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中小公庫レポート02-5
中小公庫レポート「産業集積におけるコーディネート機能の活性化」について
中小公庫調査部では、産業集積において中小企業が担うコーディネート機能について標記レポートをとりまとめた。概要は以下の通りである。
なお、本調査は(株)富士総合研究所への委託により実施した。
- 1. 「コーディネート機能」とは
本調査では、「コーディネート機能」とは、「産業集積内外にある様々な経営資源(人材、技術、情報、設備、資金等)を結びつけて、中小企業の事業展開に活かしていく機能(はたらき)」として定義する。
- 2. 「コーディネート機能」が求められる背景と重要性
「コーディネート機能」が求められる背景は、中小企業の経営環境が厳しさを増すなかで生き残っていかなければならないという「動機」の存在、問屋機能の弱体化に伴う新しい受注機能創出への要請、異業種交流活動活性化への要請、新規産業の創出及地域経済活性化への要請といった中小企業経営や行政にとっての「地域課題」、大企業のアウトソーシングニーズへの対応といった新たな「受注機会」の存在がある。「コーディネート機能」は、こうした動機、地域課題、受注機会に対応できる極めて重要な機能であり、その機能を発揮することにより、企業の強味を顕在化させ、開発・提案機能や新たな受注機能を創出し、産業集積の競争力を高めていくことも可能となる。
- 3. 産業集積における「コーディネート機能」の実態
コーディネート活動を行っている9企業を対象としたヒアリング調査により実態把握を行った。いずれの中小企業とも産業集積のなかで、受注の窓口的な役割を果たすとともに協力企業との信頼関係のもと、顧客ニーズに対応している状況が窺える。
- 4. 「コーディネート機能」の分析
実態把握を踏まえて、「コーディネート機能」の分析を行い、活動のポイントを示す。自社の事業展開を図る場合は、「コーディネートの発想と経営を軌道に乗せるまでの「志」の強さ」と「新たなネットワークづくりの努力」が、企業グループの運営の場合は、「自らの事業基盤の確かさ」と「産業集積や周辺企業との結びつきの強さ」が活動のポイントと言える。また、全事例を通じたポイントは、「参加企業間で目的意識を共有する」、「参加企業の信頼感を醸成する」「参加企業がそれぞれ自立し、グループに過度な期待を抱かない」「参加企業の事業の維持・拡大のために企業グループを活用する」「一括営業できるコーディネーター企業を育成する」ことである。
- 5. 国や地方自治体による支援制度と活用のポイント
国や支援機関等からみたポイントは、基本要件として「目的意識を明確にすること」や「マーケット開拓する能力と意識を高めること」等、活動要件として「情報流通の場(機会)をつくること」や「情報の受発信機能を充実させること」等である。また、支援機関活用要件として「地域のコーディネーターを活用できるマネジメント能力を持つこと」や「支援機関はあくまでもサポーターであるという認識を持つこと」等、産業集積活性化要件として「古くからの企業社会風土を変革すること」や「地域資源を活用した産業集積の底上げをすること」等である。
- 6. 産業集積におけるコーディネート活動のポイント
中小企業からみた活動の意味は、「新たな受注機会の確保」や「参加企業・受注企業の管理コストの低減」「新分野への展開の契機と技術力の向上」が挙げられ、産業集積からみた意味としては、「産業集積の強みの発揮と発掘」「産業集積を超えた連携の促進」「ものづくり基盤の維持・活性化」「新産業の創出促進」が挙げられる。今後の方向性については、「顧客への提案力の強化」「水平的、垂直的な企業間ネットワークの構築」「重層的な企業グループ間ネットワークの拡大」「行政による支援策の活用」がより一層求められよう。