TOP > 中小企業事業 > 中小公庫レポート・調査レポート一覧 > 中小公庫レポート「情報化の進展が地域産業集積に与える影響」について
中小公庫レポート01-3
中小公庫レポート「情報化の進展が地域産業集積に与える影響」について
中小公庫調査部では、(1)インターネットを活用した受発注ネットワークが進展することにより、大田区や東大阪市といった中小製造業の産業集積地が受ける影響を分析するとともに、(2)ITを活用して地域産業集積を活性化させるための方策と留意点を取りまとめ、標記のレポートを作成した。概要は以下のとおり。
なお、本調査は、㈱三和総合研究所への委託により実施した。
- 1. 大田区と東大阪市における産業集積の特徴
大田区と東大阪市は、仕事(需要)を外から取り込み、集積地内で生産している典型例である。しかし、過去10年間で事業所数・従業者数を大きく減少させており、従来のような柔軟な生産ネットワーク、受注機能の拡大といった地域産業集積の機能維持が懸念されている。
- 2. 中小製造業における情報化への取り組み
代表的な受発注ネットワーク(5例)とそれを活用する中小製造業(2例)、受発注を目的とした中小製造業のデータベース(2例)及びものづくりネットワーク(2例)、を紹介して、中小製造業の情報化への取り組みの現状を分析している。
ITを活用した受発注ネットワークは、新たな受注開拓のツールとして有効に機能しているが、ものづくりが高度化、複雑化する中にあっては、知恵や技術を持ち寄ることができるリアルなネットワークが不可欠である。つまり、バーチャルとリアルな両側面を持ち合わせる“ものづくりネットワーク”を形成することが必要といえる。
- 3. ITを活かした地域産業集積活性化に向けた課題
情報化が進展しても、地域産業集積の意義は失われない。「仲間取引」「仕事の回しあい」といった関係は、中小製造業のものづくりの生命線であり、ITはそうした関係を維持・強化する有効なツールとなる。
ITを活かして地域産業集積を活性化させるためには、(1)公的セクターが集積地の企業データベースを構築すること、(2)個々の中小製造業は情報発信のスキルを向上させること、(3)縦ではなく、横のネットワークによるものづくり機能を強化すること、(4)顧客の課題解決や、商品開発の提案といったソリューションビジネスに展開していくこと、などが挙げられる。
地域産業集積の将来像は、受発注ネットワークを用いて需要を取り込むリーダーカンパニーと各中小製造業が、専門技術を持ち寄る横型のものづくりネットワークを柔軟に形成して顧客のあらゆるニーズに対応していくものとなろう。