創業時支援

創業計画Q&A

Q1 販売についての検討項目を教えてください。
A

販売計画は経営戦略の重要な項目です。綿密な検討を必要とします。
主な検討項目は次のとおりです。各項目は互いに関連しているので十分に検討しましょう。

販売についての検討項目
だれが  必要な売上高を確保するためには、従業員を必要とするのか、家族のみでよいのか検討します。
だれに  どのような顧客層をターゲットとするのか明確にします。顧客層をどこにしぼり込むかによって、客単価や商品の品ぞろえが違ってきます。
何を  顧客層や立地条件などによって、取り扱う商品やどのようなサービスをするのか決めます。
どのように  対面販売にするのか、セルフサービスにするのか、通信販売にするのかなど、どのような販売方法をとるのか検討します。
どこで  業種や顧客層にマッチした立地を選びます。また、立地条件に合った取扱商品、販売方法などについても検討します。
販売条件は  現金なのか、掛け売りなのかなど、どのような条件で販売するのか検討します。
時間は  営業時間をどうするのか検討します。

製造業など販売先(受注先)が特定される場合は、次の点についても考えておきましょう。

Q2 仕入についての検討項目を教えてください。
A

仕入は、販売(売上)や利益にも直接影響する大切な項目です。
次の項目について検討しましょう。

仕入についての検討項目
何を  売れ筋商品や販売戦略に沿った商品の確保が可能かどうか検討します。
どこから  必要な時期に、必要な商品を、安定して供給してくれる仕入先の確保が重要です。
どんな条件で  現金なのか、買掛や手形払いは可能か。支払いサイトはどうなっているのか確認します。
計画的に  過剰在庫は資金繰りを圧迫します。計画的な仕入が大切です。
Q3 資金計画のたて方を教えてください。
A

創業にあたっては、資金がいくら必要で、それをどう調達するかを検討しなければなりません。これを資金計画といいます。
創業に必要なすべての資金と、その調達方法について下の表を参考にまとめてみましょう。

必要な資金と調達の方法

必要な資金 金額 調達の方法 金額
設備資金 店舗、工場、機械、備品、車両など
(内訳)
万円 自己資金 万円
日本政策金融公庫 国民生活事業からの借入 万円
運転資金 商品仕入、経費支払資金など
(内訳)
万円 その他からの借入
(内訳・返済方法)
万円
合計 万円 合計 万円
※各合計は一致させてください。
Q4 自己資金はどれくらいあればよいですか?
A

一概には言えませんが、日本政策金融公庫総合研究所の「新規開業実態調査」のデータによると、創業資金調達総額に占める自己資金の割合は24%となっています。
同調査によると、事業開始からおよそ1年間のうちに黒字基調となった企業は全体の約60%との結果が出ています。借入に依存した計画では、思っていたほど売上が上がらなかったり、予想外の出費がかさんだりすると、資金繰りが苦しくなる場合があります。自己資金と借入金のバランスを考え、ゆとりを持った資金計画を立てることが大切です。

創業資金の調達額(平均)

金融機関等68%(803万円)、自己資金24%(282万円)、親族4%(46万円)、その他4%(45万円)、合計(1,177万円)
Q5 売上予測の方法を教えてください。
A

主な売上予測の方法は次のとおりです。業種の特性を考え最も適した方法を選び、検討してみましょう。
また、業界平均に地域事情などを加味することや、他の方法もあわせて多角的に売上高を予測することが大切です。

(1)販売業で店舗売りのウェイトが大きい業種(コンビニエンスストアなど)

<算式>1m²(または1坪)当たりの売上高  × 売場面積
[設例] 業種:コンビニエンスストア

売上予測(1ヵ月)=16万円×100m² =1,600万円

(2)飲食店営業、理・美容業などサービス業関係業種

<算式>客単価 × 設備単位数(席数) × 回転数
[設例] 業種:理髪店

売上予測(1ヵ月)=3,950円×2台×4.5回転×25日=88万円

(3)労働集約的な業種(自動車販売業、化粧品販売業、ビル清掃業など)

