STEP2
交渉
5. 取引交渉
取引交渉から契約締結までは以下の流れとなります。
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01提案
市場調査や取引先の選定を経て、取引先候補に対して売り込みを行うことを「提案」といいます。具体的には、メール、手紙、FAXの送付や、貿易関係機関等を通じてコンタクトをとります。
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02引き合い
提案に興味を持った取引先候補から、当該商品の価格、数量、納期等の問い合わせを受けます。これを「引き合い」といいます。サンプルの送付を依頼される場合もあります。
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03申込み
商品の価格表、カタログまたはサンプルを取引先に送付し、納期や支払い条件について提示します。これを「申込み」といいます。
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04反対申し込み
一方の申込みに対し、その申込みを受けたもう片方が、価格の値下げや船積時期の変更等、一部修正や変更を加えて回答します。これを「反対申込み」といいます。
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05承諾
一方の申込みに対し、もう一方が無条件にそれを認めることを「承諾」といいます。
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06契約
一方の申込みに対し、もう一方が承諾すると「契約」が成立します。貿易取引の契約は、対象物の引渡しを必要とせず、口頭でも成立します。
6. 契約締結
貿易取引は一方の申込みに対し、相手方が承諾すれば、口頭でも契約が成立します。
しかし、現実的には、契約の証拠として文書を残すことが重要です。
貿易取引は、言語や文化が異なる外国とのやり取りになるので、何が起きるか分かりません。
後に発生し得るトラブルを防止するためにも、契約書等を作成するようにしましょう。
1. 契約締結の方法
実務上は、取引量や取引頻度に応じて、下表のとおり契約締結の方法を使い分けています。
取引量 | 取引頻度 | 内容 |
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小口 |
ー |
買主側が作成する注文書や、売主側が作成する注文請書を契約書として用いることが多い。 |
大口 |
少 |
当事者間でより拘束力を持たせるために、合意した内容を全て一つの契約書にまとめる。 |
大口 |
大 |
手間を省くため、取引の基本事項を定めた「基本取引条件契約書」交わし、取引の都度「個別取引条件契約書」を作成する。 |
2. 契約書で取り決める条項
一般的に、国際的な売買契約に盛り込む条項を紹介します。
契約の基礎Basis | 両当事者間の取引は、本人同士で行われた旨を記載。 |
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輸送Transportation | 輸送手段や積込み期限を定める。また、積み替えや分割積みの可否について規定。 |
決済Payment | 決済方法や支払期限等について規定。 |
増加費用Increased Cost | 契約締結後に追加で発生した費用を負担する者を規定。 |
保険Insurance | 保険契約の手続き及び保険料の負担者を規定。 |
検査Inspection | 輸出品の検査時期、検査内容及び検査する者を規定。 |
クレームClaim | クレームの方法や期限等を規定。 |
不可抗力Force Majeure | 不可抗力が原因で契約不履行となった際の、契約義務を軽減・免除する条件を規定。 |
紛争解決Settlement of Disputes | トラブルが起こった場合の解決法を規定。仲裁を利用する場合は、「紛争が生じたときは仲裁により解決する」旨を記し、「仲裁地」、「仲裁機関」、「仲裁規則」を取り決める。 |
貿易条件Trade Terms | 使用するインコタームズを規定。 |
完全合意Entire Agreement | 契約書に記載されている内容が、当事者間における最終的な合意内容で、全ての従前の合意内容に優先する旨を規定。 |
準拠法Governing Law | 契約がどの国・地域の法律によって解釈されるかを規定。 |