「政策金融の担い手として、安心と挑戦を支え、共に未来を創る。」
これが日本公庫の使命です。
政策金融機関として日本公庫が果たす使命を、
職員の具体的な活動を通して紹介します。

農林水産事業
セーフティネット機能の発揮

Daichi Tamai
玉井 大地
平成24年入庫
宇都宮支店 融資第一課

さいたま支店、神戸支店、融資企画部を経て、現在は宇都宮支店で勤務。大学院で農業に関する研究をしていたこともあり、直接現場に足を運ぶ機会があること、社会的な存在意義が高いことから、日本公庫を志望。

大雪で倒壊した農業用ハウスの再建を、地元金融機関や関係機関と連携して支援

東日本大震災や新型コロナウイルス感染症といった未曾有の災害だけでなく、日本各地では毎年のように地震、台風、大雨などの自然災害や、家畜伝染病などの予期せぬ事態が発生し、農林水産業に従事する方々に甚大な被害をもたらしています。こうした方々が事業を立て直すためのセーフティネット機能を果たすことは、日本公庫が担うべき重要な役割の一つです。令和6年1月に発生した能登半島地震においても、特別相談窓口を設けるとともに、金利負担を軽減する特例措置などを実施し、被害を受けた農林漁業者の皆さまが事業を再建できるよう、機動的な支援を行いました。
私自身、初めて配属されたさいたま支店で、農業者の災害復旧支援を経験し、日本公庫のセーフティネット機能がいかに重要であるかを実感しました。平成26年2月に関東甲信越地方に記録的な大雪が降り、埼玉県では農業用ハウスの約8割が倒壊するという過去に類を見ない甚大な被害が発生しました。もともと雪の少ない地域であったため、降雪に対する対応が追いつかず、積雪の重みでハウスが倒壊してしまう事態が多発しました。その結果、支店には復旧に関する資金相談が多数寄せられました。
私が担当していた地域の農業用ハウスは、頑丈なものが多かったこともあり、再建には数百万円から、規模の大きな農家であれば1億円近くもの費用が必要となりました。政府や自治体からの補助金だけでは再建費用の全額を賄うことはできないため、地元金融機関や行政、そして日本公庫からの支援が必要不可欠となります。私たちは日頃からこれらの関係機関と緊密に連携しており、地元金融機関などが開催する相談会にて、日本公庫が提供可能な金融支援の説明や借入相談の受け付けを行い、農業者の皆さまが早期に復旧できるよう努めました。

審査書類や手続きを簡素化し、より迅速に融資を実行

当時、特に被害が大きかったのは、県北西部のイチゴの観光農園やキュウリ、花卉などのハウス栽培が盛んな地域でした。農業は季節や天候にあわせた適時適切な作業が必要となるため、被災された農業者のみなさまが、次の作付けに備えるためにも、ハウスの再建は早急に取りかかる必要がありました。借入相談が急増する中でも、通常通り丁寧な対応を維持しつつ、緊急時にはスピーディーな審査が求められます。
そのため、この時は支店だけではなく本店とも連携し、審査書類や手続きの方法をできるだけ簡素化・共通化し、書類の手戻りがないようにすることで、スムーズに融資が実行できる体制を整えました。
この復旧の中で、特に印象に残っていることがあります。お客さまからの相談に少しでも早く対応するため積み上がる書類を目の前に奮闘する中、他支店のベテラン職員が応援に駆けつけてくれました。その職員が多くの審査案件を担当してくれたため、私たちはお客さまへの訪問だけでなく、市役所、町役場、JAなどの関係機関とも密に連携することができ、地域全体で復旧支援に取組むことができました。
その後、私は本店の融資企画部に異動し、全国の情報が集まる中で、各支店・地区、そして本店が協力しながら緊急時の対応にあたっていることを知りました。日本公庫では組織全体の力を活かし、より迅速かつ的確にセーフティネット機能を発揮していることを再認識しました。
現在、私は宇都宮支店の融資課にて栃木県南部のお客さまを担当しています。年次を重ねて、一担当者としての業務だけでなく、上司のサポートや後輩の育成などにも携わりながら、地域の第一次産業の発展に貢献できる仕事を目指しています。


雪の重さで潰れたビニールハウス
中小企業事業
海外展開支援
髙際 晃平
平成26年入庫
国際業務部 国際金融業務グループ
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国民生活事業
創業・スタートアップ支援
津田 知明
平成24年入庫
神戸創業支援センター
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