業種別の創業ポイント集

Vol.6 パン製造小売業の創業のポイント

Vol.6

パン製造小売業の
創業のポイント

1.業種の概要

今回は、パン製造小売業の創業に関してポイントを解説します。
パン製造小売業とは、一般に「パン屋さん」「ベーカリーショップ」といわれる業態のことです。

【事業所数は増減を繰り返す】
パン製造小売業の事業所数の推移(統計がある年)をみると、1985年以降増加と減少の波がみられます(図表-1)。

パン製造小売業の事業所数推移

図表-1 パン製造小売業の事業所数推移

図表-1 パン製造小売業の事業所数推移
資料:「経済産業省 経済センサス‐活動調査」を基に著者作成
※法人事業所のみ
※調査データが存在する年のみを表示しています。

【パンの購入量は比較的安定】
1世帯当たりのパンの購入量をみると、若干の増減はあるものの、比較的安定して推移しています(図表-2)。
パンは、家庭での朝食やおやつのほか職場でのランチ、レストランなどで親しまれており、今後も安定した需要が期待できるといえます。

パンの購入数量の推移

パン めん類
購入数量 前年(同月)比 購入数量 前年(同月)比 購入数量 前年(同月)比
令和元年 62,200 94.6% 46,011 103.3% 33,169 97.9%
2年 64,530 103.7% 45,857 99.7% 38,021 114.6%
3年 60,800 94.2% 44,345 96.7% 36,208 95.2%
4年 57,380 94.4% 43,571 98.3% 35,557 98.2%
5年 56,650 98.7% 42,680 98.0% 33,345 93.8%
令和6年1月 3,520 94.6% 3,502 103.9% 2,773 99.2%
2月 3,920 96.6% 3,546 101.2% 2,555 100.0%
3月 4,490 105.6% 3,894 104.0% 2,721 99.6%
4月 4,380 97.1% 3,814 101.4% 2,515 94.1%
5月 4,870 109.4% 3,685 99.7% 2,678 97.7%
6月 4,640 109.7% 3,511 96.9% 2,852 103.7%
7月 4,370 99.5% 3,460 102.3% 2,965 93.4%
8月 5,730 129.1% 3,547 103.8% 3,136 104.6%
9月 6,350 104.8% 3,340 94.9% 2,557 107.0%
10月 7,650 113.3% 3,381 95.3% 2,585 97.7%
11月 5,110 113.8% 3,471 100.8% 2,658 100.2%

※横スクロールできます。 図表-2 パンの購入数量の推移
資料:総務省「家計調査」家計収支編 二人以上の世帯
出所:農林水産省発表資料
注1:米は精米ベースである。

【原材料費の高騰や人材確保が課題】
パンの主な原材料である小麦は、自給率が令和3年度で17%(農林水産省「食料需給表」)と大半が海外からの輸入に頼っています。
海外産の小麦は、円安や国際情勢の影響を受けて価格が高騰しています。小麦以外の原材料(油脂やパンに混ぜる食材など)も同様です。
しかし、パンは消費者が価格に敏感な食品であるため、原材料費が高騰しているからといって価格転嫁するのが容易ではありません。
また、他の業種業態と同様に、人材確保が大きな課題となっています。
「ケーキ屋・パン屋」は、小学校に入学する子供に対するアンケートでは1位になるほど人気の職業ですが、パン製造小売業の店舗では人材確保に苦労しているのが実態です。

2.必要な許認可等

パン製造小売業を開業するためには、以下の許認可等が必要です。

(1)菓子製造業許可

パン製造小売業を行うには、食品衛生法に基づく菓子製造許可を取得する必要があります。店舗をもたずネット通販する場合でも必要となります。
令和3年の改正施行により、以前は許可の範囲外であったサンドイッチなど調理パンも菓子製造業で製造・販売できるようになりました。

(2)飲食店許可

パン製造販売だけではなく、カフェを併設する場合は、飲食店の営業許可も必要です。店内に「イートインスペース」を設置する場合は、提供方法等によっては飲食店許可が不要になることもあるようですが、詳細は管轄の保健所に確認しましょう。

