日本全国にある152支店の職員一人ひとりが、熱い想いを持って、各地域の活性化のために取り組んでいます。日本公庫の3つの事業(国民生活事業、農林水産事業、中小企業事業)で働く職員3名をオンラインでつなぎ、地方で働くことの魅力や働きがい、日々の業務を通じて感じる日本公庫に寄せられる期待、今後の目標などについて語り合ってもらいました。

  • 平成27年入庫
    四日市支店 融資第二課
    教育学部 スポーツ健康科学科卒

    岐阜県出身。学生時代は陸上競技部に所属し、400Mハードルを専門にしていた。最初の配属は堺支店で、4年前から現職。鈴鹿市などを担当。

  • 平成28年入庫
    青森支店 融資課
    人文学部 現代社会課程卒

    青森県出身。学生時代はバトミントンサークルに所属。青森支店では、県東部の七戸町や六ヶ所村を担当。

  • 平成29年入庫
    岡山支店 融資第一課
    経済学部 経済経営学科卒

    愛媛県出身。大学ではアイスホッケー部に所属。大阪支店、広島企業サポート室を経て1年前から現職。倉敷市を担当。

地方で働く楽しさ、やりがい

それぞれの地域ごとに特色があり、
魅力に溢れている
皆さんとお会いするのは初めてで少し緊張していますが、本日はよろしくお願いします。
こちらこそ、よろしくお願いします。
地方で働く魅力やそれぞれの地域ならではの働きがいなどを、各地で働く職員が紹介する座談会と聞いています。土屋さんは異動の経験をお持ちですが、さまざまな地域で働くことをどう感じていますか。
私は現所属の四日市支店が2支店目になります。異動して思うことは、地域ごとに主要な産業が異なり、その土地ならではの特色があるということです。そこに、日本公庫ならではの仕事のおもしろさ、魅力を感じています。
私も同感です。最初に配属された大阪支店では、物流業や倉庫業、印刷業、ソフトウェア業など、都市型産業のお客さまが中心でしたが、現在所属している岡山支店では、大手自動車メーカーの工場や関連する部品メーカーなどの製造業のお客さまが多いです。
以前は大阪にいらっしゃったのですね。私も最初の配属は大阪の堺支店で、地場産業である刃物関連の企業などを担当していました。現在は鈴鹿市を担当しているのですが、鈴鹿市には有名なサーキット場があり、モータースポーツ関連のユニークな会社があります。また、四日市市の中心部では再開発が進んでいたり、菰野町には湯の山温泉を中心とする観光産業があったりと、同じ支店の担当地域内でも、お客さまの業種やニーズが多様です。そのため、自分自身の知見を広げることができています。
私は生まれも育ちも青森市で、現在は地元の青森支店に勤務しています。担当エリアは七戸町や六ヶ所村で、青森市内の支店から車で1時間半ほどのところにあります。青森県といえばリンゴをイメージされる方も多いかもしれませんが、私の担当エリアは、広大な平野を活用した酪農や特産品である長芋などの野菜生産が盛んな地域です。青森市出身でありながらこれまで縁のなかった地域を担当し、青森県の新たな一面を知ることができました。
青森県に酪農のイメージはなかったですね。今私が担当している倉敷市も、赴任前は、美観地区の観光業やジーンズに関連したアパレル産業のイメージを持っていたのですが、実際は機械関係の製造業のお客さまが多く、最初は驚いたことを記憶しています。近畿、広島の二大市場を商圏とし、四国や山陰、さらには海外にまで目を向けている企業も多いです。
その地域を知れば知るほど新たな発見があり、仕事が面白くなっていきますね。四日市市では、行政が、駅前の再開発を市全体の活性化につなげようと積極的に取り組んでいます。日本公庫は、地域経済を支える小規模事業者や中小企業者、農林水産業者を支援する存在であり、寄せられている期待も大きく、仕事にやりがいを感じています。

支店の雰囲気

困ったときには
すぐに相談できる職場環境、
風通しの良い社風
吉良さんの支店はどのような雰囲気ですか?
上司、先輩、後輩とともにチームとして仕事に取り組み、お互いにフォローしながら仕事を進めていく雰囲気がありますね。
私の職場も風通しが良く、それが働きやすさにつながっています。融資判断などに悩むこともありますが、上司や先輩が、いつでも相談に乗ってくれます。青森支店の雰囲気はどうですか?
私の職場も、皆さんの職場と同じように相談しやすい雰囲気です。これは日本公庫全体としての特徴かもしれませんね。
私は、今年子どもが産まれ、出産後1ヵ月ほど育児休暇を取得しました。休暇中は周囲の職員の方々に仕事のフォローをしていただき、子育てのしやすい職場環境だと再認識しました。
私がいつも感じていることは、職員全員が、お客さまのことを最優先に考えているということです。融資判断について上司や先輩に相談をした際、議論の軸となるのは、お客さまのご意向や事情、熱意についての部分が多いです。
政策金融機関である日本公庫ならではの風土かもしれませんね。私自身も、仕事をする中で、「お客さまのため」、「地域のため」と考える姿勢が身についてきたと思います。
国民生活事業では創業支援を行っていますが、お客さまからご相談をいただいた際、資金計画や収支計画の見直しが必要なケースもあります。創業後の収支状況が当初予測より下回ってしまった場合、厳しい経営を強いられるのはお客さまご自身です。創業においては、「小さく始めて、大きく育てる」ことが事業の成功確率を高めるポイントだと言われています。計画見直しの提案には難色を示されるお客さまもいらっしゃいますが、丁寧にご説明をし、お客さまと一緒になって、計画のブラシュアップに取り組んでいます。

