Webでの新規集客とリピート作り
第1回 創業期の顧客獲得とWeb集客
顧客獲得
Web集客
こんにちは。ホームページコンサルタント永友事務所の永友一朗と申します。これから5回にわたりWeb集客術についてお話をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
私は商工会議所・商工会など経営支援機関様でのWeb活用相談対応、またWeb活用セミナー講師、執筆などをしています。
第1回目の今回は、Web集客の「2つの方法」を中心にお話をしてまいります。
これから創業される方や創業後間もない方にとって、「集客」について考えることにはどのようなメリットがあるのでしょうか? まずは、創業期の集客が持つ4つの意味について、ご説明していきます。
1. マーケティング施策の見直しができる
創業前に想定したマーケティングでは、例えば「顧客は誰なのか?実際にその顧客はいるのか?」や「自社の強みやウリは何なのか?」、「価格は妥当か?」など、どうしても「独りよがり」な部分が出てくるものと思います。
創業時の集客で多くのユーザー(消費者、見込み客)と接点を持つことで、その妥当性を再検討するチャンスが生まれます。軌道修正せず突っ走るのはとても危険です。
2. 協業パートナーとの出会いが生まれる
完全にひとりで完結するビジネスというのはほとんどないと思います。仕入れ先や協力会社さん、あるいは金融機関など、複数の協業パートナーがいて成立することがほとんどでしょう。
創業時に集客が好調であれば、そういった協業パートナーとの出会いにも好影響を与える可能性があります。
3. 求人(採用活動)につながる
面白い仕事がしたい。繁盛店で働いて腕を磨きたい。そういった志向を持つ求職者も少なくないことでしょう。創業時に集客が好調であれば、求人(採用活動)にも好影響を与える可能性があります。
4. 得意客(常連さん)の獲得ができる
生涯にわたって何度も利用していただける「得意客(常連さん)」がビジネスで重要なのは言うまでもないことと思います。
自社自店の価値を分かってくださり、可愛がってくださる新規のお客様を「獲得」しないことには「得意客(常連さん)」も生まれません。地域住民やユーザー(消費者、見込み客)と多くの接点を持つことによって、新規来店とその後のリピート利用を促したいところです。
それでは創業期の集客にはどのような手段があるのでしょうか?
- 前職でお世話になった方や個人的な友人・知人に、開業したことを報告する
- 商圏内にポスティングする
- 商工会や商工会議所など地域の経営支援機関に入会して人的交流をする
(セミナーや賀詞交歓会、部会などでの縁づくり)
神奈川県横浜市で人気ヘアサロンを経営なさっているAさんがいらっしゃいます。いまではブログやSNS、LINE公式アカウントを上手く活用され新規客、リピーター様などに愛されご繁盛なさっていますが、オープン当初は朝3時に起きて自ら歩いてポスティングをしたそうです。
根性論ではなく、そういった泥臭い活動を、地域住民は意外にしっかり見ているものです。それが感動や共感を呼び、新規来店のきっかけになったり、Web上でのクチコミなどにもつながるものと思います。
では創業時にはWeb集客は不要でしょうか?そんなことはありません。「無料、もしくはほとんどコストをかけずに告知ができる」、「時間に関係なく告知が続けられる」、「地域に縛られず広範囲に告知できる」というWeb集客で、多くの見込み客と接点を持つことができるでしょう。
~業種に合ったツール選択~
ではWeb集客はどんな方法があるのでしょうか?大きく分けて2つの方法があります。
1. 検索に対応する集客方法
GoogleやYahoo!などの「検索エンジン」とは、いうなればネット上に掲載された情報を収めた「巨大書庫」の中の情報を探せる「ツール」です。ユーザーは24時間いつでも無料でその「巨大書庫」の中を探すことができます。
つまり、我々事業者は、その「巨大書庫」に自社自店情報が「掲載」され、なおかつ、あわよくばそれが「パッと目立つ検索結果位置」にて表示されれば、無限に「自社自店情報が見られるチャンス」を手にすることができます。
この考えかたやテクニックのことを、俗に「検索エンジン対策(SEO)」といいます。
サービス業や製造業など、「ユーザー(見込み客)によく検索されるような業種」は、この「検索に対応する集客方法」に力を入れたほうがよいでしょう。検索に対応する集客方法については第2回コラムでお伝えする予定です。
