ、NAVITIMEなどがありますが、「使ったことがある」という地図で最も多いのは「Googleマップ」だという調査があります。
(出典:口コミラボ)

ここではGoogleマップを集客に使う意味と方法についてお話します。

Google検索で、貴社貴店名でズバリ検索すると、パソコンの場合は右側、スマホの場合は一番上に「Googleマップでの店舗情報」などで構成される情報欄が出てくることが多いと思います。「ナレッジパネル」と呼ばれるこの情報欄はかなり大きく目立って掲載されるので、自社ホームページがクリック(タップ)され閲覧されるより先に、この情報欄が見られてしまう可能性も多いと思います。

そもそも貴社貴店名で検索するユーザーは、ほぼ間違いなく「新規のお客様」ではないでしょうか? 常連さんは改めて貴店名で検索することは多くないでしょう。
「ポスティングチラシで興味を持ったので検索してみた」とか「散歩中に看板を見て気になって検索した」など、きっかけは分かりませんが、その新規のお客様が貴社貴店の情報欄を見たときに、情報が少なそうだったり、疎かな感じがすると、「あれ? このお店...大丈夫かなあ...」と心配になってしまう可能性もあると思います。心配になるだけならまだしも、「来店に結びつかない」という悲しい結果になってしまうこともあるでしょう。

その意味でも、お店にとってこの「情報欄の整備」は大切なのです。

一方、ズバリ会社名で検索した場合だけではなく、Googleで「地域名+業種」とか「業種+地域名」で検索した際も、「Googleマップでの店舗情報」が列記されるのをご存知のことと思います。
「地域名+業種」とか「業種+地域名」で検索するというのは、かなり具体的にお店を探している状況ですよね。そこで貴社貴店の情報欄にて魅力や強み、人気がある感じなどが醸し出せれば来店につながりそうであることは想像に難くないと思います。

この、「Googleマップでの店舗情報」を、事業者側で主体的に整備できる無料ツールが「Googleビジネスプロフィール」というツールです。

Googleビジネスプロフィールでは、
  • 住所や電話番号、店名、営業時間などを正確に記載することで来店につなげる
  • 「写真」「投稿」「商品」「サービス」などの入力個所を用いて、貴社貴店の魅力をアピールする(※選択するカテゴリによって使える機能は異なります)
  • クチコミが入ったら「返信」することで店主の人柄やお店の価値観を伝えるチャンスにする
などを行うことができます。
特に小売、飲食、サービス業などの「店舗」様にはGoogleビジネスプロフィールの活用を強くお勧めしますが、使うかどうかは別にしても、まずはGoogleマップを開いて貴社貴店情報を探してみてください。
  • 住所や電話番号、店名、営業時間などは正確に記載されていますか? 正確でない場合はクレームにつながりかねません。
  • 魅力的な写真が掲載されていますか?
  • クチコミが入っていませんか? 入っていれば、来店の感謝を伝えたり、貴社貴店としての見解を示すことが出来ます。

また、商圏内の競合店と比べて、貴社貴店の魅力は伝わっていますか? もし伝わり切れていなければ、その競合店に新規客を持っていかれてしまう可能性があります。

なお「開業前」の創業者のかたは、開業の90日前からGoogleビジネスプロフィールの利用ができます。詳しくはGoogleビジネスプロフィールのヘルプページをご高覧ください。

次回のコラムでは、「SNSを活用する集客方法」について考えます。また次回お目にかかりましょう。

※上記の個別の表現については、必ずしも日本政策金融公庫の見解を示すものではありません。
※本記事における Google、YouTube は、Google LLC の商標または登録商標です。Yahoo!は、ヤフー株式会社の商標または登録商標です。AppleマップはApple Inc.の商標または登録商標です。NAVITIMEは、株式会社ナビタイムジャパンの商標または登録商標です。

掲載日 令和5年6月27日

プロフィール

永友 一朗 永友 一朗

ホームページコンサルタント永友事務所 代表
https://8-8-8.jp/

1973年神奈川県生まれ。「中小零細企業のホームページ運営・改善実務」に精通したコンサルタント。「実践的で、とにかく話がわかりやすい」とクライアントから評されている。
【公職・登録】
*東京都/神奈川県/山梨県/栃木県商工会連合会エキスパート
*(公財)神奈川産業振興センター登録経営アドバイザー 他
【著書】
Web集客の超基本 あなたに最適なツールで、効率よく売上アップを叶える常識64(技術評論社)
Googleマイビジネス 集客の王道~Googleマップから「来店」を生み出す最強ツール(技術評論社)他

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