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中小公庫レポート05-6

中小公庫レポート「中小企業の技術経営(MOT)と人材育成」について

 中小公庫総合研究所では、中小企業における技術経営(Management of Technology)の必要性や意義、人材育成を含めた実践のあり方を調査・分析し、取りまとめた。

 科学技術立国として知られる我が国では、大学や公設試験研究機関のみならず、民間企業自らも基礎研究や応用研究を手がけており、特許出願件数では米国に次ぐ2位の地位にある。一方で、国際的な競争を勝ち抜くために、研究開発や技術開発にもスピードが要求されるとともに、研究成果や開発成果をいかに効率よく新製品・サービスへ結びつけていくかが重要な課題となっている。つまり、優れた技術を保有するだけではなく、技術を戦略的にマネジメントしていく“技術経営(MOT:Management of Technology)”の視点が問われるようになってきた。
 このような課題や問題意識を背景に、最近では技術経営の重要性が論じられ、大学や大学院では技術経営の人材育成プログラムの提供が行われている。しかし、こうしたカリキュラムのケーススタディは大企業が中心に取り上げられるなど、これまでの技術経営の中心は大企業であった。
 一方、技術経営の重要性は技術志向型の中小企業にも当てはまる。中小企業の場合、かつては極めて優れた技術を保有していれば、腕一本でも業を興し、事業をある程度発展させることが可能であったが、今日では、技術(腕)だけでは生き残りが難しくなっている。自社のコア技術を経営にどう生かすか、今後の技術潮流をどう見極めて経営の舵取りをするかという戦略的経営が、中小企業においても問われている。そして、今日“勝ち組”とされる中小企業経営者の多くは意識的、無意識的に技術経営を実践している。
 このように、技術経営の重要性は大手も中小も同じだが、中小企業に大手企業の技術経営の考え方がそのまま適用できるものでもない。また、技術経営を実践するにあたり、どのような人材を育成すべきかという点も、大手企業と中小企業では違いがある。

 このような現状と課題を踏まえて、本レポートでは先進的な技術経営に取り組む中堅・中小企業のケーススタディを行いながら、中小企業経営者に対して技術経営導入に向けたポイントを分かりやすく提示することを目的としている。

本レポートの構成は以下のとおりである。

第I章. 技術経営(MOT)とは
 1. 技術経営とは何か
 2. 技術経営の意義
 3. 技術経営の視点

第II章. 事例にみる中小企業の技術経営の特徴
 1.  事例調査の概要
 2.  技術経営への“きっかけ”と体制づくり
 3.  コア技術戦略
 4.  コアマーケット(コア事業)戦略
 5.  アライアンス戦略
 6.  マーケティング
 7.  プロジェクトマネジメント
 8.  知的財産マネジメント
 9.  人材マネジメント
 10. イノベーション戦略~新規事業展開の考え方
 11. 技術経営を成功に導くポイント

第III章. 技術経営に向けた中小企業の人材育成
 1.  中小企業が求める人材と育成のあり方
 2.  我が国におけるMOT教育の現状

事 例 紹 介