(3)特定商取引法・食品表示法への対応

通信販売(インターネット通販等)を行う場合は「特定商取引法」の対象となるので、適切に対応する必要があります。
また、食品表示は、パッケージされた加工食品を販売する場合に必要です。パンを包装して販売する場合は食品表示法に基づいたラベルの貼付が義務付けられます。
いずれも、消費者庁のサイトで詳細を確認して対応しましょう。

3.商品・サービスとセールスポイント

(1)3種類の業態

パン製造小売業には、パンの製造方法によって主に次の3種類の業態があります。

①オールスクラッチ製法

オールスクラッチ製法は「スクラッチ」つまり「最初から」という意味があります。 この製法では、パンを原材料からすべて手作業で作ります。小麦粉、水、イーストなどの基本的な材料を使用し、ミキシング、発酵、形成、焼成の各工程を全て職人が行います。

②ベイクオフ製法

工場で製造したパン生地を冷凍保存して店舗に配送し、店内で成型、焼き上げを行います。冷凍生地を使用することによって、長時間かかるパン生地の仕込み作業を短縮できます。
全国展開しているチェーンのベーカリーの多くで採用されています。

③QBD製法

QBD製法(Quick Bake and Delivery)は、成形済みのパン生地を仕入れ、店内では焼き上げのみを行う方法です。
効率的に大量のパンを製造するのに適しており、店舗では面積や設備を抑えられるためチェーン店向きの製造方法です。

パン職人として経験を積んだ方の場合、培った自らの技術を生かしたオリジナルのパンを提供できるので、オールスクラッチ製法の店舗を創業する場合が多いです。
しかしこの場合、一から全てを自分たちで作るので、労力がかかり長時間労働になりがちというデメリットがあります。
効率化を求めるなら、生地を提供している企業と提携するベイクオフ製法による店舗も選択肢の一つといえます。

(2)店舗物件選びが重要

パン製造小売業は、競合が非常に激しい業種といえます。
同業種だけではなく、スーパー、コンビニ、デパ地下の店など、異業種との競合が発生します。
パン製造小売業が、事業を安定して継続させるために重要なことの一つは、地域密着で固定客を確保することです。飲食店などと同様に、店舗の立地条件が重要なポイントになります。
「自分が好きなこの街に店を構えたい」と場所ありきで探す方がいますが、必ずしもいい立地ではないケースがあります。需要に対して競合が多いため、努力しても集客がうまくいかないこともありえるのです。
そのため物件を探す際は、先入観にとらわれず広域にエリアを探し、予定地周辺の市場調査を冷静かつ綿密に行いましょう。

【物件調査のポイント】
店舗物件の調査を行う際は、以下のようなポイントに着眼しましょう。
立地条件に加えて、広さや家賃など物件そのものの評価も重要です。
候補物件それぞれについて、各項目の調査結果を記入した表を作成すると判断しやすくなります。

①商圏内の客層

店舗の商圏は、駅が近い立地か郊外型かなど、立地によって異なります。
駅に近い立地で徒歩圏内であれば半径500mほど、自転車を利用する方が多い場所は1km、車主体の地域であれば2kmくらいを目途に考えましょう。
商圏内の人口、世帯数、年齢層など、ターゲットとする客層のボリュームについて、自治体が公表している統計などで調べます。

②商圏内世帯のパンの消費金額

商圏内の世帯数がわかれば、総務省統計局の「家計調査」を調べることによって、パンの年間消費金額について総規模や増減の傾向を知ることができます。都道府県や市ごとの調査もありますので、パンの消費が多い地域かどうかもわかります。
ちなみに、2人以上の世帯では、パンの年間消費金額の全国平均は32,575円となっています(2021年~2023年平均)。

③最寄り駅の乗降客数の状況

駅が近い物件であれば、乗降客が顧客となる可能性が高まります。駅の乗降客数の推移や、時間帯による増減などを調べることで、パンの焼き上がり時間など効果的な施策を検討する材料になります。

④周辺の人が集まる施設の有無

役所、大きな企業、学校などは、顧客となる可能性のある人が集まります。どこにどのような施設があるかをチェックしましょう。

⑤競合の状況

競合は、同業種だけではなくコンビニ、スーパー、デパ地下の店などが調査の対象です。商品の特徴や価格、売れ筋商品、接客の特徴、来店客数などを観察し、自店の品ぞろえや接客に生かしましょう。