<算式>従業者1人当たりの売上高 × 従業者数
[設例] 業種:自動車小売業

売上予測(1ヵ月)=256万円×3人=768万円

(4)設備が直接売上に結びつき、設備単位当りの生産能力がとらえやすい業種 (部品製造業、印刷業、運送業など)

<算式>設備の生産能力 × 設備数
[設例] 業種:部品(ボルト)加工業
施盤 2台
1台当たりの生産能力 1日(8時間稼働)当り500個
加工賃@50円 月25日稼働
売上予測(1ヵ月)=50円×500個×2台×25日=125万円

※ 1m²当たりの売上高や従業者1人当たりの売上高などについては、「小企業の経営指標」などで調べることができます。

Q6 収支計画のたて方を教えてください。
A

新たに事業を始めようとする方にとっては、「これから始める事業は、どれくらいの利益がでるのか」という点が、一番気にかかるところでしょう。創業後の収支の見込みを収支計画といいます。

予測にあたっては、「経営環境」「業界事情」「設備能力」「競合状況」「価格の推移」などについて総合的に検討してください。
下の表を参考に収支の見込を検討してみましょう。

創業後の見通し(月平均)

  創業当初 軌道に乗った後
売上高(1) 万円 万円
売上原価(2) 万円 万円
経費 人件費 万円 万円
家賃 万円 万円
支払利息 万円 万円
その他 万円 万円
合計(3) 万円 万円
利益(1)-(2)-(3) 万円 万円
Q7 返済計画のたて方を教えてください。
A

借入金の返済は利益からなされます。しかし、利益をすべて返済に充てることはできません。税金を払ったり、個人の場合は生活費などが必要です。
下の損益計算書をもとに、無理のない返済が可能か、生活のめどがたつか十分に検討してください。

創業後の見通し(月平均)

科目 内容・留意点等
売上高
(売上予測高)
あなたのたてた売上予測高を計上します。さまざまな角度から達成可能な売上高を予測してください。
売上原価
(仕入)
原価は一般的には「売上高×原価率」で求めます。
原価率は業種や商品などによって違いますが、業界平均値を基にあなたの考えている販売戦略などを加味し、原価を求めてください。



人件費  営業経費には、毎月決まった額の支払いが必要なものと売上高などに応じて金額が変わるものとがあります。
その他には、人件費、家賃、減価償却費を除いた一切の営業経費を具体的に算出します。
地代、家賃
減価償却費(1)
その他
営業利益 「売上高-(売上原価+営業経費)」で算出します。
営業外収入 受取利息、賃貸料収入など営業以外の収入です。
営業外費用 支払利息などの営業以外の費用です。
税引前利益 「営業利益+営業外収入-営業外費用」で算出します。
法人税等充当額 「税引前利益×50%」が目安です。この科目は法人の場合です。
当期利益(2) 「税引前利益-法人税充当額」で算出します。
Q8 事業計画書の作り方を教えてください。
A

思い描いた事業をいかにして実現していくかを表したものが事業計画書です。
事業計画書は、金融機関や事業の協力者への説明の際に必要となります。また、説明する必要がない場合であっても、自分の事業が本当に実現可能なのかを確認する意味で、事業計画書の作成は必要なのです。
何度か書き直すことによって、自分が本当にやりたいことや事業の成功の見込みなどがはっきりとしてきます。

1.全体の構想、事業イメージ
2.具体的な事業内容

提供する商品、サービス、技術またはそれらの提供方法にどのような特徴があるのか、そして対象とする顧客のニーズにいかにマッチしたものであるかを分かりやすく説明します。

「販売計画」(Q1)「仕入計画」(Q2)を参考にしてください。

3.創業時の資金計画

借入については、必ずしも希望どおりの資金調達ができるとは限りません。中古設備を購入した場合やリースを活用した場合など、いくつかのケースを想定しておくと、いざというときに慌てないですみます。

「資金計画」(Q3)を参考にしてください。

4.収支計画

創業当初の収支予測と軌道に乗った後の収支予測をたてましょう。

「売上予測」(Q5)「収支計画」(Q6)を参考にしてください。

ページの先頭へ