■株式会社ノベルズ [北海道河東郡上士幌町]
生産性の高いビジネスモデルを構築し、
酪農を起点に循環型農業も推進
SDGsゴール

SDGsゴール


雄大な自然が広がる北海道十勝がノベルズの事業拠点。グループ企業の従業員数は709名(2022年3月1日現在、事務・飲食事業パート社員含む)

自社ブランド「十勝ハーブ牛」を生産するノベルズ上士幌牧場の牛舎
企業情報
 2006年設立。北海道十勝を拠点に肉用牛、酪農、食品、バイオガス発電事業などを展開。ICTと畜産ビッグデータを活用し、成績改善や業務効率化を推進。2016年、国内酪農ギガファームとして初めて農場HACCP認証を取得。2016年度、経済産業省「新・ダイバーシティ経営企業100選」に農業法人で初めて選定。
利用した
公庫融資
スーパーL資金(農林水産事業)
取組み内容
交雑種1産取り肥育を事業化、一気通貫型のビジネスモデルを確立
 北海道十勝を拠点に道内12牧場、山形県でも牧場を経営するノベルズグループは、黒毛和種、交雑種の肉牛や乳牛をグループ全体で約34,500頭を飼養する国内最大級の畜産企業です。牧場現場での様々なKPI設定と畜産ビッグデータ活用による牛1頭当たりの利益率向上を重要テーマに位置づけるほか、バイオガスプラントの運営や農業サービス事業にも取り組み、創業以来、持続可能な農業経営の実現を追求しています。
 一般的な畜産農家にはそれぞれに専門分野があり、例えば、肉用牛農家は、繁殖、育成、肥育など分業されていることが多いですが、当社の場合、和牛生産においては受精卵の自社生産も含めて一気通貫型の生産モデルを構築しています。さらに食品事業を通じて6次産業化も推進しています。
交雑種1産取り肥育では和牛子牛と交雑種のブランド牛(十勝ハーブ牛)を効率的に生産。一方、酪農では生乳と和牛子牛を生産するモデルを構築。和牛生産では受精卵から繁殖、育成、肥育までの一気通貫型で事業を展開。ブランド牛の6次産業化も推進。
御影バイオガス発電所。近隣の酪農牧場、ノベルズデーリィーファームの畜産バイオマスを有効活用する目的で2017年春に操業を開始
 「外部環境や市況の変化にも柔軟に対応できる生産体制。生産効率と品質向上を追求して収益を最大化することが、自社の持続可能な農業につながり、それらを還元することで地域活性化にも貢献できます。これが、私たちの考えるSDGsです」と延與雄一郎(えんよゆういちろう)さんは話します。
 ノベルズグループでは、2009年には加工食品・精肉の販売、2011年には酪農事業、2017年にはバイオガス発電事業の操業を開始。日本公庫の融資を活用してスタートしたバイオガス発電事業は、酪農牧場で出る家畜ふん尿を活用してメタン発酵させる発電システムで、その過程で生成される有機肥料の “消化液” を自社が保有する飼料畑や地域の畑作農家(飼料栽培の委託先を含む)に還元し、循環型農業を実践しています。このような畑作農家との「耕畜連携」による地域共生は、持続可能な農業を実現する手段の一つとしてSDGsの理念にも通じるものです。
消化液散布の様子
大型搾乳機械のロータリーパーラー 

採算性があってこそのSDGs 農業を成長産業へ
 政府は輸出の拡大が期待される和牛生産量を2035年までには現在の倍に当たる30万トンに増やす目標を掲げています。一方で農業分野では、近年就労人口の高齢化など農家戸数は減少傾向にあります。「SDGsを掲げるのであれば、合理的な経営で生産性を上げ、企業を維持していかないといけない」と延與さん。ノベルズグループでは、現場での目標設定とデータ管理を徹底し、ICTも活用して経営課題を可視化、改善を続けることで、計画的かつ持続的に成長可能な事業活動を展開しています。また、ノベルズグループでは、日本農業の持続可能な発展に向けて、次世代の人材育成を目的に 「ノベルズ アグリ奨学金」を創設。将来広く農業分野での活躍を目指す農業系学部等で学ぶ大学1年生への助成を行っています。
畜産・酪農経営の重要指標となる様々なデータを管理して、現場での改善を継続する社風。ICTを活用した可視化、共有も推進
成果・効果
など
 和牛生産の高度・効率化や、酪農を起点にバイオガス発電所を利用した循環型農業の実践により、SDGsのゴール2「飢餓をゼロに」や、ゴール7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」などに貢献しています。また、ノベルズ アグリ奨学金による人材育成を通じて、ゴール4「質の高い教育をみんなに」に貢献しています。
地域の価値を高めるために、何ができるか。
株式会社ノベルズ/代表取締役 延與 雄一郎  当社の企業理念は「農業で世界中に驚きと笑顔を」です。事業活動を通じて農地や地域全体の価値を高めていくことが、農業視点のSDGsと言えるのではないかと思います。「地域共生」でともに発展し、そうした取り組みを広げていけたらと考えています。
株式会社
ノベルズ

〒080-1408
北海道河東郡上士幌町上士幌東3線259番地
TEL01564-2-3660
https://nobels.co.jp/