資金面・情報面の両面から事業承継を支援する

現在の仕事内容

経営者の高齢化が進む中、小規模事業者が培ってきた技術・ノウハウ等の貴重な経営資源が円滑に引き継がれるよう、日本公庫では、情報面・資金面の両面から事業承継を支援しています。私が所属する部署は、後継者がいないことなどを理由に「事業を譲り渡したい」とお考えの方と、創業や新分野進出等を目的に「事業を譲り受けたい」とお考えの方をつなぐ、「事業承継マッチング支援」というサービスを運営しています。具体的には、お客さまに事業承継に関する希望を伺い、希望に合うお相手候補を紹介する、という支援を行っています。当サービスを通じて、お客さまに事業を「やめる」ではなく、「たくす」という選択肢があることを伝え、「鍛えた技や積み重ねたノウハウを次代につなぐ」役割を担っています。

やりがいを感じる時

後継者探しは、よく「お見合い」に例えられます。企業理念はぴったりでも、条件がまとまらないこともあれば、条件が良い候補を差し置いて、気が合う方を選ぶケースもあります。また、本業と並行して検討を進めるため、お二人の進めたいタイミングがずれてしまい、片方がやきもきして破談、ということもあります。それを「仲人」のような立場でサポートしていくわけですが、金融の知識だけでなく、友達や家族との付き合いのような対人関係、さらに言うと今まで経験した人生全てが、私らしいサポートにつながっていると感じます。だからこそ、うまくお話が進んでも、残念ながら破談となっても、「青山さんが担当でよかった」という言葉が身に染みますし、自分にできることを精一杯やりたい、と思います。

思い出に残るエピソード

入庫5年目のときに、資本性ローンの審査を担当したことです。資本性ローンは、期限一括償還、業績連動型金利といった特徴を持っているため、通常より精緻な審査が求められます。創業以来ずっと赤字の企業が、数年後に一括返済できる程成長するという事業計画の作成は簡単でなく、私自身の経験も浅かったため、周囲には無謀と映ったことでしょう。それでも、この会社は成長する、そのためにこの資金が必要だと思い、本部決裁に挑戦することを決めました。案の定、本部からは何度もりん議内容の確認や見直しを求められましたが、諦めずに一つずつ、その指摘を解消した結果、無事に融資の承認が下りました。お客さまに融資決定をお伝えした際にいただいた感謝の言葉は忘れられませんし、テレビや新聞などのメディアでそのお客さまが活躍しているニュースを目にすると今でも誇らしい気持ちになります。何か壁にぶつかった時はこの達成感を思い出し、何事も挑戦することを選ぶようにしています。

将来の夢

時代に合った新しい企画を考え、実現できる人材になりたいです。お客さまにどのようなサービスを提供するか、支店の職員にどのような活動をしてもらうかなど、グループメンバー全員で試行錯誤しながら仕事をしています。若手職員の意見がそのまま採用されるケースも多く、とても刺激的です。とは言っても、仕事の段取りや進め方など、大事な根幹部分を支えてくれる経験豊富な上司や先輩職員が助けてくれるからこそ、何とか仕事ができています。これから何十年と働いていくなかで、政策金融に求められる新しいトピックがまた出てくるはずです。その時、私たちの世代が引っ張っていく立場となれるよう、今は上司や先輩方から多くのことを学び、成長したいと思っています。

ある一日

6:00 起床
スロースタートなので、ゆっくり朝ごはんを食べて、音楽を聴きながら通勤し、徐々にエンジンをかけて出社します
8:50 出社
まずは当日のスケジュールを確認し、メールチェックを行います
10:00 お客さまとの打ち合わせ
新たにマッチング支援に登録されたお客さまに連絡し、後継者への希望を伺って報告書にまとめます
11:30 お客さまからのご相談
お相手候補との交渉がうまくいかないというお客さまからの話を伺いながら、解決の糸口を探ります
12:00 昼食
本店ビル近くのお店で同僚と韓国ドラマやアイドルの話をして、ランチを楽しみます
13:00 事務作業
全国152支店毎の活動状況を集計し、資料にまとめます
14:00 支店からの照会対応
支店からのデータ照会や資料作成依頼に対応します
15:00 グループでの打ち合わせ
事業承継支援施策を進めるため、支店の職員にどのような活動をしてもらうか、グループメンバーで話し合います
16:00 担当者との打ち合わせ
お客さま(譲渡側)に候補先(譲受側)の紹介を進めるにあたり、担当者と進め方を協議します
17:10 退社