⑥物件前の人通り

パン製造小売業にとっての好立地は、いうまでもなく人通りが多いところです。
乗降客数が多い駅や大きい商業施設などに通じる道など、客導線となるような物件が望ましいといえます。
物件前について、時間帯ごとにどんな属性(年齢や通勤者、主婦層など)が何名くらい通行しているか調べることが重要です。手間のかかる面倒な調査だと思うかもしれませんが、必ず行いましょう。

⑦物件の視認性

パン製造小売業の店舗として、通行人や車などから視認性が高い物件かどうか、チェックしましょう。人通りが多くても、目立ちにくい物件もあります。
ディスプレイや看板を設置することで、お客様を誘導できる物件であることが必要です。

⑧建物の入りやすさ・駐車場の有無

お客様が入りやすい店舗にできるか、要チェックです。狭すぎるとか建物が老朽化しているなどで、清潔感ある店舗がつくれないと、敬遠されることがありえます。
郊外型の店舗であれば、駐車場や駐輪場の有無も重要な要素です。

⑨周辺からのクレームリスク

パン製造小売業の店舗は、パンの匂いが漂います。多数のお客様が来店することもあり、それらが原因で、周辺住民からクレームが出ることもゼロとはいえません。
不動産屋さんなどによくヒアリングして、クレームリスクの有無を把握しておきましょう。

⑩物件の内容や家賃など概要

いい立地で広い物件であれば、家賃や敷金・保証金が高額になります。また、スケルトンか居抜きかで、初期投資の金額が変わります。
いうまでもなく、水回り、配管、換気、思い描く内外装にできるか、といった点も要チェックです。
好立地の物件が理想的ですが、採算を考慮すると初期投資は抑える発想が不可欠です。

4.店舗コンセプトとマーケティング

(1)独自アイデアを込めて魅力ある店に

同じ「ベーカリーショップ」と呼ばれる店でも、コンセプトは店によってさまざまです。店主のこだわりや得意分野を反映したユニークなコンセプトを打ち出すことで、独自性と競合優位性がある店舗をつくれる可能性があります。
たとえば以下のような商品を組み合わせることで、独自性が際立つ店ができるでしょう。
ご自身のこだわりを反映させた魅力ある店舗を考えてください。

  • 地元食材を使用したパン:地元で取れた素材を使ったパン
  • 全粒粉パン:健康志向の全粒粉パン専門店
  • カスタムオーダーパン:顧客の要望に応じてカスタムメイドのパンを提供
  • フィットネスパン:スポーツマン向けの高蛋白低カロリーパン
  • 天然酵母パン:天然酵母を使った伝統的なパン
  • アートデザインパン:見た目が美しいアートのようなパン
  • キッズパン:小さな子供向けのヘルシーでかわいいパン
  • 伝統的和風パン:和菓子のような味わいのパン

(2)創業前から実践すべきマーケティングとは

パン製造小売業を開業して、順調にお客様を集めるためには、創業前からマーケティング活動に取り組むことをお勧めします。
マーケティングの定義は諸説ありますが、ここでは「商品を繰り返し購入してくださるお客様を増やすための活動」として解説します。
パン製造小売業の場合、マーケティングの古典的フレームワークである「マーケティングの4P」で検討すると分かりやすいといえます。
マーケティングの4Pとは、「Product(商品)」、「Price(価格)」、「Place(流通)」、「Promotion(プロモーション)」を組み合わせた戦略を検討する方法です。
図表-3をご覧いただくとイメージできると思います。

マーケティングの4P

【Product】

  • 商品の特徴
  • ブランド
  • 接客サービス
  • パッケージング
  • アフターサービス
  • 品質
  • デザイン

【Price】

  • 定価
  • 割引価格
  • キャンペーン価格
  • 支払方法

【Place】

  • 流通経路
  • 販売チャネル
  • 店舗立地
  • ターゲット市場

【Promotion】

  • 販売促進
  • 広告宣伝
  • 人的販売(営業)

【Promotionの例】

  • チラシ配布
  • 店舗ディスプレイ・看板
  • ホームページ
  • SEO・MEO対策
  • グルメサイト活用
  • ダイレクトメール
  • SNSによる情報発信
  • コンテンツマーケティング

