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中小公庫レポート02-1
中小公庫レポート「中国の産業高度化と日系中小企業の経営戦略」について
中小公庫調査部では、中国の華南(珠江デルタ)及び華東(長江デルタ)の電子・電気機械産業の集積と高度化の現状ならびに国内中小企業へのヒアリング調査を行い、標記レポートをとりまとめた。概要は以下の通りである。
なお、本調査は(社)中小企業国際センターへの委託により実施した。
- 1. 中国の産業開発戦略と産業高度化
中国は第9次五ヵ年計画のもと、IT産業が驚異的な成長を遂げ、中国経済の牽引力となっており、続く第10次五ヵ年計画でもIT産業に対し積極的な振興方針を掲げている。外資の対中投資もWTO加盟等を背景に近時増勢に転じている。こうした対中投資の増加は部品産業の裾野の拡大と高度化をもたらしており、金型やプラスチック成形メーカーなどでは活発な対中技術移転が行われている。
- 2. 華南・華東にみる機械産業の集積と高度化
華南・華東両地域は、中国の2大ハード系IT産業集積地となっているが、両地域の特徴をあげると、華南は出稼ぎ労働力が豊富で、人件費が極めて低いこと、販売面は香港経由での製品輸出が主体であることなどに対し、華東ではワーカーレベルの人件費は華南よりも高いが技術系・経営管理系の現地人材に恵まれていること、販売面では中国最大の消費市場である上海市を核に、中国国内市場への参入を目指す企業が多いこと、などがあげられる。
- 3. 大手機械産業の中国立地戦略と経営環境変化
第1・2章で述べた環境変化をうけ、日系大手機械メーカーでは、最大の選考ポイントにコストをあげ、現地部品調達率を引き上げたり、部品調達拠点を香港から大陸域内に移すなどの動きが出ており、今後華南・華東での部品購買機能を強化する大手企業の数は増加すると考えられる。
- 4. わが国中小企業の中国事業と経営戦略
中国へ進出しているわが国中小機械メーカーへのヒアリング調査から、おおむね共通する課題として①現地駐在員としての人材の確保、②中国パートナーの確保とそのパートナーとの関係維持、③中国市場での信用できる取引先の確保・売上金の回収と資材・部品の調達、④設備資金の調達、があげられる。また、国内の本社・工場の位置づけとしては①研究開発・新製品開発・海外生産支援のマザー工場、②超精密部品・特殊素材の加工工場、③多品種少量生産・国内市場向け短納期製品の生産基地、④資金調達・流通・販売等の拠点、などがあげられる。今後は、日系企業以外の台湾系や中国ローカル企業等との競争が厳しくなると予想される中で、国内外の生産拠点で同時的に要求されるコストダウンや技術面でのレベルアップを達成していくという、国内外両面でのグローバル競争を基本とした国際経営戦略の展開が求められよう。