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中小公庫レポート00-3

中小公庫レポート「ASEAN諸国における機械関連日系中小企業の経営戦略」について

 中小公庫調査部では、ASEAN諸国(うちマレーシア、タイ、フィリピン、インドネシアのASEAN4及びシンガポール)の経営環境及び同地域に進出している機械関連の日系中小企業に関して、日本本社へのアンケート調査を行なうとともに現地法人に対するヒアリング調査を行ない、その経営戦略について、標記の通りレポートを作成した。概要は以下の通り。

  • 1. 5年後の現地法人の売上は大幅な増加を見込む
      アンケート結果によると、5年後程度の将来的な現地法人の売上水準は、現状を100とすると173と大幅に伸びると予想されている。ASEAN諸国の輸出競争力の大幅な上昇や域内分業の進展による、他のアジア諸国や欧米先進国への輸出の大幅な増加などが見込まれている。反面、日本に対する売上の増加は、あまり見込まれていない。
  • 2. 受注・販売の現地化が進む
      また、販売の増加においては、輸出だけでなく、現地販売の伸びも見込まれており、現地で受注・販売を完結するという販売戦略面での一層の現地化が予想されている。販売先としては、日系企業への売上増加の度合いが最も高いが、現地企業及び欧米系企業への売上の増加の度合いもかなり高く予想されている。
  • 3. 製品内容の多角化、販売先の多様化の進行
      製品内容については、大幅に多様化することが予想されている。輸入部品からの切り替えにより日系大手企業が現地調達を進めていることから、高い技術力を持つ日系中小企業にこれまでの取引先以外の業種を含む様々な引き合いが寄せられるなど、新規受注が増えている。また、製品内容の多角化に伴い、販売先についても多様化すると予想されており、欧米系企業に対する輸出や現地販売の増加も見込まれている。
  • 4. 仕入・外注の現地化
      生産・販売の現地化に伴い、原材料仕入や外注においても多くの企業が、現地日系企業や現地企業、他のアジア諸国からの仕入・外注が増加すると予想しており、受注・販売と同様に仕入・外注面でも現地化が進むものと見込まれている。
  • 5. ASEAN地域における日系中小企業の現地法人の方向性
      ASEAN地域の日系中小企業の現地法人については、今後、二つの方向性が見られる。高い技術力を必要とし、現地における発注先との緊密かつ頻繁な連携を要する分野の企業では、現地での高度な設計・開発機能の保有が必須となってきている。他方、技術力をあまり必要とせず、労働コストが大きな要素となる分野の企業では、ASEAN以外での展開も含めた生産機能の配分など、日本本社から現地法人まで含めた事業全体の再構築が必要になると見られる。