Personal Message File

学生時代

大学時代はESSという英語サークルの活動に熱中し、運営役員を務めていました。主な仕事内容は、日々の練習の出席管理と他大学を招いたイベントの企画です。メンバーが多いサークルだったので、チームを動かすことの大変さを痛感しました。また、年に1度ある大きな大会での入賞をめざし、役員全員が泊まり込みで、時には泣きながら練習をしたことも良い思い出です。

周囲からみた自分

「明るい」「物怖じしない」「堂々としている」とよく言われます。小さいころから、クラスで積極的に手を挙げて発言するような子どもでしたので、私自身もそのとおりだと感じています。

好きな言葉

好きな言葉は「ポジティブ」です。仕事でもプライベートでもいろいろなことがありますが、どのような状況でも、見方を変えることで、少しはプラスの面が見えてきます。躓いたときこそ塞ぎこまずに、明るい気持ちでいたいと思っています。

休日の過ごし方

パンが好きなので、ベーカリー巡りを楽しんでいます。大学4年間はベーカリーでアルバイトをしていましたが、家で焼けるレベルにはならなかったので、食べる専門です。また、音楽も好きで、お気に入りのアーティストのライブに参戦したり、カラオケに行ったりして過ごしています。

日本公庫(国民生活事業)を選んだ理由

歯科商材の卸会社を経営していた祖父を、幼い頃から尊敬していました。会社にもよく遊びに行き、「社長ってすごい」と幼心ながら思っていたことを覚えています。就職活動にあたり、毎日顔を合わせるお客さまが経営者であれば、自分自身も成長できそうだと感じました。その中で日本公庫(国民生活事業)を選んだ理由は、国の政策を金融面から実現するという仕事が、カッコいいなと思ったからです。

日本公庫の第一印象と入庫後の印象

最初の会社説明会では、非常に堅い雰囲気を感じましたが、入庫後、支店に配属されてからは、(関西地方にある支店に配属されたこともあってか)冗談を言って笑わせてくれるようなユーモア溢れる先輩職員が多く、意外でした。それでも、「根は真面目」な、メリハリのある人が多いと感じます。

日本公庫の一番好きなところ

小規模事業者のセーフティネットとして、社会のために仕事をしていることを直接感じられるところです。コロナ禍では多忙な時期もありましたが、やりがいを持って乗り切ることができました。他の職員も同じような想いを持った人が多いように思います。

就職活動のエピソード

地元の九州に帰るか、全国規模の会社で働くか、最後まで決められないまま就職活動がスタートしました。「知らない土地への転勤がある会社でやっていけるかな?」と漠然とした不安がありました。そのような中で、日本公庫の懇親会に参加したときに、のちの同期たちと会い「このメンバーとなら一緒に楽しく仕事ができそうだ」と思ったことが、入庫の決め手になりました。勤務地は異なりますが、休みを合わせて旅行に行ったり、仕事の悩みを話したりするなど、今でも同期とは仲が良く、支えになっています。

就職活動をするみなさんへのメッセージ

私自身の経験を振り返ると、OB訪問や説明会、職員懇談会、懇親会など、できる限り多くの社員と会える場に足を運んでみることをオススメします。実際に社員の方々とお会いし、話をすることで、パンフレットだけでは分からない、社風や雰囲気が分かると思います。どんな会社に入っても、毎日仕事をすることは大変です。そのようなときは、目標にしたい人や支えになる人を見つけられそうか、という視点も大事かもしれません。限られた期間での就職活動は大変だと思いますが、最後まで頑張ってください。