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中小公庫レポート07-7

中小公庫レポート『地域産業集積の変容~北上川流域地域を事例として~』について

中小公庫総合研究所は、今般、近年の地域産業集積の変容について調査した中小公庫レポート「地域産業集積の変容~北上川流域地域を事例として~」を発行した。
これは、誘致型複合集積の代表的存在である岩手県の北上川流域地域(*)のこれまでの変容と今後の発展の方向性について、企業へのインタビュー等から、分析・検討したものである。

1.北上川流域地域はこれまでどのように変容してきたのか

  • ・ 同地域の主力産業は、1993年の同地域での自動車組立工場稼動を契機に、電気機械器具製造業から輸送用機械器具製造業へと変わりつつある。
  • ・ 同地域の地場企業と同地域への進出企業へのインタビューから、次の点が明らかになった。
    • ① 地場企業の創出・育成に、進出企業等が影響を与えている例がみられる。
      今では、機械金属加工の先進企業にまで成長した地場企業もある。
    • ② 進出企業の多くは、首都圏での操業環境悪化等から、同地域に分工場を設けたとみられる。
    • その後、その分工場は、主力工場や海外工場のマザー工場になっている例がみられる。

⇒北上川流域地域は、「量産機能に特色を持つ地域」から、「多品種・少量・高精度の生産機能、製品開発機能等に特色を持つ地域」へと変容しつつある

  • ③ 一方で、関東地方等と比べ金属加工メーカー等に厚みがないことが同地域の課題といえる。
  • ④ 同地域には、現状、自動車産業への参入に、積極的な企業から慎重な企業まである。

2.北上川流域地域は今後どのように発展していくのか

  • 可能性を持つ機械金属加工の集積地への発展
    現状、同地域は、金属加工メーカー等に厚みを持っていない。しかし、金属加工の先進地場企業の存在、金属加工メーカー等の誘致に有効な低廉なコスト等を勘案すれば、機械金属加工の集積地へと発展する可能性はある。
  • 長い目で観察すべき自動車産業の集積地への発展プロセス
    同地域の企業が自動車産業へ参入するには、専用生産設備の調達等が必要になるという問題がある。他方、機械金属加工の集積地への発展と歩調を合わせて、自動車産業の集積地へと発展する可能性はある。今後、同産業が同地域に根付くプロセスを長い目で観察する必要がある。

(*)誘致型複合集積の名称は、中小企業白書2006年版より引用。本レポートにおける北上川流域地域は、岩手県北上市、花巻市、奥州市を中心とする、経済産業省 工業統計表[工業地区編]の岩手中部地区と胆江地区を合わせた地域。