充実したリソースとネットワークで中小企業の海外展開を支援

経済のグローバル化が進む中、国内企業の海外展開の強化は、日本経済全体の発展にとっても重要な課題の一つとなっています。日本公庫では、成長分野への支援の一環として、中小企業の海外展開を支援する「海外展開・事業再編資金」を提供しています。また、お客さまの利便性を高めるため、提携先の海外金融機関からの資金調達時に信用状を発行する「スタンドバイ・クレジット制度(SBLC)」や、海外現地法人に直接融資する「クロスボーダーローン」など、多様な資金調達手段をご用意しています。
中小企業事業のお取引先現地法人などは、約1万社に達しています。SBLCは、平成24年度の制度開始以来、累計で960社(令和6年3月末時点)が利用しています。クロスボーダーローンは、令和3年1月の開始から累計298社(令和6年3月末時点)の利用実績があります。
SBLCに関しては、平成25年度から全国の地域金融機関との連携を強化し、令和6年3月末時点でその数は62行に達しています。中小企業事業の国際業務部は50人規模のチームを擁し、本部(東京)、海外は上海(中国)、バンコク(タイ)、令和5年11月に新設したホーチミン(ベトナム)に駐在員事務所を構えています。各事務所は設置国に加え周辺国にも展開する、日本の海外現地法人への支援を行っています。
私自身も、現部署への異動直前までJETROに出向し、インドのニューデリー事務所で2年間駐在していました。このように、日本公庫は各国の関連機関と連携することで、海外展開を支援する体制を強化しています。
企業の海外展開を支援する機関は数多くありますが、日本公庫は中小企業に特化し、豊富なリソースと関係機関とのネットワークを活かし、幅広い情報・資金供給を行うことができる点に独自の存在意義を感じます。
現在私が所属する国際金融業務グループでは、各支店の担当者と一緒にお客さまの国際金融業務に関する取り組みの企画・立案および事務、海外の金融機関との提携交渉、支店の営業活動の支援などを担っています。
