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5つのステップで解説!海外展示会出展のポイント
5つのステップで解説!海外展示会出展のポイント

近年、海外展示会をきっかけに海外にビジネスを展開する中小企業が多くなっています。海外展示会は、多数の企業・バイヤーが一堂に会するため、販路開拓、テスト・マーケティング、情報収集など幅広い活動を効率的に行える絶好の機会と言えます。

一方で、出展料や渡航費など相応の費用がかかりますので、事前に十分な準備を行ったうえで参加をすることが大切です。 ここでは、海外展示会への出展をお考えの皆さまに、業種や分野を超えて共通する基本的なステップをご紹介します。

1.出展目的を明確にする
1.ターゲットを設定する

「展示会でどういう人と出会いたいのか」

ひと口に「海外バイヤー」と言っても、小売業者(個店、チェーン店、デパート、オンライン・ストア)、代理店、卸売業者など、展示会に訪れる人はさまざまです。さらにそれぞれに得意分野の違い(ハイエンド顧客向け/ローエンド顧客向け、地域・ニッチ特化など)もあります。機械設備などであれば、卸売業者だけでなくユーザーに直接営業し、販売するケースもあるでしょう。出展の目的が販売ではなく、感触をつかみたいという場合は、業者向けの展示会ではなく一般消費者向けの展示会に出るという選択もあります。

2.商談のゴールを設定する

「どこまで話を進めるのか明確に」

具体的に商談を進めるためには、価格面での提案準備をしておくことが必須です。消費財など金額の小さいものでは、「試しに少し仕入れて顧客の反応を見よう」というバイヤーが多く、「サンプル・オーダーをとる」というゴールが一般的です。機械設備など生産財では「後でデータや加工品サンプルを送ってほしい」あるいは「一度、工場に来てほしい/訪問したい」という話になるでしょう。

2.最適な展示会を探す
1.どんな展示会があるのか調べる

「まずはWEBでリサーチを」

WEBを使って、進出したい国の展示会や関連業種分野の展示会について情報収集を行い、出展する展示会の候補を洗い出します。 日本貿易振興機構(ジェトロ)のWEBサイト「世界の見本市・展示会情報(J-messe)」では業種・開催地ごとに展示会情報を検索することができます。

特定分野に特化した小さな専門展示会をWEB で探す場合は、国名や分野名と「展示会」を意味するtrade show / exhibition / fair / messeなどの語を組み合わせて検索します。

2.最適な展示会を選ぶ

「来場者の多い展示会が良い展示会とは限らない」

自社の目的に関係しそうな展示会候補を見つけたら、それぞれの展示会の公式WEBサイトの情報を比較します。開催報告写真から会場の雰囲気を、出展企業一覧から出展者を調べれば、対象業界や出展競合企業のこと、卸売業者が出展していればその情報が得られます。

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自社の目的に関係しそうな展示会候補を見つけたら、それぞれの展示会の公式WEBサイトの情報を比較します。開催報告写真から会場の雰囲気を、出展企業一覧から出展者を調べれば、対象業界や出展競合企業のこと、卸売業者が出展していればその情報が得られます。

コラムジェトロなどの助成を活用する

海外展示会への出展に対する国としての補助は、ジェトロが行っています。世界の数多くの展示会に日本の企業のブース(Japan Pavilion)を設置し、出展者を募っています。

補助金により出展料が格安になっているだけでなく、ほとんどの展示会ではジェトロが事務局としての支援をしていますので、出展手続について日本語で相談できたり、出品物の通関・輸送のサポートを受けられたりするほか、バイヤーに対する来場喚起の広報も行っていますので、とくに初心者にはおすすめです。

また、都道府県が設立した海外展開支援の財団などが、ジェトロと同様の海外展示会の出展企画を行っていたり、ジェトロのJapan Pavilionへの出展を後押しする助成を行っていたりすることもあります。