図表-3 マーケティングの4P

【効果的なマーケティング戦略】
それでは、パン製造小売業において実際に効果がみられた戦略の例を、マーケティングの4Pに基づいてご紹介します。
これらを参考にして、創業前からマーケティング戦略を練っていきましょう。

①Product(商品)

  • 安心安全な食材を使用
    健康意識の高まりに合わせて、国産小麦、トランス脂肪酸不使用、有機栽培の食材などを使用していることをアピールします。
  • 店主セレクトセット
    店主やスタッフがお勧めのパンを選んで詰め合わせたセットを提供することで、お客様が多種類の商品を試すことができます。
  • ランチャブルズセット
    ランチャブルズとは、アメリカの子供向けのランチ商品で、ミニサイズのピザやホットドッグの生地に、ソースなどをつけて食べられるものです。
    同様に、大人向けにランチとして気軽に食べられる調理パンなどのセットを提供する方法が考えられます。また、イートインスペースを設置すれば、ランチ需要に対応することができます。

②Price(価格)

  • 割安感のある定番商品と高価格の限定商品
    食パン、フランスパン、ロールパンなど、日常的に購入するパンは割安感のある価格にして集客を狙います。一方で、地元の旬の食材を使ったものなど季節限定の商品は高価格に設定するといった、メリハリを利かせた価格戦略です。
  • ワケあり詰め合わせセットの販売
    色づきが悪いものや形が崩れたものなど、ワケあり商品を含めたセットを割安価格で提供することで、廃棄ロスを減らします。
  • ご褒美需要向けのプチ高額パン
    自分へのご褒美的に購入するお客様をターゲットにした商品です。「ケーキは高いので手を出しにくいけどパンなら気軽に買える」といった消費者は少なくありません。
    ペストリー系パン(パイやデニッシュなど)など甘い商品を、やや高価格で陳列することで、食パンを買いに来たお客様がついでに買ってくださることがあります。

③Place(流通)

  • 地元密着の店
    店舗にごく近い住民をターゲットにして、地域で愛される小さなパン屋さんとして活路を見出している店があります。柔らかめのパンを品揃えすれば、高齢者のお客様も来店しやすくなります。
  • ネット通販
    昨今は急速冷凍の技術が発達しているので、パンを焼きたての味を損なわず冷凍し、全国向けにネット販売を行うことが可能です。
  • レストランなどへの卸売
    店舗販売だけではなく、フレンチレストランなどパンを提供している飲食店に販売することで、売上を伸ばしている事例があります。

④Promotion(プロモーション)

  • 「五感と心理」を刺激する店づくり
    お客様の五感と心理を意識した店づくりを行いましょう。
    五感を刺激する方法を例示すると、①焼きたてパンのいい香りが通りへ適度に出るようにする、②ショーケースなど店舗内の様子が見えるようにする、③それぞれの商品の魅力を高めるPOPの設置、などが有効です。
    またお客様の心理を想定して、プロモーションを行いましょう。
    たとえば「毎日食べても安心で飽きない食パンが欲しい」「子供のおやつ用のかわいいパンが欲しい」「パンに合うコーヒーや紅茶があれば一緒に買いたい」といった、お客様が求めていることを想像して、店舗づくりやホームページに反映しましょう。
  • 常に魅力を発信する
    パン製造小売業が安定的に繁盛するためには「あのパン屋さんはこれがおいしい」といった定期的に買いたくなる定番商品が必要です。
    しかし、いつも同じような雰囲気でマンネリ化した店だと、飽きられてしまうリスクがあります。
    多くのリピート客を確保するためには、常にお店の魅力を発信する工夫と行動が不可欠です。
    品揃え、ディスプレイや看板、チラシやホームページなどを工夫して、お客様が新たな魅力を発見できるようにし続けることが重要です。
  • SNSによる情報発信
    他の店舗ビジネスと同様に、創業前からInstagram、X、YouTubeなどSNSによる情報発信を行うことが有効です。「1年後にベーカリーショップを開業予定です」として、パンに関する情報や準備の状況を投稿します。
    SNSは成果が出るまでに相当な期間がかかります。効果が出ないからとすぐにやめる人も多いですが、続けるうちに花開くことがあります。フォロワーがたくさんいれば、開業後に新商品などを効果的に告知することもできます。
    また、金融機関が創業融資の審査を行う際も、SNSのフォロワーが多ければ「独自の強みがある」と評価しやすくなるはずです。
    SNSは、お店にとって大切な資産となります。ぜひ、創業を決意した瞬間から取り組んでください。

