■株式会社マルイ [北海道紋別市]
魚粉製造施設を更新し、
地域の課題解決や環境負荷低減を実現
SDGsゴール
 

SDGsゴール


製造するフィッシュミール。道内の畜産用シェア9割を占めています。
製造だけでなく自社検査室を用意し、安心・安全な純北海道産魚粉の提供を行っています。
企業情報
 大正8年に創業、昭和37年から紋別市北浜町で魚粉製造を開始し、以降オホーツク地域の水産加工業発展の一翼を担ってきた水産加工業者。
取組み内容
地域の水産加工業の発展になくてはならない存在として、
持続可能な生産消費形態の確保に寄与

 株式会社マルイは、昭和37年から紋別市北浜町で魚粉製造を開始し、地元オホーツク海をはじめとした、北海道各地の漁港で水揚げされた魚のみを使用した純北海道飼料用魚粉を販売しており、高品質と安心・安全を追及した製品が評価され、北海道での採卵鶏向けの畜産用飼料のシェアは90%を誇ります。
 この魚粉製造にあたっては、地域の水産業者から排出されるスケソウダラ等の加工処理段階で発生する残滓(骨、皮、内臓等)を畜産飼料に加工しています。この残滓の処理は、産業廃棄物処理法で定められたもので、地域の水産加工業が発展するほど、多くなっていきます。当社の業務は、地域の水産加工業の発展に必要不可欠なものです。そんな株式会社マルイの経営理念は、「お客様と地域に愛され、社員と会社の幸福を実現する」。代表取締役を務める池澤拡峰さんが令和3年に社長に就任してからは、業務の電子化・簡略化など従業員が働きやすい環境整備も進めており、経営理念を体現した経営を進めています。

魚粉製造施設を更新し、臭気やCO2排出量を大幅に削減
 魚粉製造は、地域に必要不可欠な事業ですが、その一方で、残滓処理の工程内で発生する臭気への対策が地域から求められていたほか、製造の際に出る煮汁の処理が施設の老朽化等で追いつかず、水産加工業者の工場稼働や生産者の水揚げに支障をきたす懸念があるなどの課題がありました。そうした課題に対応するべく、株式会社マルイでは、令和4年に補助金や民間金融機関・日本公庫からの支援を受け、魚粉製造施設の更新を行いました。設備更新により、煮汁の処理量が向上したほか、臭気のもととなる蒸気をボイラー燃焼用空気へ再利用することで、臭気の抑制が実現しました。この結果、脱臭処理等で使用していた重油使用量が55%削減される見込みで、これは、CO2排出量で換算すると年間850トンの削減となり、環境負荷の軽減にも貢献しています。
 池澤さんは、今回の設備投資について、「紋別の水産加工業を下支えしていきたいと考え、今回設備の更新を実現することができた。今後も地域のみなさまとともに街づくりに協力していきたい。また、今回の設備投資によって将来の魚粉製造の担い手確保に少しでもつながれば。」と話しています。
更新した設備。臭気の抑制は想定以上で、周辺地域や従業員からも喜ばれています。
日本公庫の
支援
魚粉(フィッシュミール)製造施設の更新に必要な資金を融資により支援。
成果・効果
など
 本来廃棄物として生じる骨、皮を原料にした飼料製造を通じて、ゴール2「飢餓をゼロに」、ゴール12「つくる責任 つかう責任」に貢献しています。また、魚粉製造施設の更新による重油の使用量削減に伴うCO2排出量の削減を通じて、ゴール6「安全な水とトイレを世界中に」、ゴール14「海の豊かさを守ろう」に貢献しています。
自らの積極的な行動が社会的課題解決への最初のプロセス
株式会社マルイ/代表取締役社長 池澤 拡峰  今回の設備投資は、社会的課題の解決に向けて自ら積極的に行動した結果、周りの様々な方々の支援に繋がって実現したと考えています。そうした会社や地域のための積極的な取組みが、結果としてSDGsの実現にもつながっていくのかもしれないですね。
株式会社マルイ
〒094-0001
北海道紋別市北浜町2丁目
10番45号
TEL 0158-24-4111
https://marui-fishmeal.co.jp/com