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移住創業事例

座談会 移住・創業を後押ししたつながり 座談会 移住・創業を後押ししたつながり

美しい志布志湾を望み、国の天然記念物に指定される日本在来馬の御崎馬が生息する
宮崎県串間市の都井岬。この岬では、夏はマンゴーや夏みかん、秋はぶどうなど
串間産の旬の果物をふんだんに使ったクレープを味わうことができます。
キッチンカーのクレープ店「GREEN FINGERS Botanical galette」を営む甲斐舞子さんは、
神奈川県から串間市に移住し、地域おこし協力隊として市の農業振興に携わってきました。
移住から創業までの日々を振り返り、
甲斐さんは「つながりの輪が自然と広がっていきました」と話します。
そのつながりの1つが、串間商工会議所、日本政策金融公庫、宮崎銀行との縁です。

座談会参加メンバー

MEMBER
  • 甲斐 舞子さん

    \ キッチンカー(クレープ店) /

    GREEN FINGERS Botanical galette

    店主

    甲斐 舞子 さん

    キッチンカー
  • 清水 裕一郎さん

    串間商工会議所 所長

    清水 裕一郎 さん

  • 新納 隆治さん

    宮崎銀行 串間支店 支店長

    新納 隆治 さん

  • 西村 拓海さん

    宮崎銀行 串間支店 支店長代理

    西村 拓海 さん

  • 齊藤 明洋さん

    日本政策金融公庫 宮崎支店

    齊藤 明洋 さん

※所属・役職は取材当時のものです

串間へ移住。
創業に向けて一歩踏み出す

甲斐

新婚旅行で九州を巡り、串間の波や自然を気に入ったサーフィン好きの夫から、「移住しようよ」と提案されました。当初は、移住に対して首を縦にふることはできませんでしたが、串間市が地域おこし協力隊を募集することを知り、私も興味が湧いて。

清水

私が甲斐さんと初めて会ったのは、串間商工会議所で開催した創業セミナーでしたよね?その頃は、協力隊として活動していた頃でしたね。

甲斐

はい。2020年1月、串間市に移住して、夫婦で地域おこし協力隊に着任しました。その後、協力隊として市役所の農業振興課に勤務し、農作物のPR支援の活動を担当していた頃です。

清水

協力隊は任期が3年ですから、退任後に創業するために創業セミナーに参加されたわけですね。

甲斐

そうです。串間で暮らしていくために創業を考えていました。

齊藤

私はその創業セミナーに、講師として登壇しました。参加者の方々に創業計画書の作り方や日本政策金融公庫の融資を受ける際の流れなどを説明して、皆さんから質問を受ける時間があるんですが、甲斐さんから積極的に質問を受けたことを鮮明に覚えています。

甲斐 舞子さん
清水 裕一郎さん
齊藤 明洋さん

甲斐

もう聞きたいことがたくさんあって(笑)。そのあとに、創業に向けて考えていた事業プランを作り、まずは清水さんに見ていただきました。

清水

事業プランをチェックする時は、創業の動機や事業のターゲット、中長期的な目標などのプランを確認しますが、甲斐さんのプランを拝見したときは、正直、直すところがないなと(笑)。しっかり、作り込まれていました。

甲斐

そう言ってもらえると嬉しいです。前職でアパレルや生活雑貨を販売する仕事に携わり、企画を練ったり、ターゲットの選定や数値目標の立て方などは得意な方でしたが、清水さんからのアドバイスを元に、ブラッシュアップしました。

齊藤

そのブラッシュアップされた事業プランを、私も拝見しましたが、もう完璧でしたね(笑)。

甲斐

その事業プランがキッチンカーのクレープ店「GREEN FINGERS Botanical galette」につながりました。串間産のおいしい果物や野菜を多くの人に味わってもらいたいと考えたプラン。それでも実現するにはキッチンカーが必要になるため、融資を受ける必要がありました。

齊藤

それで、キッチンカーの車両費や、事業の運転資金を見積もってもらい、日本政策金融公庫に融資のお申込みをいただきました。

甲斐

その節は、本当に助かりました。当時は、融資をしていただけるか心配でした。事業プランを実現できるか、資金調達は大きなハードルでしたから。

齊藤

融資にはさまざまな要件や条件がありますが、甲斐さんの場合は、地域おこし協力隊という経歴もあり、今後も地元の串間に貢献していきたいという強い気持ちを感じました。そのため、私たちとしてもぜひご支援したいという強い想いが生まれました。

ひとつの出会いが、
未来につながる大きな輪へ

齊藤

甲斐さんへの継続的な支援や、販路拡大などの支援になると考え、地元の金融機関である宮崎銀行串間支店のご担当者を甲斐さんに紹介させていただきました。

甲斐

心強かったですね。多面的にサポートしていただけて。宮崎銀行さんにも本当にお世話になっています。

新納

甲斐さんの事業プランは、販売計画や仕入れ原価、売上見込みなどがしっかり数字に落とし込まれていましたし、協力隊としてすでに地域に溶け込んでいましたから、この土地で創業されることに対しての心配もなかったですね。

西村

私も甲斐さんと面談をさせていただいて、ぜひご支援させていただきたいと思いました。

甲斐

融資金を日々の材料費や運転資金、万が一の資金などに充てることができ、助かっています。

清水

串間商工会議所としても、甲斐さんをはじめ移住創業された方々をご支援することは、地元の魅力を高めることになると考えています。たとえば、甲斐さんに串間産の特産物を使った商品を考案してもらうことができれば、新しい魅力になりますから。

甲斐

夫がピーマン農家なので、今後はピーマンを使った商品も考えたいと思っていました!

清水

それ、いいですね!

甲斐

愛情込めて育てても、規格外で出荷できないピーマンもあるので、なんとかしたいと思っていたんです。

新納 隆治さん
西村 拓海さん
甲斐 舞子さん

西村

甲斐さんのように県外から移住してきた人たちが、新しいモノを作ったり、新しいコトをはじめることで、それが1つのモデルケースになり、そこから、新しい波及効果が生まれていくと思います。地元の活性化になるため、引き続きしっかり支援を続けていきたいと思っています。

新納

同時に、さまざまな情報の提供も行っていきます。地元に根差した金融機関に集まった情報を移住創業される皆さまに共有することで、新しい可能性を広げてもらいたいと思っています。そのためにも、宮崎銀行は地域から信頼される「ファーストコールバンク」を目指して、今後も多様な課題解決に取り組んでいきます。

齊藤

日本政策金融公庫としても、今後も皆さまとの連携を大切にしたいと考えています。外部の専門家や専門機関の皆さんと密に連携することで、移住創業を考える皆さまへのご融資だけではなく、その後のフォローアップや販路拡大など継続的な本業支援につながりますから。

甲斐

私としても、いろいろな面で相談できることは大きな安心感になります。創業する上で、地元の協力は欠かせません。私の場合は、特別に何かを頑張ったわけではなく、地元の方と1人でもつながりができると、2人、3人と新しいつながりが生まれていきました。その輪が自然に広がり、今があります。これからも、皆さんよろしくお願いします。