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中小公庫レポート07-5
中小公庫レポート『地域産業集積の変容~燕産地を事例として~』について
中小公庫総合研究所は、今般、近年の地域産業集積の変容の状況について調査した中小公庫レポート「地域産業集積の変容~燕産地を事例として~」を発行した。
これは、産地型集積(※)に位置付けられる燕産地(新潟県燕市)のこれまでの変容の状況と今後の発展の方向性について、産地企業への聞き取り等に基づいて、分析・検討したものである。
1.燕産地がこれまでどのように変容してきたのか
- ・ 燕産地の洋食器と金属ハウスウェアの出荷額は、中国の台頭等の影響から近年大幅に減少。
他方、同産地の出荷額全体に占める、運動用具・道路標識・建築金物等他に分類できない金属製品のウェイトが近年上昇。
⇒燕産地は洋食器等の産地から、多様な産業分野にわたって金属製品を生み出す産地に変容している
- ・ また、産地企業等への聞き取りから、次のようなケースがみられた。
① 産地企業は、生産拠点を広く選択しており、たとえば、量産品等の生産拠点として中国を選択し、それらに係る経営資源を中国に移転しているケース。
② 企業再編により、同産地が有する経営資源を有効活用しているケース。
③ 個別・連携体で新たな販路開拓を試行しているケース。
④ 同産地の生産機能強化に資する取り組みを実施しているケース。
⑤ 同産地外に本格的な拠点を設け、営業活動等を実施しているケース。
⇒こうした動きの相互作用により、燕産地自体は「多品種」「少量」「短納期」「厳格な品質管理」といったきめ細かな対応力や製品開発力に特色を有する産地に変容している
2.燕産地が今後どのように発展していくのか
- ・ 洋食器や金属ハウスウェア分野における、多品種・少量・短納期・厳格な品質管理等の国内市場の特性への対応は、まさに燕産地の特色を活かせるところ。
また、ユーザーへの直接販売は、小売価格の低下を通じて、価格優位性による中国のメーカーとのすみわけを変え、産地企業の活躍の場を広げる可能性がある。
さらに、同産地発の輸出も不可能ではなく、現に同産地から包丁が世界に輸出され、今後輸出が検討されている製品もある。
- ・ 多様な産業分野にわたって金属製品を生み出していく取り組みは、引き続き、主たる発展の方向性と言える。
同産地は、大都市圏と比較して低廉なコスト、協力工場が得やすい環境等、この方向で発展していくための基盤を十分に具備している。
(※)産地型集積の名称は、中小企業白書2006年版より引用。同書によれば、新潟県燕市は産地型集積に位置付けられている。