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中小公庫レポート04-1

「『地域中小企業の現状と展望』シリーズ 第1編 地域経済の変化と地域中小企業の動向」について

 中小公庫総合研究所では、『地域中小企業の現状と展望』シリーズの第1編として、「地域経済の変化と地域中小企業の動向」について、マクロ的な視点で概括した。

 バブル崩壊後の「失われた10年」において、経済のグローバル化、メガ・コンペティションの進展に伴い、地域中小企業の経営環境は厳しさを増している。
 雇用機会と付加価値を創出し、地域産業の下支えを担っている中小企業においては、このように激変する経営環境下にあって、生き残りを賭けた事業の多様化・高度化や新分野進出、事業転換を迫られている。
他方、市場の多様化・細分化、経済のサービス化の進展や業務支援関連のニュービジネスの勃興など、中小企業にとって新たな事業展開を行う上での追い風も吹いている。
 こうした背景事情を踏まえつつ、バブル崩壊後10年間における総務省「事業所・企業統計調査」等の統計データの動きをみると、次の仮説が導き出される。

  • (1)製造業を中心に事業所の減少が進む中で、主に非製造業において雇用機会の維持・拡大や労働生産性の向上が図られ、製造業の補完が図られている。
  • (2)中小規模事業所が、特に雇用機会の創出について、大規模事業所を上回る貢献を行っている。
  • (3)中小製造業事業所の減少が進展したが、残った中小製造事業所においては、人的資源の強化が図られ、事業の高付加価値化等を推進したことにより、大規模事業所を上回る労働生産性の向上を実現している。
  • (4)1991→2001年(度)において、都道府県内総生産や従業者数、労働生産性の動きに地域間で格差がみられる。上記仮説を踏まえると、その背景として、以下のような事情が考えられる。

①大規模製造事業所を中心とするリストラ・事業縮小の進展度合いに地域間で違いがあるのではないか

②中小製造事業所・非製造業における事業拡大や効率化・高付加価値化の進展度合いに地域間で違いがあるのではないか。

 中小公庫総合研究所では、第2編以降、本編における分析結果を活用するとともに、提示した上記仮説について検証を加え、「事業活動エリアの特性と経済動向を踏まえた地域中小企業の事業展開のあり方」について検討していくこととする。