TOP > 中小企業事業 > 総合研究所 > 中小公庫レポート
中小公庫調査部では、今後成長が期待される環境機器ビジネスの現状と今後の動向を把握し、中小企業にとっての有望な事業分野と、環境機器ビジネスを展開するうえでの留意点について取りまとめた標記レポートを作成した。概要は以下のとおりである。
今後の環境機器市場には、環境保全に関する法規制の制定・強化などにより「質」・「量」の両面で変化が生じ、事業拡大や新規参入のチャンスをもたらすと考えられる。「質」の変化とは新たな処理技術(環境機器)の登場であり、「量」の変化とは環境機器導入者の拡大である。 なお、中小企業による環境機器ビジネスの分野としては、(1)環境機器を構成する“環境ユニット機器”すなわち部品メーカーとして係わる分野、(2)環境機器本体のメーカーとして係わる分野という2つの視点からアプローチしている。
需要拡大が期待されるユニット機器としては、圧縮機、破砕機、選別機、集塵装置等があり、これらは、市場規模が小さく、機種が多いことから中小企業にふさわしい事業分野である。
ユニット機器には他の用途から環境用に転用された機械が多く、その生産には一定の経験が必要になる。さらに、実績重視の取引形態など、ユニット機器業界は既存メーカーに有利な条件下にある。
したがって、既存メーカーにとっては、(1)関連分野での技術蓄積、(2)受注実績の積み重ねと、それによる製品認知度の向上、(3)コストダウンへの対応力強化、(4)メンテナンス体制の強化、などがビジネスチャンス拡大の条件となる。
一方、新規参入は必ずしも容易ではないが、その条件としては、(1)保有技術の転用・応用が可能であること、(2)既存製品に対するコスト競争力を有すること、(3)メンテナンス体制を構築できること、などがあげられる。
中小環境機器メーカーとしての分野には、(1)処理能力が小さな小型機器が多い、(2)民間企業向けが多い、といった特徴があり、今後需要が期待される分野としては、汚泥処理装置や農業向けの排水処理装置などがあげられる。ただし、環境機器ビジネスには、ユーザー側に“導入するインセンティブが明確でない”といった問題があり、また、参入企業の増加により開発・販売競争も激化している。
このため、環境機器の開発にあたっては、(1)自社技術の応用や高度化、組み合わせの可能性を検討すること、(2)導入メリットを明確に与えること、(3)他社との提携などにより販路を構築すること、が求められる。