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企画・小売・メディア運営 株式会社 ウツワ[東京都中野区]代表取締役 稲勝 栞さん 人間って、コンプレックスを克服できなくても、向き合い方を変えたら人生は変わると思う先輩創業者の創業事例 若者創業事例 女性向けアパレル
企画・小売・メディア運営 株式会社 ウツワ[東京都中野区]代表取締役 稲勝 栞さん 人間って、コンプレックスを克服できなくても、向き合い方を変えたら人生は変わると思う

会社作りとは、自分のDNAを残すようなもの
「いい仕組み」を作ったら、人も自分も幸せにできる。
「ロリータ服を着たい」という気持ちから始まった稲勝さんの事業。下着やロリータ系ワンピースのデザイナーとしての名前は「ハヤカワ五味」である。超多忙な美大4年生起業家が、卒業の先に目指すものとは?

POINT1 きっかけ

好きなロリータ服をどう手に入れるか?

 ブランドのひとつに胸の小さい女性向けのブラジャーブランド『feast』がある。ワイヤーやパッドで体型矯正するのではなく、フリルなどで胸元を飾り、コンプレックスのある女性の体と心を包む下着としてヒットした。
 稲勝栞代表のものづくり・販売のノウハウは、ロリータ服にハマったことで培われたものだ。
「服を買いたくてもお小遣いが足りない。そこでオークションサイトやフリマサイトをめっちゃ研究して、同じ商品でも両サイトでは値段が違うことに気づきました。その差は何?
どうしたら売れる?などと考えて売り買いしていました。それが人生初のビジネスの疑似体験でした」
 ロリータ服は高額なので、小物でオリジナリティを出そうとした。そこでタイツにプリントを施してブログで紹介すると、すぐに売れた。利益を考えずにミニマムロットの30足を1枚1500円で原価販売。制作費の5万5000円はお年玉をあてた。しかし35足のニーズがあると、制作費が足りない。そこで「ちゃんと利益を出さないと、顧客のニーズに応えられない」と悟った。

高校時代、ロリータ服を何枚も買えないので小物で変化を出そうと作ったのが「キリトリ線ストッキング」(写真上)。今はいくつかのワンピースブランドを持っているが、赤いワンピースはその第一号である。

POINT2 創業

1千万円を売り上げたとき法人化しない理由がなかった

 大学生になって時間の余裕ができたので本格的に事業を開始する。『feast』の販売で1千万円の売り上げが立ったときに、尊敬するメンターから「法人化しない理由を述べよ」と言われたのがきっかけで法人化。
「美大生としては、事業ではなくてものづくりをやりたかったんです。でも税金面で法人化しない理由も見当らず、ダメならやめればいいくらいの軽い気持ちでした」
 そのときにメンターから聞いた日本公庫の融資を受ける。「学生が下着を扱う事業は軽く受け止められると思っていたけれど、それは偏見だったな」という印象だった。

ハヤカワ五味各ブランドにはそれぞれの物語がある。

POINT3 今後の展開

結婚・出産から逆算して5年以内に
年商5億円到達が目標

 経営者として社員2人にアルバイトスタッフも抱えている。通販サイトを運営し、来年は店舗も構える予定である。また、大学生として学業に励む傍ら広告系の企業でインターンシップもしている。さらにタレントとして情報発信する仕事もあり、経営者・大学生・インターンシップ生・そしてタレントの4足のわらじを履いている状況だ。
「忙しいけれど、常に課題があって、今日もめっちゃ頑張ったと思って5秒で眠りにつける状況が嬉しいんです」
 22歳の今の目標は、5年後となる27歳までに年商5億円到達。結婚・出産など、個人のライフイベントや更なる挑戦のために今から準備をすすめているという。

下着ブランド『feast』の打ち合わせ。「肌に触れる部分をもう少し優しく」と指示を出す稲勝さん。

創業を目指す人へのメッセージ

目指すのは、仕事ができて「忙しい」と言わない人

 会社とは、自分のDNAを後世に残すようなものだと思います。出産はまさにそれですが、会社で言えばいい仕組みを残すこと。仕組みがちゃんとしていたら、効率的に仕事が進みます。「忙しい」が口癖の人は、仕事ができない人だと思っています。だからこそ、私はいったん足を止めてでもタスクリストを作って、いい仕事ができるいい仕組みを常に考えています。「仕事ができて時間に余裕がある人」でありたいですね。

稲勝栞さんの自分史

  • 0歳 東京都墨田区に生まれる。
  • 10歳 控えめだった小学校時代。しかし、小5のときに、友だちがいじめられたのを見てブチ切れ、周囲を驚かせた。「それから何かが吹っ切れました。自分の人生を自分で考えて、ちゃんと自己主張しようと思ったんです」。
  • 14歳 ロリータ服にハマる。同じ頃、親に薦められてオーストラリアのホームステイに参加する。「私以外は全員帰国生。嫌々参加したけれど、そこで学んだのは『人生って案外、何とかなるもんだな』でした」。
  • 16歳 美大進学のための予備校に通い、予備校講師に「ロリータ服を予備校に着てくればいい」と認められる。「初めて人に認められて、普段でも着るようになりました」。
  • 18歳 多摩美術大学入学。1年生の7月に本格的に事業開始。
  • 19歳 株式会社 ウツワを法人化。

デザイナー名を「ハヤカワ五味」とした理由は?

プリントタイツを販売したとき、2ちゃんねるで「ゴミを量産するな!」と批判されて。「五味」という名前なら、叩かれても傷つかないと思いました。「ハヤカワ」は、山川という友だちに薦められてつけました。

現在、目の前にある課題は?

経理や財務について知らないことが多いので勉強しています。財務三表を理解して、他企業を参考にしたり、自分の事業計画を見直せるようになりたい。

稲勝 栞さん写真 稲勝 栞さん いなかつ しおり

企業名の「ウツワ」は、「自分たちが頑張ったモノを入れる器」を意味する。ブランドのひとつ、『feast』はコンプレックスを抱える女性のための下着ブランドでもあり、「いろいろなボーダーを受け入れる器」でもある。企業理念は「人をデザインする」。

Campany info

株式会社 ウツワ
所在地:東京都中野区
創業年月:2015年1月
事業内容:女性向けアパレル企画
URL:http://utw.co.jp/

※内容は2017年10月時点のものです。

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