進出形態輸出
進出地域カナダ、香港、マレーシア 等
業種・取扱商品コーヒー豆
「心に寄り添う」手作りの価値とともに提供するコーヒー豆が世界にファンを拡大中
事業を開始したきっかけを教えてください。
元々コロナ前は来店型のカフェを経営していました。しかし、コロナ禍により対面の営業が難しくなり、事業の転換を余儀なくされました。コロナ禍で強く感じたのは、「人間的な活動や人との繋がりといった、人間の本質を否定されている」ということです。そこで、同じように感じている人を勇気づけたいと思い、オンライン販売が可能なコーヒー豆の焙煎販売を開始しました。
傷ついた人に寄り添いたいという思いから事業をはじめたので、当社では商品のパッケージやHPなども手作りにこだわっています。商品パッケージのイラストや、購入してくれた方へのメッセージなどは、今でも全て手書きで製作しています。大量生産・大量消費ではない丁寧な手作りという価値を届け、購入してくれた方の心に寄り添っていけるようにと思っています。

インターネットによる販売は、その存在を知ってもらうまでが1つのハードルになると思います。どのような工夫をされたのでしょうか。
最初は売上があがらず、本当に苦労しました。そこで頼ったのが、既にインターネットでしっかりと売上を立てている先輩経営者に話を聞くことです。心掛けたのは「売上をあげるにはどうしたらいいか?」と直接的な質問をするのではなく、会話を重ねる中で本質を捉えるようにしたことです。それは、すぐに答えを得てそれを実行するのは誰かのせいにしたまま事業を行うことになりはしないか、会話の中で自分で答えを見つけ、覚悟を決めて実行することが大切ではないかと感じたからです。そうして会話を重ねる中で多くの学びを得られましたが、なかでも大事なのはサイトを見ていただく方に多くの選択肢を提供すること、つまり「商品点数」が重要ということです。そこで、まずはコーヒー豆の種類やブレンドを充実させるほか、コーヒーを入れる器具も含めて取扱商品を100品取り揃えると決めて取り組んだところ、多くの人の目に留まるようになり、販売量も増えていきました。それもあり、当社はコーヒー豆の販売がメインですが、今でもコーヒー器具を求めてくださる方が一定数いらっしゃいます。
海外への販売については事業の開始当初から想定されていたのでしょうか。
元々、学生時代に訪れたイギリスで多くの美術館を巡り、併設されているカフェで色々な人が自由に会話を紡いでいる文化に魅力を感じたことが、カフェやコーヒーに関心を持ったきっかけでした。カフェではもちろん国籍などの区分はなく、自由に会話を楽しんでいます。そうした背景もあり、事業を始めるにあたっても「日本国内」と「海外」を分けて考えることはせず、世界を1つの市場と考えて取り組んでいました。
海外の方に認知されるよう、工夫されたことはありますか。
当初から海外の方にリーチすることも念頭にあったため、当社のホームページは日本語と英語を併記する構成としています。また、特に工夫したことは、SNSにおける商品PRの方法です。SNSで商品をPRする際は丁寧に言葉で説明を尽くす必要があると思ってしまいますが、海外の方はフィーリング(感覚)で商品を選んでくれるケースも多いです。そこで、当時は珍しかったのですが動画にナレーションを入れず、きれいな映像と音楽だけの、海外の方に見てもらうことに特化した動画を投稿しました。その動画を見た海外の方から連絡が来るようになり、海外への販売が軌道に乗り始めたと感じます。

海外展開において大変だったことはありますか。
国ごとに規制が異なり、それに応じた配送の仕方などに対応していく必要があるという点は苦労することも多いです。ただ、これは注文があれば1つ1つ対応し、確実に商品をお客さまにお届けすることを積み重ねていくことで乗り越えられると思います。今後はアメリカ向けの輸出に必要なFDA登録(注)など、更に多くのお客様に商品をお届けできるように対応を行っていきたいです。
(注)米国への食品等輸出にあたって必要となる、米国FDA(食品医薬品局)への食品施設登録
今後の海外展開の展望を教えてください。
昨年嬉しいことがあり、「2年前からSNSを見ていてぜひ来たかった」とカリフォルニアから突然来店してくれた方がいました。当社が商品に込めている想いなどが距離を越えて伝わっていることが分かり、とても感動しました。海外展開に注力しようと大きく舵をきるきっかけにもなり、今は海外向けに特化したHPの作成を進めるなど更に海外展開事業を大きく育てる取組みを開始しています。将来的には海外売上が国内売上の10倍程となることを目標に、取り組んでいきたいと考えています。
最後に、これから海外展開にチャレンジしてみたいという方へのメッセージをお願いします。
日本は島国ということもあり、海外の方に対して「メンタルの壁」を作り上げてしまっていることが多いように感じます。ただ、海外の方が日本人を特別に区別して見ていることはほとんどありません。例えば、言語の壁も日本人だから発生するハードルではなく、世界中の誰にでも起こるものです。以前カナダの友人がドイツでビールを注文したところ、英語が通じずオーダーが通らないということがありました。英語でも起こる壁を日本人がとりわけ特別なハードルと考える必要はありませんし、むしろ本質の部分は日本人も外国人も何も変わらないと感じることが多いです。だからこそ、私たちが大切に作っている価値は、日本人にも外国人にも同じように届きます。今はインターネットが全てをつないでくれる時代です。そうした環境を活用して、外国人への販売や、海外に打って出るということを必要以上に特別なことと感じることなく、ぜひまずは一歩を踏み出してみてほしいと思います!