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調査季報(2008年度)

小企業に関する調査・論文集です(季刊)。

 

お問い合わせは、日本政策金融公庫総合研究所小企業研究グループ(03-3270-1687)までお願いします。

2008年8月号

小企業における雇用の実態(PDFファイル576KB)

  国民生活金融公庫総合研究所 主席研究員   竹内   英二

 労働力人口のおよそ4分の1は小企業で働いているにも関わらず、小企業は多くの労働統計で対象となっていないため、どのような人たちがどのような条件で働いているのかといった雇用の実態はこれまで十分に分かっていなかった。そこで、国民生活金融公庫総合研究所では「雇用に関するアンケート」を実施した。
 その結果、以下のことが分かった。小企業では正社員の雇用が中心であり、非正社員に代替する動きは見られないこと、非正社員に対しては大企業と同等以上の賃金を支払い、貴重な人材として扱っていること、高年齢者にとっては、定年を気にせずに、長く働き続けられる場となっていることなど、小企業には大企業にはない役割があること。ただし、正社員の賃金が低い、休日が少ないといった改善すべき点も明らかになった。

地方における新規開業の特徴とパフォーマンス 
−大都市との比較から−
(PDFファイル664KB)

  国民生活金融公庫総合研究所 上席主任研究員   深沼
副調査役   松原   直樹

 地方は大都市と比べて人口が少なく産業集積も乏しいことから、市場規模が小さく経済が低迷している傾向にある。県民所得などの指標からみれば、格差は近年拡大しているようにもみえる。こうした地方経済を活性化する方策として考えられるのが、新規開業の促進であろう。
 本稿では、国民生活金融公庫が実施したアンケート調査をもとに、地方の新規開業の特徴とパフォーマンスを大都市と比較しながら分析した。その結果、地方における新規開業は、大都市とは異なる特徴を持ちながらも、多様な役割を果たしており、地域経済の活性化にも貢献していることがわかった。

中小製造業における製造現場の変化と技能継承の課題 
−小企業の技能継承の手がかりを求めて−
(PDFファイル512KB)

  大阪商業大学総合経営学部 教授   加藤   秀雄

 大企業を中心に収益回復が聞こえてくる中で、わが国の雇用構造は新たな転換期を迎えている。本稿では、そうした時代背景を踏まえ、中小製造業における技能継承の問題の所在を、雇用構造の視点と製造現場のME化という視点から分析した。それにより、技能継承に対する問題意識が規模の小さい企業ほど希薄であること、世代間バランスの崩れが中小企業だけではなく大企業に及んでいること、そして技能継承の問題の所在が基盤技術個々によって微妙に異なっていることなどが、各種統計データ、調査報告書から明らかになった。

2008年5月号

従業員への事業承継
―小企業における現実と課題―
(PDFファイル528KB)

  国民生活金融公庫総合研究所 主席研究員   村上   義昭

 近年、小企業において従業員への事業承継が注目されるようになっている。経営者に求められる能力が高度化し、子供だからといって後継者としてふさわしいとは限らなくなっていること、子供においても家業だから承継しなければならないという意識が希薄化していることが、その背景にある。
  本稿では、従業員への事業承継のメリット、デメリットを整理し、どうすれば従業員へ円滑に事業承継できるかを検討する。

産地で芽吹く小企業の新たな動き(PDFファイル492KB)

  国民生活金融公庫総合研究所 副調査役   中谷 昌弘
副調査役   藤井   辰紀

 全国各地にある産地の多くは、1980年代後半以降の円高や、それによる安価な輸入品の流入といった環境の変化により、大きな打撃を受けた。これまで、産地を活性化しようと数多くの取り組みや政策支援が行われてきたが、状況は今も厳しい。しかし、一部に光明もある。革新的な取り組みによって新市場を開拓し、強い競争力を身に付けた小企業の存在である。
  本稿では、産地の現状とこれまでの支援策を整理するとともに、産地で活躍する企業へのヒアリング調査をもとに、成功のポイントを考察した。

女性の起業活動の特徴
―グローバル・アントレプレナーシップ・モニター調査より―
(PDFファイル343KB)

  武蔵大学経済学部 教授   高橋   徳行

 創業や起業に関するデータは、そもそも少ない上に、男女別になると、さらに利用可能なものは限定され、国際間の比較ができるものになると皆無に等しい。そのなかで、1997年に、米国バブソン大学と英国ロンドン大学の起業研究者たちが中心になって、調査チームが編成され、第1回調査が1999年にスタートしたグローバル・アントレプレナーシップ・モニター調査は、男女別に国際間の創業や起業活動を比較できる唯一の調査である。本稿では、まず、世界的にみた女性の起業活動の特徴を整理する。男性と比べて女性の起業活動は活発なのか否か、そして起業動機に違いはあるのかなどをみていく。次に、経済の発展段階による起業活動の違いを明らかにする。そして、最後に、わが国の女性の起業活動の最近の特徴などを紹介する。


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