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中小公庫レポート03-3
中小公庫レポート「中小企業のブランド戦略」について
中小公庫調査部では「中小企業にブランドの確立は可能か」との問題意識に基づき、ブランドの確立・維持に取組む18企業1団体へのヒアリング調査を通して標記レポートを取りまとめた。概要は以下の通りである。
なお、本調査は(株)UFJ総合研究所への委託により実施した。
- 1. ブランド戦略とは
企業経営におけるブランドとは経営に対する一つの確立した考え方であり、昨今では企業の競争力を判断する材料として注目が高まっている。また、ブランドは、企業に長期的な利益を生み出す「資産」と捉えることができ、「投資」という観点からブランド戦略に取組むことが重要である。従って、ブランド戦略とは単なるマーケティングや広告宣伝の一環ではなく、トップがコミットして行う経営戦略であるといえる。
- 2. ブランド形成の条件とプロセス
ブランドを形成する前提条件として「他社との差別化」「経営者の熱いパッション」「顧客との直接的なパイプ」の3つが必要になる。また、ヒアリング各社のブランド戦略の取り組みには共通したステップが存在し、そこには上場企業から地域一番店まで共通する、一定のブランド形成プロセスが認められた。プロセスの実行においては、①客観的で冷静な自社の評価と②明確なブランドコンセプトの構築、③感動を伴うサービスの提供と④それを可能にする人材の育成、そして⑤顧客への効果的なメッセージの発信と⑥アセスメントによる評価の確認が重要であり、このプロセスを繰り替えすことでブランドはより強いものに革新されることになる。
- 3. 中小企業のブランド戦略の特長と課題
中小企業は大企業と比べて資金や人材面で制約がある。しかし、実際にブランドを活用している中小企業は存在し、ブランド戦略自体は中小企業にとっても十分身近なものといえる。さらに、マーケット規模や企業規模の小ささがメリットとなり、特別な仕組みを作らなくても経営者個人の暗黙知的なノウハウにより、大企業よりも効率的にブランドを形成できる場合もある。しかし、ブランドの成長とともに企業が成長し、事業規模を大きくする局面ではこのメリットが課題に転換し、アセスメントの仕組みやブランドマネージャーの配置など、戦略自体の再構築が必要になる。