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中小公庫レポート03-4

中小公庫レポート:「アウトソーシングの活用による中小企業発展の可能性」について

 中小公庫調査部では、アウトソーシングの戦略的活用により経営基盤強化・経営革新等を推進する中小企業の取り組みついて調査分析した。

 アウトソーシングに対しては様々な考え方があるが、本調査では「あるビジネスを遂行する上で必要な業務活動について外部の経営資源を戦略的(=経営方針・経営戦略に基づくもので、かつ、経営の高付加価値化に寄与する)に活用すること」という概念整理をまず行った。
 アウトソーシングの先進国である米国においては、アウトソーシングの活用分野が多様化するとともに、活用目的が「ビジネスプロセスの効率化」や「新たな付加価値を追求する手段」という戦略的な意味合いが強まっている。
 これに対し、わが国においては、依然として「コスト削減が目的」とする企業が多く、米国において多くあげられる「専門性の向上」や「本業への集中のため」という意識がまだ低いと推察される。
 こうした中、わが国中小企業においても戦略的にアウトソーシングを活用するところが現れており、アウトソーシングの活用により戦略的に経営基盤強化や経営改善・経営革新を図っている10事例を採り上げ、ヒアリング調査結果の分析を行った。
 その結果、次のような「アウトソーシングの戦略的活用のポイント」が抽出された。

  • 1. まず、自社を取巻く経営環境(市場の規模・成長性、顧客ニーズ、競合他社の状況)、自社の経営状況・経営資源(事業ポジショニング、コア・コンピタンス、資源配分)を十分に把握し、自社の「強み」及び「課題・問題点」を明確化する
  • 2. その上で、次の観点から経営戦略を練り直す
    ①自社の強みを活かせる付加価値の高い事業領域に特化しつつ、自社のコア事業、あるいはコア事業と密接に関連した業務を顧客から受託する
    ②「強み」をさらに強化したり「課題・問題点」を克服・解決するために外部資源を有効活用する
  • 3. 自社及び顧客、並びに受委託する業務について、成長性・将来性を見極める
  • 4. 収益向上、コア事業の選択と集中、成長分野への円滑な進出、投資リスク回避等の観点から具体的・定量的に効果を見極める
  • 5. より一層のメリハリある資源配分と積極的な外部資源活用のため、協業化・ネットワーク化を検討する
  • 6. 業務の受委託にあたって、①取引条件等の明確化、②受託企業のQCDF管理の徹底、顧客への報告徹底、③知的財産保護に係る取り決め等を行う
  • 7. 常に業務の受委託の妥当性について分析・検証し、収益性・安定性・将来性等の観点から他に優れた顧客あるいはアウトソーサーが存在する場合には再選定・変更を柔軟に行う