背景

小企業は、持続的な経済発展の核となる重要な存在といえます。アジアを中心とした開発途上国の多くでは、貧困緩和、雇用創出、裾野産業振興などの観点から、小企業振興が重要政策に位置付けられており、小企業金融への関心も高まっています。しかし、そういった国々では、担保不足や財務資料の未整備、金融機関のノウハウ不足といった制約から、必ずしも小企業が金融にアクセスする環境が整っているとはいえません。近年、いわゆる「マイクロファイナンス」が多くの国に広まっていますが、小企業の多様な資金ニーズをすべて満たしているわけではありません。

参考資料 (PDF185KB)従来型SMEファイナンスと
マイクロファイナンスとの間に生じる「空白」

こうしたなか、小企業金融の促進と金融機関の能力強化を目指す開発途上国から、当公庫国民生活事業に対し、小企業金融の経験やノウハウを伝えてほしいという要望が寄せられるようになりました。当事業が、日本において、半世紀以上も小企業金融専門機関としての役割を担ってきたことが注目されたのです。

そこで2001年、当事業(当時は国民生活金融公庫)は、国際交流室(現 海外支援グループ)を設置し、ODA機関や国際機関と連携して、小企業向け融資審査手法などのノウハウを開発途上国に伝える国際交流活動に取り組んでいます。