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調査レポート00-2
中小公庫レポート「半導体・液晶産業の業界動向と中小企業のビジネスチャンス」について
中小公庫調査部では、半導体および液晶産業の業界動向と中小企業のビジネスチャンスについて検討した標記レポートを作成した。
本調査は、(株)三和総合研究所への委託により実施した。
概要は、以下のとおり。
<概要>
- 1. 半導体・液晶の製造工程を比較すると、「前工程」を中心に多くの共通点がみられる。 そのため、製造装置メーカーや、そこに部材を供給・加工する製造装置向け部材メーカーのなかには、半導体・液晶両分野に関わっている企業も多い。
本調査では、これらの共通点をまとめて捉え、(1)半導体・液晶を製造するデバイスメーカー、(2)デバイスメーカーに部材を供給するデバイス向け部材メーカー、(3)半導体・液晶用の製造・検査装置メーカー、(4)製造・検査装置メーカーに部材を供給する製造装置向け部材メーカー、の4プレーヤーに分類し、分析を行った。
- 2. 半導体・液晶産業には、(1)シリコンサイクル、クリスタルサイクルといった、周期的な需給変動を繰り返す、(2)巨額の設備投資を要する装置産業である、(3)技術革新が激しい、(4)総合的な技術力を要求される、(5)国際間での分業体制が進展している、(6)多くの有望市場が広がっているなどの類似した特徴がある。
- 3. デバイス業界については、半導体では、デジタルテレビ、DVD、パソコン、PDA、携帯電話、カーナビなど情報家電を中心として、液晶では、ノートパソコン、モニター、モバイル機器、携帯電話など、それぞれに有望市場が広がっており、短期的な需給変動はあるものの、長期的には、幅広い分野で需要が増加していくと予想される。
技術動向としては、半導体では微細化やウエハ大口径化、それに伴うプロセス技術進展などへの対応が、液晶では高速応答化や高精密化などへの対応が求められる。
- 4. 製造・検査装置業界は、精密機械やメカトロニクスなど総合的な技術力を要する産業であり、装置ごとに寡占化が進んでいる。その一方で、製造技術の変化期には、異分野からの新規参入もみられる。そして、装置業界はデバイス以上に需給変動が激しいが、長期的には成長が見込まれる。
- 5. 半導体・液晶デバイス向け部材については、半導体・液晶とも、デバイスの市場拡大に伴い成長が見込まれる。
| III. 半導体・液晶産業において中小企業が関わる事業領域とビジネスチャンス |
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- 6. デバイス分野は、半導体・液晶とも量産ビジネスのため、大手デバイスメーカー主導の分野となっており、完成品メーカーとしての中小企業のビジネスチャンスは見込みにくい。
但し、工程別にみると、半導体では、前工程は大手デバイスメーカーの一貫ラインとなっているが、後工程は外注比率も高く、工程別の協力工場としてビジネスチャンスは存在する。特に、選別・検査工程やパッケージ工程では、中小企業のビジネスチャンスが期待できる。一方、液晶産業については、大手グループ内での閉じた分業構造が特徴となっているため、中小企業のビジネスチャンスは見込みにくい。
- 7. デバイス向け部材分野は、半導体向けでは、エレクトロニクスのほか、ケミカルや非鉄金属など他分野の知識も必要であり、かつ、ある程度の資本力も要するため、中小企業が関わることは難しい。一方、液晶向けでも、ニッチ、カスタム分野を除いて、ビジネスチャンスは少ないと思われる。
- 8. 製造装置分野では、前工程は、巨額投資のための資金力に加えて、化学・物理・機械・コンピュータ制御などの総合力が要求されることから、半導体・液晶とも、大手メーカーによる寡占が進んでおり、今後とも中小企業のビジネスチャンスは見込みにくい。
一方、後工程については、(1)総合力でなく特定分野の技術のみで開発できる装置も多いこと、(2)仕様変更も多く中小企業の小回り性が発揮できること、(3)市場規模も小さく大手が参入しにくいことなどから、検査・測定装置やメカ技術をベースにした装置を中心に、中小企業のビジネスチャンスが広がっていく可能性が高い。
- 9. 製造装置向け部材分野は、特徴のあるユニット機器を製造するニッチトップ企業や、高度な部材加工・組立に対応している協力企業など、多くの中小企業が存在している。研究・開発への特化を進める大手装置メーカーでは、外注ネットワークを活用して機動性向上やコスト削減を図ろうとする動きが高まっていることから、今後についてもビジネスチャンスが拡大していくと予想される。
- 10. 中小企業がビジネスチャンスを掴むためには、全般的な対応として、(1)デバイスの変化を捉えた対応、(2)材料の視点からの差別化、(3)ビジネスモデルの再点検、が挙げられる。
また、デバイス、製造装置、部材分野ごとの対応方向としては、(1)オンリーワン技術の追求、(2)トータルソリューションの提供、(3)装置のモジュール化、(4)ニッチ分野への特化、(5)ソフトウエア開発力の強化、(6)製造環境のクリーン化、(7)ネットワーク分業の活用、が挙げられ、これらを自社の状況に合わせて検討していくことが必要である。