「政策金融の担い手として、安心と挑戦を支え、共に未来を創る。」
これが日本公庫の使命です。
政策金融機関として日本公庫が果たす使命を、
職員の具体的な活動を通して紹介します。

国民生活事業
創業・スタートアップ支援

Tomoaki Tsuda
津田 知明
平成24年入庫
神戸創業支援センター

東京中央支店、津支店での勤務を経て、中小企業診断士養成課程へ研修派遣。診断士資格を取得し、1年間の企業派遣研修を経験した後、現在の神戸創業支援センターへ。これまでのキャリアで培った経験やスキルを活かし、日々、創業・スタートアップ支援に取り組んでいる。

行政や創業支援機関などと連携し、創業・スタートアップを支援

創業前や創業後間もない企業は、営業実績が乏しい、事業の見通しを立てにくい等の理由により、資金調達が困難な場合が少なくありません。政策金融の立場から、地域経済に活力を生み出す創業企業や、新しいビジネスモデル・最先端技術によって新市場を切り開こうとするスタートアップへの積極的な支援に取り組んでいるのが、国民生活事業です。
国民生活事業では、全国152支店に創業サポートデスクを設置し、専任の担当者が創業計画書作成についてのアドバイスや創業に関する様々な情報提供を行っているほか、創業支援センターやビジネスサポートプラザといった支援拠点を全国各地に設置しており、お客さまからのご相談に迅速に対応できる体制を整えています。令和6年4月には、シード期(創業準備期)・アーリー期(事業立ち上げ期)のスタートアップ支援拠点「スタートアップサポートプラザ」を全国4都市に新設。ベンチャーキャピタルや支援機関と連携しながら、スタートアップに対する相談等に、きめ細かく対応しています。
私の所属する創業支援センターに与えられた具体的な役割は、融資と出資を組み合わせた支援が必要となるケースなどの高度な専門知識が求められるご相談への対応のほか、行政や創業支援機関と連携しながら、創業計画書作成支援に係るセミナーやイベントを企画・開催することです。
個別のご相談では、お客さまの事業内容を深く理解し、今後想定される課題や障壁を具体的にイメージして、その対策をお客さまと共に検討していきます。初めて相談を受けた時点ではなかなか支援が難しいケースもありますが、その場合は、何が問題なのか、どういったことを懸念しているかといった点をしっかりお伝えし、具体的なアドバイスを行うことで計画の実現に向けた課題を一つひとつ解決していきます。
過去に私が担当し、印象に残っている支援事例の1つに、「涙でがんを検知する技術」の実用化を目指す大学発のベンチャービジネスがあります。ベンチャーキャピタルとも連携し、情報を収集・分析して、事業性を判断しました。日本公庫からは財務体質強化のための資本性ローンを提案し、最終的には、複数の民間金融機関との協調融資という形で支援が決定しました。専門的な知識が必要であったことに加えて、関係機関との折衝が多かったことから苦労もありましたが、人類の未来に希望の光をもたらす可能性がある貴重なビジネスの誕生に立ち会うことができました。融資実行後、お客さまには、胸が熱くなるような感謝のお言葉をいただき、苦労した分、大きな達成感を得ることができました。
セミナーやイベントの企画では、「創造力、無限大 高校生ビジネスプラン・グランプリ」に携わっています。皆さんの中には、高校時代、このグランプリに参加されたという方もいらっしゃるかもしれません。創業支援センターでは、若年層の創業マインド向上に資する活動にも力を入れて取り組んでおり、その取組みの一つが、この「創造力、無限大 高校生ビジネスプラン・グランプリ」です。全国の高校生からユニークなビジネスプランを募り、グランプリを決めるというもので、令和6年度で12回目を迎えました。毎年、各地の創業支援センターが中心となって、応募を検討している高校への出張授業を行い、グループワークを通じて、ビジネスプランを形にしていくプロセスのお手伝いをさせてもらっています。授業では、高校生たちが、真剣にアイデアを出し合い、自分たちのプランに向き合う姿が印象に残っています。過去にグランプリ受賞歴のある方が、当時のプランで創業を目指しているという話もあり、このグランプリの認知度が年々高まり、日本公庫の取組みが実を結びつつあることを実感しています。

自身の専門性に磨きをかけ、最適な支援策を提案する

神戸創業支援センターに配属となり、多くのお客さまへの支援に立ち会ってきましたが、その中で、とても役立っていると感じるものが2つあります。
1つは中小企業診断士としての知識です。中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う国家資格で、日本公庫内でも取得が推奨されている資格の一つです。私は外部研修制度(中小企業診断士養成課程への派遣)を利用してこの資格を取得しました。創業・スタートアップは新たな市場を開拓するケースが多いため、マーケットの規模や売上を予測する力が特に求められます。資格を取得したことで、お客さまの計画をより深く理解できるようになり、さまざまな角度から分析できるようになったと感じています。そして、最適な支援策を、自信をもって提案できるようになりました。
もう1つが企業派遣研修で得た経験です。私は、自動車部品メーカーに研修派遣され、1年間、製造業の現場で派遣先の従業員の方々と同じ作業着を着て、一緒に汗を流しました。実際の企業の現場に入ってみなければ分からない、中小企業の抱える課題や経営者の悩みに触れるとともに、中小企業が日本公庫に求める支援や役割を肌で感じることができました。この経験は、私がお客さま支援に取り組むうえで大きな財産となっています。
支援させていただいたお客さまからお礼の手紙や言葉をいただいたり、お客さまの取組みがメディアで紹介されているのを目にすると、自分のことのように嬉しく、その喜びが次の仕事へのモチベーションへと繋がります。これからもお客さまの夢の実現を応援し、神戸発の創業企業、スタートアップ企業の誕生をサポートしていきたいです。

農林水産事業
セーフティネット機能の発揮
玉井 大地
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宇都宮支店 融資第一課
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