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中小公庫レポート04-4

「半導体・FPD関連産業における中小企業の現状と課題」について

 中小企業金融公庫総合研究所では、デジタル家電の普及などを背景に成長している半導体・FPD関連産業において、中小企業にとってチャンスが存在する分野、チャンスを活かすための経営上のポイント等をまとめた。概要は以下の通りである。
 なお、本調査は神鋼リサーチ株式会社への委託調査の成果をもとに当公庫が編集したものである。

  • 1. デジタル家電と日本の半導体・FPD関連産業
     デジタル機器の多様化、普及に伴って、半導体やFPD、半導体・FPDの製造装置も伸びている。今後も、より高性能、快適なデジタル機器を低コストで生産するというニーズに対応するため、半導体やFPDなどのデバイスの技術革新が必要である。例えば、FPDでは大型化、高画質化や省電力化、半導体ではシステムLSIの高集積化、コンパクト化や省電力化、などが技術的課題として挙げられている。製造工程の複雑化や工程数増加などにより増加している製造コストの削減も課題である。
  • 2. 集積地域における先進的連携モデルと大学の中小企業対応テーマ
     熊本県の事例では、中小企業が大学の研究室や大手企業と共に半導体・FPDの製造プロセスにおける技術的課題解決に取り組んでいる。大学は最先端の研究とそのインキュベーションに動き始めており、大手メーカーは技術的課題の解決に向けて大学が保有しているリソース活用を狙っていることもあり、連携が図られているようだ。そして、最先端の技術的課題解決には不可欠である、製造装置や検査装置、部品・部材の加工など中小企業が取り組み可能な分野の課題、情報も大学が保有している。このような大学を活用して情報、ニーズを掴むことが、中小企業の将来のビジネスチャンスにつながっていく。
  • 3. 事例にみる中小企業の取り組み状況
     本章では、実際に半導体・FPD関連産業に参入している中小企業にヒアリングを行い、中小企業が活躍できる可能性のある技術分野や経営面でのヒントを抽出している。
     技術面では、従来は大手メーカーが扱う領域と考えられる傾向にあった前工程の装置分野に中小企業が参入している事例がみられた。工程複雑化による歩留まり低下傾向に対処するための前工程での検査工程に対するニーズの高まりに対応しようとしている事例もある。また、検査装置というハードだけではなく、検査業務そのものを受注している事例もあった。
  • 4. 中小企業にとってのビジネスチャンス
     この分野で解決すべき技術的課題は広範囲にわたっており、デバイスメーカーや大手装置メーカーだけで課題に対応していくことは時間やコストがかかることから、中小企業にとってのビジネスチャンスも大きい。中でも、システムLSIの高集積化、コンパクト化ニーズ、FPDの大型化、高画質化ニーズ、それらの多品種少量生産に対応した、新たな製造装置、検査装置や同関連部品など、ものづくりのノウハウを活かせる分野が最も有望であると考えられる。特に検査分野では、製造プロセスの複雑化に伴い、チャンスが拡大するものと考えられる。
     加えて、これらの分野でのビジネスチャンスを活かすためには、絶えず一歩先の市場動向・技術動向に注意を払うことが必要である。そしてその急速な変化を認識し、スピーディに対応するためには、大学や地域企業やコンソーシアムなどの外部資源の活用が有効である。その上で、自社が保有しているコアにこだわりながら事業展開すること、取引先の技術ニーズに積極的に対応していくことが重要なのは言うまでもない。

 最後に、各デバイスそれぞれについて具体的に、技術者の目からみた「有望技術領域の提案」を作製している。
 また、巻末に半導体・FPDの製造工程と専門技術用語の解説を付している。