ジェトロなどの助成を活用する
コラムメジャーな展示会一覧
メジャーな展示会一覧
3.出展を申し込む

「主催者、ジェトロなどに申し込みする」

展示会候補を絞り込んだら、出展案内を入手するなどして出展申込の受付期間を調べ、申し込み手続きを進めます。

主催者への直接申し込みは、1年以上前から受け付けている場合もあります。ジェトロのJapan Pavilionなどの団体出展の場合は、出展案内や出展募集はジェトロなどが行います。

対象分野に該当しているか、あるいは、十分な商品力があるかを審査する展示会もあり、希望が通らないこともあります。

3.出展の準備をする
1.準備の計画を立てる

「出展マニュアルを確認する」

展示会の主催者は、出展者が装飾などの準備をはじめる時期にあわせて出展者マニュアルを発行します。公式WEBサイトの出展者用ページなどで公開されるので、事前に確認をしておきましょう。マニュアルがまだ公開されていない場合は、前回のものを入手して参考とすることも有益ですが、最新のマニュアルが発行されたら必ず確認してください。

「展示に必要なものの輸送・通関は意外と時間がかかる」

計画の際に注意する必要があるのは、ブースに展示する商品、パンフレット類、展示什器の輸送・通関などに要する時間を考慮した出荷の期日です。輸送・通関などにかかる日数に余裕をもたせているため、出荷日は意外と早く設定されています。

マニュアルには、展示のルールや会期中のスケジュールのほか、社名板やバイヤーズ・カタログなどのPR情報の登録手続き、オプション備品の申込方法などが掲載されています。

ジェトロのJapan Pavilionに出展する場合は、ジェトロが出品予定者を事前に集め、登録事項や出品物の輸送方法などについて説明会を行うこともあります。

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2.出展の目的を設定する

「目標は、目的に合わせて具体的に」

出展の目的に合わせ、「卸売業者の候補を3社確保する」「新規顧客の候補を20社確保する」「現地市場に詳しいパートナー候補を2名以上見つける」など、目標を立ててから準備に臨みましょう。目標を達成するためには、出展者マニュアルに沿って準備を進めるだけでは不十分です。出展をより効果的なものにするために、積極的な準備を検討してください。

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3.商品PR資料をつくる

「企業情報ではなく、商品をきちんと説明する」

パンフレットでは、企業より商品をアピールすることに力を入れます。会社案内に興味を持つ海外バイヤーは多くありません。企業情報の詳細はWEBページを見てもらいましょう。

「無理に現地語にせず、まずは英語で」

質の低い翻訳は、情報を正確に伝えられないだけでなく、企業や商品の価値を毀損します。翻訳を含め、パンフレットの作成は信頼できる先に依頼します。ブランディングのため、あえて日本語を残すことも一案です。

商品パンフレットや機能・効果の根拠データなど、消費者にも同じ内容で伝えたいものは、なるべく現地語にしておくと良いですが、現地語の翻訳者にあてがない場合は、展示会の出展段階では英語としておき、現地の市場に精通したディストリビューターや現地パートナーを見つけてから、彼らの協力を得て現地語バージョンを作成してもらうほうが良いでしょう。

コラム出展予算を確認する

出展予算として大きいものは、展示品自体を除くと出展料、ブースの設計・施工料、資料作成・印刷費、輸送費、旅費です。予算が十分にない場合は、ブースの設計や資料の作成において工夫が必要になります。また、通訳など現地スタッフの手配も早めに進めましょう。日本企業が多く出展する展示会では、優秀な通訳者から予約が入っていきます。なお、日本公庫の「海外展開・事業再編資金」は、海外展示会の出展にかかる諸費用についてもご融資の対象となっています。

出展予算を確認する
コラム記念撮影をしておきましょう!