5.人材確保・資金計画・収支計画

(1)人材確保

「ケーキ屋・パン屋」は、子供が将来なりたい職業の上位にありますが、他の多くの業種と同様に、人材確保は容易ではありません。
ハローワークや求人媒体を利用して募集し応募があっても、短期間で辞めてしまうことも珍しくないのが実態です。「手に職をつけて将来店を持ちたい」という人材は頑張ってくれますが、ごく少数です。
昔のような早朝勤務や長時間労働を強いられる店では、とくに若い人は敬遠します。
しかし、店の魅力を高め、楽しく仕事ができてスキルアップが図れる職場であることを、継続的にアピールすることで、いい人材の確保につながります。

そのためにも、創業前からSNSを活用して、情報発信を実施しましょう。

(2)資金計画

パン製造小売業を開業するには、筆者の経験上、立地条件や物件により幅がありますが1,000万円~3,000万円ほどかかります。
物件取得費用や内外装工事は、家賃、広さ、スケルトンか居抜きかなどによって大きく異なります。
また、瞬間冷凍庫など高額設備を導入すると、生産性は高まりますが、初期投資が高額になります。
開業時には次のような資金が必要です。

①設備資金

  • 物件取得費(敷金・保証金など)
  • 内外装工事費
  • 厨房機器(発酵機、オーブン、冷凍・冷蔵庫など)
  • レジ機器関連
  • 商品陳列台など什器備品
  • ネットショップ構築初期費用

②運転資金

  • 原材料仕入資金
  • 人材採用費・人件費
  • 賃借料
  • 水道光熱費
  • 消耗品費
  • 広告宣伝費

(3)収支計画

収支計画の例は、図表-4のとおりです。
売上については、客単価は予測しやすいですが、客数の予測が容易ではありません。綿密な市場調査を行い、可能な限り根拠ある予測をする必要があります。
また原価率については、昨今の食材高騰を加味し、商品ごとに原価計算をしておくことが重要です。

科目 金額(円) 算出根拠等
売上高 2,800,000 【実店舗】客単価800円×120名/1日×25日=2,400,000
【ネットショップ】客単価2,000円×200名/月=400,000
売上原価 1,064,000 原価率38%(勤務時代の経験から)
売上総利益 1,736,000 (売上高)-(売上原価)
販売費及び一般管理費 1,049,200 家賃~その他の合計
家賃 180,000
人件費 450,000 社員1人 月額25万円
パート・アルバイト5名 月額合計20万円
水道光熱費 200,000
広告宣伝費 50,000 グルメサイト掲載料等
荷造運賃 50,000 ネットショップにかかるもの
支払利息 19,200 借入1,000万×利率2.3%÷12か月
その他 100,000 リース料・支払手数料・会費等
経常利益 686,800 店主給料・借入元金支払・税金等がまかなえるか検討

※横スクロールできます。 図表-4 収支計画の例

6.さいごに

パンは、私たちにとって身近で、生活に欠かせない食べ物となっています。
食パンなどの定番商品から菓子パンや調理パンなど多種多様なパンが、多くの人から親しまれています。パン製造小売業は、生活に密着した事業です。
しかし、比較的参入障壁が低いことから、競合が激化している業種でもあります。
本稿を参考にしていただき、ご自身の経験とこだわりが生きた、お客様から長く愛されるお店を開業されるように祈念しています。

掲載日 令和7年2月10日

プロフィール

上野 光夫 上野 光夫

中小企業診断士・大正大学招聘教授。
九州大学を卒業後、日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)に26年間勤務し、主に中小企業への融資審査の業務に携わる。約3万社の中小企業と約5,000名の起業家への融資を担当した。
2011年にコンサルタントとして独立。起業支援、財務コンサルティングを行うほか、講演、執筆などの活動を行っている。
主な著書に『事業計画書は1枚にまとめなさい』(ダイヤモンド社)がある。
日本最大級の起業家支援プラットフォーム「DREAM GATE」において、アドバイザーランキング「資金調達部門」で8年連続して第1位を獲得。

会社HP:https://mmconsulting.jp/
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@mkeiei

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