日本公庫の使命は、融資の実行だけではなく、お客さまに寄り添い、ともに歩んでいくこと

現在の仕事内容

私が所属する保険企画部 保険調査グループでは、信用補完制度(信用保証制度と信用保険制度の総称)に関する国際関連業務を行っています。具体的には、①アジアにおいて情報交換や相互交流を図る国際会議の主催や参加に係る業務、②欧米を含む海外における信用補完制度に関する調査業務が挙げられます。2021年に日本公庫は全国信用保証協会連合会と共催で国際会議を主催しました。初の試みとなったオンライン開催での内容を共催機関や会議運営会社などと一緒に検討し、資料作成や日本公庫内外での調整、海外機関との連絡窓口などを担当しました。また、海外の信用補完制度調査では、欧米数か国のコロナ禍における信用補完制度の調査をシンクタンクと共同で実施しました。

やりがいを感じる時

信用補完制度は、2022年3月末時点で日本の中小企業の約44%にあたる158万先が利用しており、保険引受残高は約42兆円にも及びます。正直なところ、この数字の大きさに実感は持てませんが(一万円札にして積み上げるとフルマラソン並みの42kmになるそうです)、中小企業の資金繰りを支える重要な制度であることは間違いなく、その一端を担っていることについては、責任の大きさと面白さを感じています。また、海外の制度調査や国際会議での情報交換を通じて、さまざまな国や地域でもそれぞれの方法で信用補完制度を活用していることを知りました。日本の信用補完制度の完成度は非常に高く、世界で最大規模の残高を有していることを誇りに感じるとともに、この制度を築いてこられた先輩方に尊敬の念を抱いています。

思い出に残るエピソード

新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の拡大時の状況の深刻さと、日本公庫が果たすセーフティネット機能の重要性を肌で感じたことは、強く印象に残っています。新型コロナ拡大時は融資申込が急増し、それらに対応するため日本公庫は支店へ人的資源を集中させました。私も支店へかけつけお客さまのご相談に応じましたが、支店では、電話は鳴りやまず、融資申込は増え続けるという状況でした。しかし、このような経済危機において、使命感を持ち、機動的に中小企業の支援に取り組む職員の姿は、同じ職員ながら感銘を受けました。コロナ禍においてはセーフティネット機能の発揮という「政策」と中小企業者を政策金融機関の一員として繋いできましたが、今後は、多くの中小企業が直面する課題である抜本的な収益力改善に向けて、全力で取り組み、少しずつでも貢献していきたいと思います。

将来の夢

一言でいえば、より多くの中小企業の経営改善に貢献したいということです。日本公庫の主な業務は、融資や信用保険等を通じて中小企業の資金繰りを支援することであり、それがお客さまから第一に求められていることでもあります。これらは日本経済の根底を支える重要な業務です。それに加えて、資金繰り支援以外の分野においても実効性の高い支援策を提供できるよう、民間・公的問わずさまざまな分野で中小企業を支援している企業とともに、より大きな支援の輪をつくっていくことが目標です。その実現のために、日進月歩に発展する技術の把握、中小企業支援を行う企業との連携、地域とつながる活動など、学びの姿勢と日々の積み重ねを大切にしていきたいと思います。

ある一日

7:50 出社
時差出勤を選択しているため、1時間早く業務を開始します
8:00 メール、スケジュール確認
1日の動きの確認とタスクの洗い出しを行います
8:30 打合せ準備
国際会議の開催に向けて、打合せ時に確認すべき事項や質問項目の洗い出しを行います。また、上司や同僚と目線のすり合わせも行います
10:00 国際会議に関する打合せ
共催機関や会議運営会社と打合せ。会議用ウェブサイトの構成や掲載内容について検討しました
12:00 昼食
ほぼ毎日食堂でカレーを食べています
13:00 海外機関からの問合せへの対応
海外からの質問にメールで回答します。こちらから依頼する場合は電話をかけることもあります
13:30 海外の信用補完制度調査に関する打合せ
シンクタンクと打合せ。報告書の作成状況の確認、ドイツ及びフランスの信用保証機関への確認事項の整理をしました
15:00 資料作成
打合せ時に持ち帰った作業を行います
16:00 共催機関との連絡
国際会議の共催機関とこまめに作業進捗の情報交換をします
16:10 退社
時差出勤のため、1時間早く業務を終了します
17:00 プール
脂肪燃焼及び健康増進のため、プールで泳ぎます
19:00 夕食
家ではごはん担当です
21:00 就寝
良い仕事をするためには良質な睡眠が必要です。早く寝ることを心がけています

