ページの先頭へ

CASE
有限会社冨岡商店
石と皮革の文化圏で異彩を放つ桜の樹皮のテーブルウェア
樺細工製造・販売
進出先 ヨーロッパ
会社概要
  • 沿革創業以来、国内の百貨店やギフト商社を中心に樺細工製品を販売。2012年に開催されたドイツの国際見本市「アンビエンテ」出展を機に、海外展開を開始。主に海外有名ブランド企業と取引。
  • 所在地秋田県仙北市
  • 創業1975年
  • 業種樺細工製造・販売
  • 資本金500万円
  • 従業員数8名

2012年の初出展以降、毎年「アンビエンテ」に出展。その際はクライアント回りも欠かさない。パリを拠点に、鉄道でイギリスやオランダに日帰り出張することも。

初の国際見本市で受注が決定!

2008年に策定した企業理念の中に「世界に類を見ない一属一種ともいうべきクラフトの価値を国内は元より広く世界に発信したい」と記した時から、冨岡浩樹社長は海外での事業展開を考えていた。契機となったのは、2011年の東日本大震災。三陸地方に納入した商品が津波被害に遭い、その後も商売の動きは鈍かった。そこで冨岡社長は、デザイナーと共に海外市場を見据えた商品開発を始めることにした。

2012年2月、当社は、ドイツのフランクフルトで開催された国際見本市「アンビエンテ」に、海外向けに開発した30点の商品を携えて初出展を果たす。アンビエンテは、毎年14万人の来場者を誇る世界最大級の見本市だ。

「テーブルウェア系に強い見本市と聞いて出展しました。バイヤーの方々は、出展企業の基盤ややる気を量るため、3回ほど出展しないと商談は成立しないと言われていました」

ところが、初出展でフランスの有名ブランドのバイヤーから、曲げわっぱに樺細工を組み合わせたトレイ大小6個ずつの引き合いがあった。

その後も、2カ月ごとに追加で受注を受けた。「秋田杉と桜の皮のコントラストがきれいで、驚くほど軽くて使いやすい」というのが選ばれた理由だという。

本文画像

カラフルな帯がモダンな茶筒「Join」

それ以来、同ブランドとの取引は続いている。パリの本店だけでなく、同ブランドが展開するホーム部門でも取引が拡大。現在では、ロンドン、マドリード、カンヌ、ソウル、銀座、北京などのブティックで取り扱われている。有名ブランドが求める高い品質に応えることが、継続取引につながっている。

「ブランドのバイヤーからは『手作りであることは理解しているが、完璧を求める』と最初に言われました。品質のいいものを、納期を守って作るという基本を徹底し、社内で厳しく品質管理のチェックを行っているため、トラブルなどはありません」

また、EUの他企業とのネットワークも広がりつつある。かつて仕事で関わった磁器ブランドのアートディレクターが、金属加工メーカーに転職。同ディレクターの要望で、金属と樺細工を組み合わせたドアノブの試作品を製作し、ロンドンの見本市へ出展したところ、高い注目を集め、世界的なホテルチェーンに採用される可能性が出てきたという。

2015年には、経済産業省の地方発クールジャパンプロジェクト「TheWonder500」に当社の商品が選定されたことをきっかけに、日本公庫の海外展開・事業再編資金を利用。商品開発や、見本市出展のための資金として活用している。

本文画像

山桜の樹皮の表情を生かす職人の技

桜=JAPANというイメージも強み

「樺細工の素材は桜の皮。桜=JAPANとイメージがつながることも強みです。美しい桜の樹皮を生かした商品は海外では珍しく、希少性が高い。その価値を理解してくれるパートナーと組むことで、樺細工の商品価値を維持することができると思っています」

順調に海外展開が進んでいるとはいえ、売上に占める海外販売の割合はまだ1割程度。新商品を開発しながら、さらなる事業展開を模索中だ。

本文画像

直営店では伝統的な樺細工やモダンな商品を販売

Interview
社長の声
有限会社冨岡商店代表取締役社長 冨岡 浩樹氏

有限会社冨岡商店
代表取締役社長
冨岡浩樹

しっかりとものづくりをやってきた日本企業であれば、海外でも十分通用すると思います。海外に進出すると決めたなら、まずはやってみることです。商習慣は国によって異なりますので、自社のスタンスを決めて、ぶれずに貫くことが大切だと思います。数量や支払条件など、先方の言うとおりに合わせていたら、いつか無理が生じる気がします。また、信頼できる販売ルートやネットワークを活用することも大事です。

海外展開のTIME LINE
  • 2012年

    2月:ドイツの国際見本市へ出展
    ドイツ・フランクフルトの国際見本市「アンビエンテ」に出展し、有名ブランドのバイヤーとの商談が成立(以降アンビエンテには毎年出展)。
    9月:受注増加
    同ブランドから受注が増加し、パリ本店を訪問。サンプルを持参したところ、さらに受注が拡大。その後、有名ブランドが、世界6ヵ国に展開するホーム部門で取り扱われることに。

  • 2015年

    8月:TheWonder500に選定
    茶筒「Join」が経済産業省の「TheWonder500」に選定される。

  • 2018年

    2月:デザインを工夫
    知り合いのアートディレクターが金属加工会社に転職。ドアノブに樺細工を使用した商品を作って欲しいと依頼される。
    9月:海外へ展開
    新作のドアノブ商品を、DECOREXINTERNATIONALロンドンに出展(その後、モナコ、フランクフルトと巡回予定)。

  • さらなる海外展開に挑戦!

※内容は2018年11月時点のものです。

一覧へ戻る