2. SNSを活用する集客方法
Webは「巨大書庫」以外の使われかたもあります。それは「集会所」としての活用です。SNSは、いうなれば「数千万人、数億人が出たり入ったりしている、Web上にある無料の集会所、談話室みたいな場所」です。その巨大集会所には、具体的なニーズがある人/ない人も含めて、たくさんの人が集っています。そこでは貴社貴店の商品・サービスを「伝える」チャンスは無限にあるのです。
一方、「どこかで何か美味しいものが食べたいなー」と漠然と思っている人も含めて、非常に多くの人がSNSという集会所に出入りしているとしたらどうでしょうか?小田原のおでん屋さんだけでなく、
- 小田原の、おでん屋さん以外の飲食店
- 小田原以外のおでん屋さん
- 小田原でも、おでん屋さんでもない、でも「美味しいもの」を提供する飲食店
つまり、飲食、生花、理美容、宝飾、観光、アパレルなどの「五感に訴えるご商売」(検索で吟味されるというより、「あ、美味しそう。いいかも」など感覚で勝負できるご商売)は、SNS集客に特に向いているものと思います。
集客につながるのか?
事業計画を作ったり、創業塾などに出ると絶対に問われる「誰をターゲットにするのか?」という点は、Web集客でも極めて重要です。自社にとっての重要な顧客像を「ペルソナ」といったりします。そのペルソナが貴社貴店の商品・サービスを使うとして、4つの段階に分けて届ける情報を考えてみましょう。
ペルソナは貴社貴店の商品・サービス、もしくは類似商品・サービスをどのような方法で「知る」のでしょうか?既述のように、具体的にネット検索されるようであれば「検索に対応する集客」に力を入れ、逆に、言われて初めて気づくような商品・サービス(「検索」され得ない、目新しい商品・サービスやアイデア商品など)や感覚的な商品・サービスはSNSでのPRが向いているかもしれません。
また、そもそも認知はネット以外ということもあり得ます。看板やチラシ、ポスティングなど、ネット以外でペルソナと接点があり得るのかどうかを冷静に考えましょう。
この「認知」段階のユーザーには、商品サービスの新規性や利用シーンなどを伝えていくとよいでしょう。
商品サービスを「認知」したユーザーが即購入してくれるわけではありません。比較検討されたり、決心がつかず購入を保留にしていることもあるでしょう。
この「検討」段階のユーザーには、不安や疑問を解消するような情報を提供することで購入につなげたいところです。
購入や申込のしかたそのものは、ペルソナにとって分かりやすいものになっていますか?商品・サービスを提供する側は、取引のしかたや全体像を熟知していることと思いますが、ペルソナは初心者かもしれません。
取引の段取りを明確に示したり、申込フォームをわかりやすく改善することも肝要です。
購入いただいたペルソナとそこでサヨウナラしていては、得意客(常連客)が増えません。購入後にペルソナとどのような接点を持つことが可能か、想定しておきましょう。
リピーター対策については第5回コラムでお伝えする予定です。
なお細かい話ですが、セミナーの質疑応答の時間によくいただく質問として「SNSは何時に投稿するのが効果的ですか」というものがあります。私は「何時でも大丈夫ですよ。お仕事中の合間に、無理のない時間帯で投稿してください」とお伝えしています。現実的に、貴社貴店の投稿が何時に閲覧されるかは「わからない」(何時でも閲覧され得る)からです。
「SNSを見るユーザーが多いであろう朝7時台や夜21台が望ましい投稿時間帯」という俗説がありますが、その時間帯に我々は無理なく毎日投稿できるのでしょうか?「Web活用では無理は禁物」です。無理なく、長く、コツコツやるのがWeb活用で一番大切なことだと私は確信しています。
次回のコラムでは、「検索に対応する集客方法」について考えます。また次回お目にかかりましょう。
※上記の個別の表現については、必ずしも日本政策金融公庫の見解を示すものではありません。
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掲載日 令和5年5月12日
プロフィール
永友 一朗
ホームページコンサルタント永友事務所 代表 |
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