Personal Message File

学生時代

同好会のサッカー、居酒屋や塾講師などのアルバイトに多くの時間を費やしました。とても楽しく、組織の一員としての役割や責任を学んだ場所でもあります。一方、それらに熱中しすぎてしまったあまりに、必須科目の英語の単位を落としてしまい、大学に5年間通わせていただくことになりましたが、苦手意識克服のために経験した海外留学での学びは、今の仕事につながっていると思います。

好きな言葉

「あえて居心地の悪い環境に身を置く」
日本公庫の内部研修で講師をされていた管理職の方の言葉です。人間だれしも居心地が良い方が好きだと思いますが、成長のためにはある程度のストレスも必要です。今、少し辛いなと思ったらそれは成長している証。楽になってきたなと感じたら、新しい負荷をかける時だと思うようにしています。

休日の過ごし方

日本公庫のサッカー部で月に数回試合をしていることに加え、数年前からボランティアで小学生向けのサッカーコーチをしています。自身が育ったチームへの恩返しと思って始めたコーチでしたが、小学生と関わるなかでむしろ学ぶことの方が多く、例えば、相手が理解できる言葉で伝えることや、モチベーションを向上させるコーチングなど、時には恥ずかしさを捨てて演じながら、奮闘しつつも楽しんでいます。

日本公庫(中小企業事業)を選んだ理由

日本公庫は、政策金融を通じて重点支援が必要な中小企業の手助けができる企業だと思ったからです。特に事業再生分野や成長分野等への支援は、長期的な目線での支援が必要となるため、政策金融機関だからこそ積極的に取り組める業務だと感じました。また、多くの従業員を抱え、大きな困難を乗り越えてきた経営者と話ができる機会があることも大きな魅力でした。

日本公庫の第一印象と入庫後の印象

入庫前は、あまり目立ちはしないが日本の経済を根底から支えている会社なのだろうというやや漠然とした印象でした。入庫後は、中小企業支援の現場において日本公庫という看板が非常に大きいことを実感するとともに、それに負けないくらいの中小企業支援に関する知識・経験・実行力がなければならないと身が引き締まる思いになりました。

日本公庫の一番好きなところ

職員を大切に育てる会社であるところです。入庫後、各キャリアステージにおいてさまざまな研修プログラムが提供されることに加え、興味のある分野の研修にも自主的に参加することができます。また、自己研鑽に対しても手厚い支援があり、例えば、中小企業診断士に関する通信教育は一定額まで100%補助されるなど、頑張る人を応援してくれる会社です。

就職活動のエピソード

金融業界を志望していましたが、さまざまな業種の企業説明会や選考に参加しました。会場で聞いた業界や企業の話はどれも新鮮で、この会社の魅力は何だろうか?どのようなビジネスモデルだろうか?と、ワクワクしたことを覚えています。入庫後、担当企業の取引先が就職活動時に調べた企業であるケースもあり、世間のつながりを感じるとともにその企業・業界のビジネスの理解が一層深まりました。

就職活動をするみなさんへのメッセージ

就職活動中には、「やりたいことが見つからない」「自分の強みって何だろう」などと迷うこともあるかもしれません。でも、多くの社会人も同様の悩みを抱えています。明確な目標を持って働くことは素晴らしいことですが、必ずしもそうでなければいけないわけではありません。大切なことは、悩みにしっかり向き合うこと、目の前の課題に全力で取り組むこと、そして、自分の言葉で伝えることだと思います。