先輩創業者の創業事例 若者創業事例 IQを高めるそろばん教室
佳日そろばん教室[東京都杉並区]代表取締役 髙橋 佳朗さん 「起業家はお金を貯めるのではなく、調達する」を実践したい先輩創業者の創業事例 若者創業事例 IQを高めるそろばん教室
佳日そろばん教室[東京都杉並区]代表取締役 髙橋 佳朗さん 「起業家はお金を貯めるのではなく、調達する」を実践したい

公私の別なく、面白いと思ったことを仕事に。
ひとつのことをやり切ると、他の世界も見えてくる。
会社員として過ごした2年間を「サラリーマン文化を学んだ期間」と言う髙橋さん。「サラリーマンを経験し、いろいろなことを学んだからこそ早く創業できた」と振り返る、26歳の起業家マインドとは?

POINT1 きっかけ

創業の決断を早めてくれた
サラリーマンの経験

「世界を変えたい」。それが髙橋さんの創業の原動力である。「これからはプログラミングの技能が必要な世の中が来る」と高専で学び、さらに世界に影響を与えるためには語学が必要と、上智大学の外国語学部に進学する。国内大手通信会社に就職したのは、「その会社の著名な創業者に近づきたいと思ったから」。そこで「与えられた課題にがむしゃらに取り組む」サラリーマン文化を学び2年間で区切りをつける。
 そのとき脳裏に浮かんだビジネスが、子どもの頃から親しみ、日本一にもなったそろばんの教室である。

「そろばん教室は、ある程度の収益を見込めて、自分が自信を持って提供できるサービス。教育を自分のビジネスの軸にしたいという思いもありました」

 そろばんのメリットは短時間で正確な情報処理ができること。たとえIT化が進んでも、使う人間の情報処理能力がないと、うまく使い切れないのだと髙橋さんは分析する。

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初期投資に占める割合が、一番大きかったのは看板制作だった。生徒集めは「Web広告よりも、しっかりとしたホームページ×ビラ配りの方が圧倒的にコスパがいいことに気づきました」

POINT2 創業

融資で乗り切った敷金礼金

 創業に向けて、具体的に動き出したのは2016年の夏。異業種交流会に参加して、情報収集からスタートした。「お盆なら忙しい人でも会ってくれるだろう」と考え、知り合いの社長にアポを取ってアドバイスを求めつつ、ビジネスプランを練り上げた。秋には無料相談セミナーに参加して、自治体の融資も検討したが、日本公庫の融資を受けることになる。

「不動産屋には、12月に敷金礼金を払ってくれと言われたのですが、11月の時点で自治体の融資では間に合わないことがわかりました。すでに会社には辞めると言ってしまったし、給料もなくなるわけで、開業資金が間に合わないかも…と不安になりましたが、日本公庫がスピーディに融資してくれたので、資金をつなぐことができました」

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大学生活の中心だった陸上競技。
自己ベストは100m10秒83。

POINT3 今後の展開

IQを高め、AIに負けない頭脳を育てる

 そろばん教室は週3日。その他、出張教室や個人指導も行う。今後は教室として借りている一戸建てを、小中学生の学習室として貸し出すなどの活用も考えている。
 さらにそろばん教室を進化させて、IQを高めるビジネスにつなげたいという。
「たとえば僕が計算するときには、そろばんの玉を思い浮かべて行います。フラッシュ暗算や速読も、数字や文字を映像や絵として記憶するからできること。たとえ天才でなくても修練すればできます。この方法であれば、英語を効率的に学ぶこともできます。今後はIQを高めるビジネスにシフトして、AIにも負けない頭脳を育てていきたいと考えています」

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創業を目指す人へのメッセージ

事業の利益とは人を幸せにした対価である

 会社を登記して維持するには年間7万円もあればいい。つまり社長の肩書が欲しいなら7万円で買えるということ。理不尽なことでも我慢してお給料をもらうのではなく、誰かを幸せにした対価として利益を得るというのが起業家の考え方。起業家とは、自分の軸を持って人を幸せにするメソッドを生み出すことのできる人です。

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髙橋佳朗さんの自分史

  • 0歳 宮城県に生まれる。
  • 7歳 そろばんを始める。小学3年、県大会で優勝する。
  • 10歳 千葉県に引っ越し、名門珠算塾に入門。小学4年で初段を取得していたが、同年代の8段、9段取得者に出会い、上には上がいると知る。
  • 15歳 そろばん日本一に。
  • 19歳 5年制の工業高等専門学校・情報工学科を辞める。高専時代は合唱と演劇に熱中し、映画にも出演していたが、「単なる計算のできるお猿さんだったので、ちゃんと勉強したいと思った」のが理由である。
  • 20歳 大学受験のために世界史を学び、「世の中の常識だって、しょせんは人間が決めているだけだと思ったんです」。
  • 23歳 上智大学で始めた陸上競技を通じて、挫折したときに助けてくれた人への感謝の気持ちを知る。
  • 24歳 国内大手通信会社に就職。約2年で退職。
  • 26歳 創業。

今、一番楽しいことは何ですか?

Q&A写真1 ブログを書くことです。自分の得た知識やアイデアのアウトプットになります。お酒を飲みながらのほうが、アウトプットしやすいですね。ブログも広告収入を生み出しています。

今、最も興味のあることは何ですか?

Q&A写真2 核シェルターについて調べてます。核シェルターのあるそろばん教室って面白くないですか(笑)? 近い将来、何かあったときのために、山と農地を確保しておきたい…なんて考えます。

髙橋 佳朗さん写真 髙橋 佳朗さん たかはし よしろう

小学1年でそろばんと出会い、中学1年で10段を取得。中学3年のとき、全国大会に優勝。大学では陸上競技にも打ち込み、走り高跳びの自己ベストは2m。そろばん教室の教育理念は「子どもが何かにのめり込むことのできる力をつける」である。

Campany info

佳日そろばん教室
所在地:東京都杉並区
創業年月:2017年1月
事業内容:そろばん教室
URL:http://kajitsu.main.jp/

※内容は2017年10月時点のものです。

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