経営実態の把握においても、 理系的な思考力が活かされる

  • 学生時代

    ニュースや授業で地球温暖化などの話題を目にする機会が多かったことから、海洋環境の変化に興味を持ち、水産学部を志望しました。乗船実習×採取したサンプルを分析する学問に興味を持ち、大学院にも進学し、海の生態系を支える植物プランクトンの生長に必要な成分(海水中に含まれる鉄分)の研究を行っていました。また、研究活動に加え、調査船に乗って、国内だけでなく北極海で90日間のサンプリングを行うなど、調査船でのフィールドワークは貴重な経験となりました。学校が自然豊かな場所にあったこともあり、早朝や下校後には、友人たちと釣りに出かけるなど、自然を満喫する日々を過ごしていました。

  • 日本公庫を選んだ理由

    元々海や川で遊ぶことが大好きで魚も好きだったこと、祖父が小規模な酪農を営んでいたことなど、自然や一次産業が身近にあった環境で育ったため、「地方で活躍する人に貢献する仕事がしたい」という思いが芽生えました。その中で、地方の基幹産業である一次産業及び一次産業従事者の方々を支えられる仕事に興味を持ち、日本公庫を知りました。
    理系ということもあり金融機関は志望していませんでしたが、お客さまとの対話を重視し、生産現場にも頻繁に足を運ぶことができること、政策金融機関として中立的な立場でリスクをとってお客さま支援ができることが決め手となり、日本公庫を選びました。

  • 理系出身ならではのエピソード

    経営支援の現場では、事前に決算書などの資料をいただき、資料の中身やお客さまの業種特性を踏まえ、売上や経費が変動した原因(例:前年は猛暑の影響で収穫量が減ったため売上が減少したのか?)について自分なりに仮説を持ち、それをお客さまに質問して検証、さらに原因を深堀りすることで支援内容や方向性を決めていきます。この一連の流れについては、学生時代の研究で日常的に仮説・検証プロセスを繰り返し行っていた経験が活かされていると感じます。また、経営実態の把握においても、原因を細分化して考えることが必要となるため、このような点でも理系的な思考力が活かされています。

  • 成長を感じた仕事

    現在は、中国四国地区の支店のサポートや地域の情報を収集し分析する仕事をしています。現場の実態や課題などを本店に伝える役割や、その反対に本店の考えを支店へ伝える役割もあります。また、定期的に地区内の支店を訪問し、若手職員と同行営業を行いながら、ノウハウや審査の目線などを共有し、後輩育成にも取組んでいます。
    成長を感じたエピソードとしては、2年間の中小企業事業への事業間異動を経験し、農林水産業や食に関することだけでなく、地域経済や日本経済の動向などにも目を向けるようになったことです。少しずつではありますが、自分の経験や知識が増えることで経営改善提案の幅や質が向上し、よりお客さまの経営に貢献できているのではないかと感じるようになりました。

  • 将来の夢、キャリアビジョン

    支店業務はもちろんのこと、本店や他事業といった異なる分野の業務に携わることで、自身のスキル向上や考え方の幅の広がりといった成長を実感することが多いです。今後も未経験の業務を任された際には、臆さずチャレンジし、試行錯誤する気持ちを持ち続けたいと思います。自分の知識や経験値が増えることで、高度化かつ多様化するお客さまの経営課題に対して適切な支援を行い、その結果、国内一次産業の持続的な発展に微力ながら貢献できたら嬉しいです。

  • 就職活動をするみなさんへのメッセージ

    みなさんそれぞれ興味のあるテーマについて、多大な時間を割いて研究活動をしているかと思います。そのため、就職活動では学生時代の研究テーマに直結した仕事を志望する方が多いと思いますが、就職活動はさまざまな企業を知れる絶好のチャンスです。誰しも、自分が知っている企業や業界の中からしか仕事を選べないと思うので、まずは世の中にどのような仕事があるのか、興味を持ってください。「意外と面白そうだな」という発見があれば儲けものです。私みたいに思わぬ出会いがあるかもしれませんよ。
    理系出身のみなさんが活躍できるフィールドがありますし、実際数多くの理系出身者が活躍している職場です。ぜひ一緒に一次産業の持続的な発展を支えていきましょう!