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中小公庫レポート04-5

「中国との新たな連携を志向する我が国中小企業の戦略と課題」について

 中小企業金融公庫総合研究所では、生産拠点から販売市場としての位置づけが高まっている中国において、中小企業が事業拡大あるいは参入する際の事業戦略の方向性等をまとめた。概要は以下のとおりである。
 なお、本調査は株式会社UFJ総合研究所への委託調査により実施したものである。

  • 1. 中国ビジネスをとりまく環境変化  
       目覚しい経済発展を遂げる中国では所得水準が上昇し、一人当り消費支出も伸びており、日本企業は中国を単なる生産拠点としてではなく、有望な販売市場としても捉えるようになっている。一方、中国市場においては、日系大企業等が現地調達比率を高める中、これまで低価格を武器にしてきた中国ローカル企業の技術力も向上しており、日系中小企業とローカル企業、さらには外資系企業も含めた熾烈な競争が展開されている。
  • 2. 環境変化に対応した、中小企業の事業展開パターンと事例分析  
       販売市場としての魅力が高まる中国でビジネスチャンスを掴もうとする事例、さらには、人材マネジメントや取引慣行などの困難な問題に直面しながらも中国の活力を取り込む事業展開に挑む事例など、新たな事業展開パターンごとに、計21社(中小企業12社)の事例を紹介している。
  • 3. 新たな連携も視野に入れた新たな動き  
     ①中国人消費者に売るケースでは、マーケティングや販売促進・流通管理を目的とした小売業との関係構築の動き、②ローカル企業に売るケースでは、アフターサービス重視でユーザーとの関係を強化する動き、③中国でものをつくるケースでは、コストダウンに対応するためローカルの協力企業を育成・サポートする動き、④商慣行や規制に対応するケースでは、規制市場へ参入するため戦略的パートナーを活用する動き、⑤人材を生かすケースでは、中国の教育機関と連携して人材を育成する動き、などがみられた。
  • 4. 今後の中国における事業戦略の方向性  
     ①販売戦略としては、多様な消費者への対応や、商慣行の違いなどによるビジネスリスクの緩和のため、自社の優位性を発揮できるマーケットを見出し、自らが販売先との関係を強化することが重要であるとともに、販路開拓を行っていく上ではコンサルティング会社や商社が持つビジネスインフラを活用することも有効といえる。加えて、②中国ビジネスを成功させるためには信頼できるキーパーソンの存在が不可欠といえるが、特に中国では組織的な関係よりも個人的なネットワークや信頼関係が物を言うため、人物重視で戦略的パートナーを見出すことも重要である。
     また、③熾烈な競争が展開されている中国でのものづくり戦略としては、コストダウン等を目的とした協力企業の育成・サポートに加え、今後は設計変更まで踏み込んだ素材の現地調達や、中国のニーズに合った仕様によるものづくりが必要であり、中国の人財・技術・材料等を活用した“中国発のものづくり”へ挑む姿勢も重要である。
     そして、④人財戦略としては、低賃金の労働集約的な部分を中国へ依存するだけではなく、日本・中国人ローカルスタッフの連携による相乗効果や、中国人経営者・エンジニアの育成、グレーカラー(中学歴レベル)の活用といった着眼点も必要になると、それぞれ指摘している。