日本公庫に寄せられる期待

お客さまに寄り添い、
チャレンジを支援する
お客さまからの日本公庫への期待は、さまざまな場面で感じています。私の経験として、例えば、新たな栽培品目への挑戦、経営規模の拡大、一世一代の大型投資といった「チャレンジングな投資」をする際に、特に期待が大きいと感じます。過去の財務内容だけではなく、事業の成長性や経営者能力などを適切に評価し融資判断をすることが、日本公庫に期待されている役割の一つではないでしょうか。
創業支援については、営業実績が乏しくリスク評価が困難であるため、民間金融機関での対応が難しく、日本公庫に相談いただくケースが多いです。ご相談には真摯に向き合い、例えば、民間金融機関との協調融資や、補助金の活用を提案するなどして、常に「どうすればお客さまのチャレンジが成功するか」を考えるようにしています。それが、日本公庫に求められていることだと思います。
日本公庫は、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫を前身としており、約70年の歴史があります。お客さまの中には、「困ったときには、まず日本公庫に相談」と考えていただいている方も少なくありません。これまで、お客さまと日本公庫が築いてきた信頼関係は、かけがえのないものだと感じます。
お客さまとの面談や、ヒアリングの際に心がけていることはありますか?
私は、自分ならではの意見や提案をするようにしています。その際に、お客さまから感謝のお言葉をいただくと、特別な達成感がありますね。
創業支援では、融資後に店舗を訪問したり、電話で近況を確認させていただいたときに、お客さまから、今後の事業展開などについて熱い想いをお伺いすることがあります。そのときは、創業支援の意義を再認識すると同時に、大きなやりがい感じます。
農林水産事業は、長いスパンでお客さまをフォローすることも多く、経営課題の共有から解決支援まで、伴走型で支援していることが特徴です。また、民間金融機関など関係者との情報交換を欠かさず、適時適切に融資や情報提供などの支援ができるような体制も整えています。お客さまには見えないところでの活動が実を結んだときの嬉しさは格別です。

今後の目標

自らのスキルアップが
お客さま支援やサービス向上につながる
今後の目標について皆さんはどのように考えていますか?
農業、林業などお客さまの業種はさまざまで、事業規模も家族経営から大規模な経営体まで大きく異なります。そのため、それぞれのお客さまの理解を深め、必要とする支援をタイムリーに提案できるようになりたいと考えています。お客さまを訪問すると、「私たちの食は、このような方々のおかげで成り立っている」と実感しますし、「ご相談をいただいたときには、力になりたい」と心から思います。多種多様なお客さまの経営課題に対応するため、資格の取得にも取り組んでいます。
お客さまの事業に対する理解や、業界に関して学ぶことに、ゴールはないのでしょうね。知見を広げ、知識を高めること以外に、私は「人を巻き込む力」を高めたいと考えています。
行政や民間金融機関など、関係する支援機関の方々を巻き込むということですか?
はい。日本公庫以外の支援機関の方々の力を借りることで、よりスケールの大きなお客さま支援や地域社会への貢献ができると思っています。もちろん、自分自身にしっかりとした考えや能力がなければできないことです。自らのレベルアップは欠かせません。
私も、行政や商工会議所・商工会などの支援機関と連携したお客さま支援ができるようになりたいと考えています。四日市市では、古くからの商店街で店舗をオープンする創業者に対する補助金制度があります。行政が街の活性化に力を入れており、そうした取り組みに対して日本公庫の立場からもさまざまな提案をすることができれば、地域経済の活性化に貢献できると思っています。
そのような取り組みの旗振り役になることができれば、やりがいも大きいですね。
融資制度や各種サービスは、お客さまに利用いただいて初めて、意義のあるものになると思います。実際にお客さまや支援機関の方々とお会いする職員は、重要な役割を担っていると思います。
支店から本部に対し、提案をすることもできますよね。お客さまのニーズを踏まえ本部に提案した結果、融資制度に反映されるケースもあります。現場のアイデアが、お客さまへのサービス向上につながっていると感じます。
なるほど、日本公庫内を巻き込むという視点もありますね。視野を広く持つことは、非常に大切だと思います。お客さまとともに自分自身も成長していきたいですね。
※記事内容及び職員の所属は取材当時のものです。