有望な商談先とは、できれば記念撮影をしておくと良いでしょう。展示会終了後はメールでのやりとりになるので、お互いに顔を覚えているとコミュニケーションが取りやすくなるためです。自社の商品を持って写れば、良いフォローアップツールになります。相手にも企業のロゴ入りパンフや商品カタログを持って写ってもらうとベターです。

記念撮影をしておきましょう!
4.出展する
1.通訳に事前の準備をしてもらう

「すべてを通訳任せにしない」

商談の際、商品やサービスについてのひと通りの説明は通訳に任せ、突っ込んだ質問をされた場合にのみ、自分たちの回答を通訳してもらう方法が一般的です。

通訳とは会期がはじまる前によく打ち合わせを行い、商品の特長、ターゲットとしているバイヤー、出展の目的、通訳に期待する役割、商談内容を記録するシート(以下、「商談記録シート」)の書き方などを事前に説明し、理解してもらっておきましょう。

一方で、バイヤーの反応を詳しく把握したいときは、通訳任せにせず、直接バイヤーに相対したほうがダイレクトに情報を得ることができます。そのため、ひと通りの説明(10行程度)と、よくある質問の想定問答を英訳しておき、それを丸暗記して臨むことをおすすめします。

2.商談する

「ブースには交渉の権限を持つ者を」

商談では、自社にとって理想的な取引条件は持ちつつも、譲れるところは譲る、代わりに相手の譲歩も引き出すなど、柔軟な交渉ができるよう、その権限を持つ社長か責任者が対応します。

想定していなかった良い話が出たのに、担当者が判断できず流れてしまったり、簡単な条件変更に即答できなくて破談したり、という残念なことが日本企業ブースでは多いと言われます。

ブースでの商談は、基本的な情報に加え、「どんな商品やサービスを探しているのか」「小売店か、卸売業者か、代理店か」「どのくらいのネットワークがあるのか」「購買に関するスケジュール感(販売シーズン)」なども聞きます。ここで聞きづらいことは、帰国後のメールではさらに聞きづらくなります。遠慮せずに、必要なことははっきりと尋ねましょう。

「商談記録シート」には、直接的な商談内容だけでなく、相手の印象なども記録しておきます。通訳にも、商談に立ち会った際に得た情報や感じたことなどを記入してもらいます。

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コラム 海外向けWEBサイトをつくる

展示会で商品に興味を持ったバイヤーは、詳細情報や信用できそうな会社かどうかなどを、WEBサイトを見て確認します。そのため、海外向けのWEBサイトがないのは致命的といえます。まずは、シンプルなデザインと簡潔な文章を心がけてサイトをつくるのが良いでしょう。

海外向けWEBサイトをつくる
5.有力商談をフォローする
商談後は早くフォローする

「重要な商談先には、返信が来る工夫を」

有望な商談先には、なるべく間をおかず、ブース訪問のお礼の連絡をします。商談を先に進めるため、お礼で終わらせず、返信が来る工夫をします。

(1)バイヤーはたくさんのブースを回っているので、一緒に撮った写真やブースの写真があれば、添付して思い出してもらいます。商品のWEBページURLも効果的です。

(2)WEBサイトなどで商談した相手のことを調べておくと、相手が返信しやすくなるような質問をすることもできて良いでしょう。どのくらいの店舗網や設備を持つかなどが分かれば、具体的な提案に役立ちます。すぐに提案できなくても、まずはお礼のみ、後日改めて提案したいと伝えれば好印象です。

(3)返事が来ない相手には、単にメッセージが埋もれている場合もあるので、簡単に諦めず、少し間をあけてもう一度連絡します。

「量目や価格については早めに回答を」

ブースで約束したサンプル送付や見積もりは、1週間以内をめどに送ります。要望に応じた量目や価格の調整などについても早めに回答します。

大きな取引になりそうであれば、信用状況の調査を行います。契約書の案も準備しておくと、その後の取引がスムーズです。

中小機構が発行している「海外展示会ハンドブック」には、今回ご紹介した基本的なステップ以外にも、「英語の名刺をつくる」「価格表をつくる」などの具体的なアクションや、「実践編」として、各界で活躍する23名のノウハウや知見が掲載されています。

また、同機構では、海外販路開拓に関する無料相談「国際化支援アドバイス」を全国10カ所の拠点で実施しています。

本ハンドブック(電子ブック版)の閲覧や、「国際化支援アドバイス」のお申込は、以下のWEBサイトから。
●海外ビジネスナビ⇒https://biznavi.smrj.go.jp/

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