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総裁メッセージ

このたびの東日本大震災により被害を受けられた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

平成22年度の取組み

日本政策金融公庫(以下、日本公庫)は、国の政策の下、セーフティネット機能の発揮に、役職員一体となって取り組みました。特に、リーマンショック以降の緊急対策として、資金繰りにお困りの中小企業や農林漁業の皆さまへの支援を積極的に行いました。その結果、平成22年度「セーフティネット貸付」の融資実績は、4兆3千億円となりました。

全国の信用保証協会で実施された景気対応緊急保証制度についても、日本公庫が保険を引き受けて制度をバックアップすることで、中小・小規模企業の皆さまの円滑な資金調達を支援してきました。

また、「中小企業金融円滑化法」を踏まえた返済条件の緩和等による資金繰り支援に柔軟に対応するとともに、国際金融秩序の混乱への対応として、国際協力銀行による日本企業の海外事業への支援や危機対応円滑化業務による日本政策投資銀行や商工中金への信用供与を通じた日本企業の支援を実施しました。

口蹄疫、鳥インフルエンザ、新燃岳噴火、最近では東日本大震災の発生に際し、中小・小規模企業や農林漁業の皆さまの資金繰りに関するご相談に、できる限り迅速かつきめ細かく対応しました。

東日本大震災においては、直接・間接的に被害・影響を受けられた皆さまに対して、全国152支店に特別相談窓口を設置するとともに、土日も含めてフリーダイヤルで電話相談をお受けする態勢を整備し、総力を挙げてご支援しています。被害の甚大な地域では、本店や他の支店から応援を派遣し、関係機関とも連携しつつ、現地相談会・説明会等を順次実施しています。

平成22年度から強力に推進しているビジネスマッチングや農商工連携の推進などについては、複数事業が一体となって幅広いサービスの提供に努め、平成22年度の事業間連携によるお客さまの紹介件数は前年度の約3倍、1,565件と大幅に増加しました。

さらに、新成長戦略などの国の施策の下、政策金融に求められる各種ニーズに適切に対応するため、創業支援、ソーシャルビジネス向け支援、海外展開支援、6次産業化支援等に取り組みました。

組織運営の取組み

組織運営面では、能力・成果主義に基づく人事・給与制度の統一、権限・責任の明確化や権限委譲など組織の見直しを行い、迅速な意思決定が可能となる仕組みを構築しました。これにより、経済危機対応や震災のため大きく増加した業務を円滑に実施することが可能となりました。また、間接業務の集約化を図り、経費の削減にも努めました。

人材育成に関しては、マネージメントや専門知識の向上のため、人材アカデミーを創設し、体系的な人材育成プログラムを開始しました。また、女性活躍推進のため、女性管理職比率を7年後に5%( 平成23年4月現在1.3%)にするという目標を掲げ、女性管理職の育成に取り組んでいます。

平成23年3月期決算

平成22年度(平成23年3月期)決算においては、与信関係費用の減少等により、損失額は平成22年3月期と比べ2,263億円減少したものの、日本公庫全体で8,865億円の純損失を計上しました。

主な要因は、信用保険業務において、保険料等2,822億円の収入等に対して、支払保険金7,231億円の計上、保険契約準備金3,711億円の積増しの結果、8,120億円の純損失を計上したことです。

信用保険業務以外の業務では、国際協力銀行の業務が590億円の利益を計上しました。一方で、国内事業にかかる業務では、東日本大震災の影響を含む貸倒引当金1,624億円の繰入などにより1,335億円の純損失を計上しました。

日本公庫の今後の取組み

東日本大震災への対応については、業務運営計画に盛り込み、引き続き返済、融資相談にきめ細かく対応するとともに、平成23年度に新設された東日本大震災復興特別貸付や震災特例融資を十分に活用し、資金繰り支援や復旧・復興支援に公庫一丸となって全力で取り組みます。

また、新成長戦略などの国の施策にも的確に対応します。なかでも中小企業の海外展開について融資や情報提供などの面から積極的に支援していくため、平成23年度新たに上海事務所を開設いたします。さらに農畜水産物の輸出支援についても後押ししていきます。

統合によりシナジー効果の一環として取り組んできた、事業間連携による幅広いサービスの提供を更に進め、公庫の「総合力」を発揮した融資と情報の両面からの金融サービス強化に取り組んでいきます。

一方、これまで組織・業務の合理化・効率化を進めてきましたが、それらをシステムに反映させるべく、今年度から3ヵ年計画で新しいシステムを構築します。その中心は、従来のホスト・メインフレームに替えて、プライベート・クラウドのシステムで進めていきます。

なお、先般成立した国際協力銀行(JBIC)に関する法律に基づき、国際協力銀行は、インフラ分野を中心に海外投融資機能が強化され、平成24年4月に日本公庫から分離することとなります。

平成23年度は、現行どおり業務を継続しますので、従来と変わらずご利用いただけます。

私たちは、お客さま一人ひとりの声を大切にして、地域経済、国民経済、国際経済の成長・発展に貢献していくことを目指します。

今後とも皆さまの一層のご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

平成23年8月
総裁 安居 祥策